ロックンロールスター 旅は終わったのか?それともはじまったばかりなのか?

にゃむ

美少女バンドポップドールズ、デビュー前夜(脚本)

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〇ライブハウスの入口(看板の文字入り)
  ライブハウス、ジェニー
  インディーズバンド ポップドールズ、ギターの佐藤仁は、グッズの販売をしていた
佐藤仁(さとうじん)「ポップドールズのロゴいりハンカチとリストバンドいかがっすか〜」

〇ライブハウスのステージ
田中賢治「ガールズバンドに男一匹、なあ佐藤、お前が抜けたら、ポップドールズはメジャーデビュー間違いないのによ〜」
佐藤仁(さとうじん)「ぬかせ!俺のギターあってのポップドールズだ!俺が抜けたらお前らファンは寂しくて泣いちゃうだろ!」
田中賢治「何おこのやろう佐藤!ハンカチとリストバンドサインしてくれってんだ!」
佐藤仁(さとうじん)「毎度ありっ!!」

〇ライブハウスのステージ
  3月21日ポップドールズライヴ
木の下珠希(きのしたたまき)「てめえらの前で音楽やれて最高だぜ!今から、良いニュースをひとつよくないニュースをひとつ」
佐藤仁(さとうじん)「このライヴを最後に俺はこのバンドをやめます!珠希、このギターもらってくれ」
田中賢治「佐藤〜やっと辞めるんか〜!足引っ張りまくりの佐藤〜脱退おめでとう〜!」
佐藤仁(さとうじん)「ああ!あばよ!」

〇ライブハウスのステージ
木の下珠希(きのしたたまき)「佐藤仁はいなくなるけど、ポップドールズは続く!来月メジャーデビューが決まったぜ!」
田中賢治「そんな?!」

〇公園のベンチ
佐藤仁(さとうじん)「よ〜おねこ!」
猫「にゃあ〜」
佐藤仁(さとうじん)「俺もそろそろ帰らなきゃな、さあ、どこに帰ろう、どこでも行けるぜ」

〇公園のベンチ
木の下珠希(きのしたたまき)「佐藤、相変わらず絶大な人気だよな」
佐藤仁(さとうじん)「なに言ってやがる、客席のゴミと、ステージのゴミが罵りあってるだけだ」
佐藤仁(さとうじん)「珠希、何しに来たんだ、最後にやらせてくれるのか」
木の下珠希(きのしたたまき)「ばかやろう、デビュー前にスキャンダルはごめんだぜ」
佐藤仁(さとうじん)「だったら、早く帰ってボイストレーニングでもしてろ」
木の下珠希(きのしたたまき)「佐藤すまん、デビューの条件が唯一の男のお前を外すことだったから・・・これはレコード会社の契約金、お前の分だ」
佐藤仁(さとうじん)「珠希よお、お前は太陽なんだよ、世界中を照らせるくらいのな、だから笑ってろ、金はもらう、喜んで」
木の下珠希(きのしたたまき)「口説き文句だけはうまいのな、佐藤。その才能を作詞にいかせたらよかったのに」
佐藤仁(さとうじん)「男の才能の99%はな、女を口説くためだけに存在するんだ。俺は俺に満足しているよ。珠希はスキャンダル写真撮られる前に帰れ」
木の下珠希(きのしたたまき)「ごめん・・・」

〇けもの道
  佐藤仁は、林業のアルバイトをしていた。
郷田剛士(ごうだたけし)「ゴラぁ!真面目に仕事しろ!」
佐藤仁(さとうじん)「イエス!サー!」
郷田剛士(ごうだたけし)「佐藤は返事ばっかで、ほんと使えんなー」

〇トラックのシート
  バイトの休憩時間
郷田剛士(ごうだたけし)「このバンドの歌ってる子、めっちゃかわいいと思わんか?」
佐藤仁(さとうじん)「この子ね!俺!ファンなんすよ!可愛いし、声いいし、歌に心がこもってる!」
郷田剛士(ごうだたけし)「だよな!珠希ちゃんはいい!佐藤!クズでゴミのお前と意見が合うなんて珍しいな!」
佐藤仁(さとうじん)「いやいや、後藤先輩こそ、くそで草履虫ですが、女を見る目はありますよ!珠希ちゃんは最高に可愛いいですよ!」

〇けもの道
  仕事の親方が現れた!
親方「佐藤、お前は今日でクビだ!明日から来なくていいからな!これ、今日の日当だ!」
佐藤仁(さとうじん)「あい、わかりやした・・・」

〇綺麗な会議室
  佐藤仁は、会社の面接に来ていた!
田中賢治「はい、面接はこれで終わりです」
佐藤仁(さとうじん)「合格したら、最初のお給料はいつになりますか?お金ないもんで」
田中賢治「あなたは落選です。したがってお給料の心配はありません」
佐藤仁(さとうじん)「はい、そうですか。勉強させていただきました」
  午後3時、面接終了時間。
田中賢治「何すかしてんだよ!元ポップドールズ佐藤よお!」
佐藤仁(さとうじん)「オメーは!?」
田中賢治「佐藤に面接なんてマジ変なとこに汗かいちまったぜ」
田中賢治「メジャーデビューしたポップドールズのライヴ行ったか?俺たちの珠希ちゃんを応援してやれよ」
佐藤仁(さとうじん)「ライヴ、一回も見てないわ」

〇ライブハウスのステージ
  佐藤仁は、一人で弾き語りのライヴをしていた。
佐藤仁(さとうじん)「はい、ライヴ終わり、お前らいいから帰れよ、男臭えんだよ」

〇ライブハウスのステージ
田中賢治「佐藤!お前が作った唯一まともな曲”あげきながら”演奏してないだろ!」

〇ライブハウスのステージ
佐藤仁(さとうじん)「あの曲コード難しいんだよ、弾き語りじや無理だ。俺声が出ねえ」
佐藤仁(さとうじん)「誰かが歌ってくれるなら、話は別だがな」

〇映画館の座席
「なあ、そこで見てるお嬢さんよお!」

〇映画館の座席
佐藤仁(さとうじん)「逃げるな!珠希!!」
木の下珠希(きのしたたまき)「・・・・・・・・・・・・」

〇映画館の座席
田中賢治「逃げたのは、お前じゃないか、佐藤!」
佐藤仁(さとうじん)「俺のどこが逃げてんだよ!」
田中賢治「脱退なんてかっこつけやがって!デビューしててめえのちっちぇえ日常が壊れるのが怖かっただけじゃねえか!このちんかす野郎が!」
佐藤仁(さとうじん)「お前に俺の何がわかるってんだ!」
田中賢治「わかるさ!今日このライヴに来てる奴全員がわかってるさ!お前がギター弾いてる時しか本音出せないちっちぇえ奴だってことをよ!」

〇コンサート会場
ポップドールズ、ベース 亜美「足が震えますわ・・・音楽の神様、私たちの舞台に降臨してくださいまし」
  東京ドーム

〇コンサート会場
ドラム 真流「亜美、なに神がかってんだよ!今夜の打ち上げは焼肉でいい?」

〇コンサート会場
木の下珠希(きのしたたまき)「真流、亜美、どうしよう、指がつった、動かないよ!」

〇劇場の座席
佐藤仁(さとうじん)「珠希ーーーーーーー!!!」

〇コンサート会場
木の下珠希(きのしたたまき)「さとおおおおおおおお!!」
木の下珠希(きのしたたまき)「おせーーーーんだよ!!」
木の下珠希(きのしたたまき)「俺らは、ロックンロールスターだ!! おめえとは住む世界が違うんだよ!!」
木の下珠希(きのしたたまき)「悔しかったら、てめえの腕一本でここまで這い上がってきやがれ!!」

〇劇場の座席
佐藤仁(さとうじん)「珠希ーー!待ってろよ!かならずお前のところまで這い上がってやるからな!!」

〇コンサート会場
木の下珠希(きのしたたまき)「いくぜ一”あげきながら”最初のコードはビーフラットメジャーセブンオンエフだぁ!!」
木の下珠希(きのしたたまき)「誰だあ!!こんな変なコードの曲作ったやつは!!ちんかすやろう!!」
ポップドールズ、ベース 亜美「行きますわよ〜」
ドラム 真流「焼肉!焼肉!うきうき〜!!」
木の下珠希(きのしたたまき)「佐藤!!待ってるからな!!」
  会場中にギターの音が鳴り響いた

〇築地市場
佐藤仁(さとうじん)「新鮮な、鯛いかがっすか〜」
  珠希に一歩でも近ずくため、佐藤は今日もバイトに勤しんでいる!!
  終わり

コメント

  • 罵り合いの言葉が全てパワーワードで構成されていて、テンポよく読めました!まさに、二人の関係性そして客との関係性はまさに罵り愛という言葉が似あいますね!素敵な作品ありがとうございました!

  • テンポが最高、これぞロック!!(?
    林業の仕事を秒でクビになったところで吹き出しました!

  • 佐藤君が脱退後あれこれ挑戦しながらも、なんとなく頭から音楽の事が離れないのは、やっぱり彼女の事が好きだからかなあ。田中さんもメンバーたちも、佐藤君想いなところにとても心温まりました。

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