【読切】私の星もあげる(脚本)
〇教室
星野 きき (ホシノ キキ)「ねえ、聴いて」
星野 きき (ホシノ キキ)「私この歌で勝負する」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「へえ、貸してみ?」
〇空
〇見晴らしのいい公園
星野 きき (ホシノ キキ)「北斗、見た? 流れ星!」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「じゃあ、ほら願い事!」
星野 きき (ホシノ キキ)「えっとぉ・・・」
星野 きき (ホシノ キキ)「ぷ、プロの歌手になれますように」
「・・・」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「きき、声デカすぎだろ」
星野 きき (ホシノ キキ)「だって、本気なんだもん」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「知ってるよ。 さっきの歌めっちゃ良かったし」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「叶うといいな」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「って言うか、絶対に叶えろよ」
星野 きき (ホシノ キキ)「ありがとう」
星野 きき (ホシノ キキ)「で、北斗は?」
星野 きき (ホシノ キキ)「サッカー選手になれますように、って ちゃんとお願いした?」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「いや、別のにした」
星野 きき (ホシノ キキ)「え~、それ以上があるの?」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「まあな」
星野 きき (ホシノ キキ)「教えてよ、親友でしょ?」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「・・・」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「そう言えば、来月も流星群くるらしいぜ」
星野 きき (ホシノ キキ)「話そらした」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「俺のは、その時にでも教えてやる」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「だからまた一緒に来ようぜ」
星野 きき (ホシノ キキ)「うん、約束だよ」
〇空
明日も 明後日も
こんなふうに 続くと思ってた・・・
〇市街地の交差点
〇市街地の交差点
〇総合病院
〇病室のベッド
星野 きき (ホシノ キキ)「北斗! 北斗!?」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「声、デカすぎ」
星野 きき (ホシノ キキ)「歩けるの!? ケガは!?」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「頭打ったらしいけど、奇跡的に軽傷」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「1ヶ月で退院できるって」
星野 きき (ホシノ キキ)「良かった・・・」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「えっと、心配してきてくれたんだ?」
星野 きき (ホシノ キキ)「当たり前でしょ、親友なんだから」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「親友・・・」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「──って、悪い。 君、誰だっけ?」
星野 きき (ホシノ キキ)「え!?」
〇総合病院
〇病室のベッド
北斗 慧 (ホクト ケイ)「今日も来てくれたの?」
星野 きき (ホシノ キキ)「何か思い出すかなぁって」
星野 きき (ホシノ キキ)「はい、これ」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「すげ~!!」
星野 きき (ホシノ キキ)「北斗の夢はプロサッカー選手だから」
星野 きき (ホシノ キキ)「今度は私が支えるよ」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「サンキュー、星野さん」
星野 きき (ホシノ キキ)「『星野さん』」
もう『きき』って
呼んでくれない
茜「慧ってば、寝てなきゃダメじゃん」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「もう体は動くから」
茜「無理したらダメなの!」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「はい、はい」
星野 きき (ホシノ キキ)「誰?」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「えっと・・・彼女?」
茜「慧がいつもお世話になってま~す」
〇ビルの屋上
星野 きき (ホシノ キキ)「いたんだ」
星野 きき (ホシノ キキ)「だったら期待させないでよ」
星野 きき (ホシノ キキ)「バカ・・・」
〇屋上の入口
北斗 慧 (ホクト ケイ)「へー、いい声じゃん」
〇並木道
北斗 慧 (ホクト ケイ)「プロ志望? 絶対いけるっしょ」
〇カウンター席
北斗 慧 (ホクト ケイ)「応援してる。 ききの歌、好きだ」
〇見晴らしのいい公園
北斗 慧 (ホクト ケイ)「来月も、一緒に見よう」
〇ビルの屋上
北斗 慧 (ホクト ケイ)「今の歌、星野さん!?」
星野 きき (ホシノ キキ)「あ」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「すげーイイじゃん。 声も曲も好きだわ」
星野 きき (ホシノ キキ)「ありがとう」
星野 きき (ホシノ キキ)「やっぱ北斗は、北斗だね」
星野 きき (ホシノ キキ)「いつも勇気もらってたんだ」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「明日も聴かせてよ」
星野 きき (ホシノ キキ)「ごめん。明日は」
星野 きき (ホシノ キキ)「大好きな人と、約束してるから」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「彼氏かよ!?」
星野 きき (ホシノ キキ)「北斗には──」
星野 きき (ホシノ キキ)「関係なくない?」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「行くなよ・・・」
〇病室のベッド
茜「どこ行ってたの!?」
茜「あの人が持ってきたの? 慧には必要ないって」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「・・・なあ。 『彼女』って本当?」
茜「え!?」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「今の俺、茜のこと 妹くらいにしか思えねーんだけど」
茜「その台詞──」
茜「2回も聞きたくなかった・・・」
〇見晴らしのいい公園
星野 きき (ホシノ キキ)「あ!!」
星野 きき (ホシノ キキ)「お願い」
星野 きき (ホシノ キキ)「北斗の願いが叶いますように!」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「だから、声デカいって」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「しかも、自分のじゃねーし」
星野 きき (ホシノ キキ)「記憶、戻ったの?」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「いや、まったく。 でも」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「俺、星野さんが好きだわ」
星野 きき (ホシノ キキ)「!?」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「前の俺が、どう思ってたか知らねーけど」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「今の俺は、君と一緒にいたい」
星野 きき (ホシノ キキ)「うん、私も・・・」
星野 きき (ホシノ キキ)「親友なんかじゃないの、本当は」
星野 きき (ホシノ キキ)「北斗が大好きだよ!」
〇空
「また流れた!」
〇見晴らしのいい公園
星野 きき (ホシノ キキ)「ほら、北斗早く!」
北斗 慧 (ホクト ケイ)「いや、俺はいいよ。 もう叶ってっから」
〇空
Fin
何度も何度もすれ違って、でも本当はお互いに気持ちはずっと同じで。記憶を失っても、好きだという気持ちは変わらない。もどかしさと切なさがありつつも、恋が成就する2人の姿が心に染みました…!
でたーっ!つぼみさんの胸キュン!
この先を期待しちゃうストーリー展開、さすがです。
記憶、戻るかなぁ。
ハッピーエンドで本当によかった…!流れ星、約束、すれ違いと好きポイントがたくさんで楽しく読ませていただきました!茜ちゃんも効いてますね、2度も聞きたくなかったって一言でいろいろ想像できて切ないですね…