イケメン、ゴリマッチョ化計画

武智城太郎

読切(脚本)

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武智城太郎

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〇学校の校舎
「キャーー!!」
  校門のそばで登校待ちをしていた女生徒たちが、黄色い歓声を上げる。
  ここは私立自由ヶ坂学園高校(私服校)
「孝太郎様、おはようございまーす!!」
木崎孝太郎「おはよう、子猫ちゃんたち」
木崎孝太郎「みんな、今朝もキュートだね♡」
「キャーーー!!!!」
  フワ~~ バタ!
  バタ! バタ!
木崎孝太郎「おっと、いけない。また朝から失神させちゃった」

〇清潔な廊下
木崎孝太郎(この通り、僕は常軌を逸したモテキャラ)
木崎孝太郎(思い通りにいかない女の子なんていない)
木崎孝太郎「たった一人を除いては・・・」

〇教室
立花楓「そうそう、臭いよね」
木崎孝太郎(クラスメイトの立花楓。今日こそ彼女を落とす!)
立花楓「でもやっぱり酸っぱいかも」
木崎孝太郎「やあ、子猫ちゃん、今日も可愛いね♡」
立花楓「あ、やっぱり木崎君もそう思う?」
立花楓「あんまり可愛い野良猫ちゃんだから、学校まで連れてきちゃったの」
野良猫「ニャー!」
木崎孝太郎「え?」
立花楓「木崎君も撫でてあげて」
木崎孝太郎「う、うん・・・ナデナデ(動物苦手)」

〇保健室
木崎孝太郎(そう、彼女は少々エキセントリックなんだ)
木崎孝太郎(まあ、そこが魅力なんだけど・・・)
美奈子先生「はい、消毒液。噛まれたわけじゃないんだから、そんなに神経質にならなくて大丈夫よ」
木崎孝太郎「ありがとうございます、美奈子先生」
木崎孝太郎(彼女はイケメンモテキャラの誇りにかけて、必ず落としてみせる!!)
木崎孝太郎(ところで立花さんて、どういう男性が理想なんだろう?)

〇教室
  そんなある日──
奥平先生「今日から皆といっしょっに勉強する転入生を紹介するぞ」
奥平先生「上野君、入ってきなさい」
上野清「はい」
  ガラリ
上野清「は、初めまして。上野清です」
木崎孝太郎「えっ!?」
上野清「ゴ、ゴリラですが、よ、よろしくお願いします」
奥平先生「上野君は動物園生まれだが、頭が良いので市民権を与えられて、こうして自由ゴリラとして正式に高校に通うことになったんだ」
木崎孝太郎「いくらウチの学校が中の下レベルの偏差値とはいえ、動物なんて・・・」
立花小鞠「すてき!!」
木崎孝太郎「はあ!?」
立花楓「あんなに強そうなゴリラだなんて・・・!」

〇宮殿の門
  木崎邸

〇貴族の応接間
木崎孝太郎「ゴリラ・・・ ゴリマッチョ・・・」
木崎孝太郎「たしかに今は、筋トレのマッチョブームが来てるけど、」
木崎孝太郎「まさか彼女もそっちの趣味だったなんて」
木崎孝太郎「僕のような、少女漫画から飛び出してきたような長身細身はもう古いのか・・・」
木崎孝太郎「セバス!」
セバスチャン「はい、坊ちゃま」
木崎孝太郎「今すぐ邸内にトレーニングルームを作ってくれ。一流のトレーナーとも契約するんだ!」

〇トレーニングルーム
木崎孝太郎「はち! くっ! じゅーっ!!」
フィットネストレーナー「その気合ですよ、坊ちゃん!! ベンチプレス(30キロ)、あともうワンセット!!」
フィットネストレーナー「私も愛用してる、ハリウッド御用達のステロイド注射を打てば、すぐにお望みのゴリマッチョになれますからね!!」
木崎孝太郎「いち! に! ヒイヒイ!」

〇教室
  しばらくの時がたち──
立花楓「上野君って、やっぱりバナナが好物なんだね」
上野清「いや~ベタでちょっと恥ずかしいんだけどね」
立花楓「もしかしてバナナが、そのすごい筋肉の源なのかな?」
上野清「いや~か、関係ないと思うよ、たぶん」
木崎孝太郎(なんてことだ・・・!)
木崎孝太郎(わずかの間に、二人はお昼を共にするほど仲良くなってしまっている)
木崎孝太郎(それにくらべて僕は、まだ細マッチョにもほど遠いというのに・・・)

〇学校の校舎
  だが間もなくして、急転直下の事件が・・・

〇散らかった職員室
女生徒「先生、大変です!!」
奥平先生「どうした、血相変えて!?」
女生徒「突然、上野君が立花さんを抱きかかえて、校舎をよじ登り始めたんです!!」
奥平先生「なにいぃぃ!?」
木崎孝太郎(なんだそりゃ!? まるでキングコングじゃないか!?)

〇高い屋上
  バタンッ!!
木崎孝太郎「立花さん、無事か!!」
上野清「ウホホホーーッッ!!!!」
立花楓「上野君、落ちついて・・・」
  上野は、今にも楓に襲いかからんとしている。明らかに正気を失っているようだ。
木崎孝太郎「いったいこれは・・・」
奥平先生「学業優秀で、性格もあんなに真面目で温厚だったのに・・・」
美奈子先生「発情期ね」
木崎孝太郎「美奈子先生・・・」
美奈子先生「上野君はまだ七歳。初めての発情で、性欲の抑えがきかない状態なのよ」
美奈子先生「青春ね」
木崎孝太郎「なんてことだ。すぐに警察か保健所を!」
立花楓「キャーーッッ!!」
  ものすごい握力で、楓は服をビリビリに破かれてしまう。
木崎孝太郎(ダメだ!  急がないと次の瞬間にも凄惨な光景が・・・!!)
木崎孝太郎「上野君、立花さんから離れるんだ!!」
  ドンドン!! ドンドン!!
  上野は、両の拳で胸を叩きはじめる。
木崎孝太郎(だ、大丈夫だ。ドラミングは戦いを避けるための行為だとウィキにも──)
上野清「ウホーーーッ!!」
  上野は闘争心剝き出しで、のしのしと孝太郎に迫ってくる。
木崎孝太郎「ヒイッ!!」
木崎孝太郎「ごめん、ウソだから!! 邪魔しないから!!」
  孝太郎は恐怖のあまり、腰を抜かしてへたりこむ。
木崎孝太郎「すぐにいなくなるから!!  お願い、許して!!」
上野清「ウボーーッ!!」
  バシャーン!!
美奈子先生「頭は冷えた、上野君?」
  美奈子先生がバケツの水をかけると、上野はすぐにわれに返る。
立花楓「木崎君、大丈夫!?」
木崎孝太郎「あ、ああ・・・なんとかね」
木崎孝太郎(助けるつもりが無様な命乞い・・・)
木崎孝太郎(ぼくは最低の弱虫だ・・・)
木崎孝太郎(でも気のせいか? 立花さんがぼくを見て、ときめいているような・・・)
立花楓「木崎君、すてき・・・!!」
木崎孝太郎「え!?」
立花楓「普段はあんなにカッコつけてるのに、肝心なときには擁護できないほど臆病で情けなくて・・・」
立花楓「そのギャップがすごく可愛いい!!」
木崎孝太郎「ええぇ・・・」
立花楓「上野君もあんなに強そうな外見なのに気弱でオドオドしてて、あたしの理想のギャップ萌え男子かなと思ったんだけど──」
立花楓「ここぞというときにはワイルドでゴリラらしくて、ちょっと幻滅しちゃった」
立花楓「というわけで木崎くん、あたしとつきあってください!!」
木崎孝太郎「えええぇ・・・」
美奈子先生「フ・・・青春ね」

コメント

  • 楓ちゃんのエキセントリックでいて、寛大な所が良いキャラしているなと思いました。全体的にぶっ飛んでいて、面白かったです。最後の美奈子先生のセリフもツボでした。素敵な物語ありがとうございます!

  • 楓ちゃんの思考回路はあまり一般的ではないけど、ゴリラの自然に受け入れたり、弱虫男子だからと突き放したりしないところが寛大で良い!と思います。

  • わかります、ギャップ萌えってこういうことですよね。カッコつけてる男子の弱い一面をみてときめくってことは、彼女はお母さんみたいに包容力高めな感じがしました。

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