断罪対象である妹を助けたら百合と薔薇が咲いたっぽい

隍沸喰(隍沸かゆ/おかゆ喰)

49話 重要な情報(脚本)

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〇王妃謁見の間
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ふぅ・・・引っ越しの間に溜まっていた仕事がやっと片付いたな」
エレエレ・テンテンポム「では今日の分もお願いします。これとこれは今日までで、これとこれには目を通しておいてください。その次はこれを──」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ちょっと休憩しないか?」
エレエレ・テンテンポム「では休憩中に届いた手紙に目を通してください」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(スパルタ・・・)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ん? この手紙はアゥルペロ宛だな」
エレエレ・テンテンポム「手違いがあったようですね。ベラに渡しておきます」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「マレオッサ会長から? まさか退学通知じゃないよな?」
エレエレ・テンテンポム「退学通知なら学園から届く筈です。この手紙は個人的なものでしょう」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「本当にアゥルペロの友人になってくれたんだな」
エレエレ・テンテンポム「そう言えばあまり知らせたくなかったんですが、知らせないわけにもいかないので言っておきます」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ん? どうしたんだエレエレ」
エレエレ・テンテンポム「この手紙なのですが、処分させていただきます。一応報告します」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「処分? なんでだ?」
エレエレ・テンテンポム「あの胡散臭い情報屋からの手紙ですよ! 怪しいものが入ってないか光に透かしたら、口紅のキスマークがはっきり見えました!」
エレエレ・テンテンポム「こんな汚れたものをルゥラッハさまの目に入れるわけにはいきません!!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(あいつキスマークを付けるために口紅を塗ったのか? ・・・ちょっときもい)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「とりあえず渡してくれエレエレ。何か重要なことが書いてあるかもしれない」
エレエレ・テンテンポム「し、しかし──」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「じゃあ開けてもいいからエレエレが読み上げてくれ」
エレエレ・テンテンポム「う・・・は、はい」
エレエレ・テンテンポム「・・・・・・愛しい愛しいルゥラッハさま。お嬢さまに関する重要な情報を仕入れたので買いに来てください」
エレエレ・テンテンポム「俺の家の住所を書きます。待っています」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「アゥルペロに関する重要な情報?」
エレエレ・テンテンポム「アゥルペロさまのことですか・・・ルゥラッハさまを招くための口実では?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「もしそうだったらすぐ引き返せばいい。でも本当なら行かなきゃ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「情報を買った後は口止め料を払って他の誰かに売ることを阻止しなきゃならない」
エレエレ・テンテンポム「すぐに馬を用意します」

〇怪しげな酒場
エレエレ・テンテンポム「本当にここであっているんですか? どう見ても普通の酒場ですよ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あいつは酒場に引っ越したって言ってたから、確かだろう」
◇◇◇「あの〜あなたはルゥラッハ・オル・レバノスタンさまでは?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そうだ・・・」
エレエレ・テンテンポム「ルゥラッハさま、よく見たらここにいる者は全員レバノスタン領のものではありません」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「じゃあやっぱりここはナーヤのいる情報ギルド──いや、傭兵ギルドなんだな」
◇◇◇「や、やっぱりあんたがナーヤの想い人だったんだな!」
◇◇◇「あいつなら2階にいるよ!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あ、ありがとう」
◇◇◇「おっとあんたはここにいな」
エレエレ・テンテンポム「な、何をするんです──」
◇◇◇「邪魔するのは野暮ってもんだぜ?」
エレエレ・テンテンポム「邪魔するに決まってるでしょう!」
◇◇◇「聞いたかお前ら! 絶対に阻止しろ! ナーヤの初恋を実らせてやるんだ!!」
  おおおおおお!
エレエレ・テンテンポム「なんなんですか、こんなことで団結しないでいただきたい・・・」

〇古書店
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(すごい本の数だな・・・この世界の原作漫画みたいに悪役令嬢転生モノの恋愛小説があるんじゃないか?)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・それより、ナーヤはどこだ?」

〇薬屋
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(寝てる・・・のか?)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「人を呼びつけておいて・・・」
ナーヤ・ガーヤ「ルゥラッハ・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(俺の夢を見てるのか? 起こさないと)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「おい、起き──」
ナーヤ・ガーヤ「ちゅ〜♡♡」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「うわあああああ!」
ナーヤ・ガーヤ「いって──誰だ、何しやがる──」
ナーヤ・ガーヤ「・・・ルゥラッハ」
ナーヤ・ガーヤ「俺に会いにきた・・・わけじゃねえか。情報のことだよな?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そうだ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(会いにきてるようなものだろ)
ナーヤ・ガーヤ「まず、これを見てくれ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「こ、これは・・・!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(アゥルペロが学校で公爵令嬢にナイフで襲われている!)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「まさか学校で襲うなんて・・・!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(アゥルペロは金髪の少女に助けられた。もしこの子がいなかったら今頃アゥルペロは・・・)
ナーヤ・ガーヤ「公爵令嬢の持ってる武器をよく見てくれ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ただのナイフに見えるが?」
ナーヤ・ガーヤ「確かにその辺の武器屋で売っているただのナイフだが、あれには神の力が宿っている」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「神の力!?」
ナーヤ・ガーヤ「そうだ。あれは肉体と魂を粉々に破壊する力だ。擦り傷だけで命を奪う危険な代物だ」
ナーヤ・ガーヤ「お嬢さまを庇った女も命を張ったようなものだ。知らなかった可能性もあるが・・・」
ナーヤ・ガーヤ「それよりお嬢さまは無事か? あいにくこの映像はこれで最後でな。安否まではわからなかった」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ああ。アゥルペロはワヌゥレンと一緒に今パーティに行ってる。アゥルペロからは何も言われなかったな」
ナーヤ・ガーヤ「あのお嬢さまは公爵令嬢に襲われすぎて危機管理ができてねえんだ。学校内だが襲われたんだ、護衛を付けるべきだと思う」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そうだな・・・うちの騎士団から選りすぐって・・・」
ナーヤ・ガーヤ「そうもいかねえよ。あのナイフの前じゃ魔法も鎧もないのと同じだ。助けるなら庇って盾になるしかねえな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そんな・・・方法はないのか?」
ナーヤ・ガーヤ「神の力に対抗できる人がいい」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「知り合いに神の力に詳しい人がいるから誰か紹介できないか聞いてみる」
ナーヤ・ガーヤ「そう簡単には見つからないぞ。テルヌンドの王はもちろん、どこかの国の王を護衛に付けるわけにはいかないだろうからな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(確かに・・・テツナやフィガロさま以外のテカの人は国から出ないらしいし)
ナーヤ・ガーヤ「当てがないならうちの傭兵はどうだ?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「え? いるのか? テカの人」
ナーヤ・ガーヤ「テカを知ってるのか? なら話が早い」
ナーヤ・ガーヤ「うちにいるぜ何人か。テカ出身の傭兵がな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そ、そうなのか・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(じゃあいつかフィガロさまやテツナに会ってほしいな)
ナーヤ・ガーヤ「ただ、公爵令嬢に付いているテカ人がどれほどの力を持っているか分からない」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「たぶん、知り合いが協力してくれると思う」
ナーヤ・ガーヤ「じゃあその知り合いにこの映像を見せて、お嬢さまにまじないを掛けてもらうといい」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そのテカ人の傭兵たちは大丈夫なのか?」
ナーヤ・ガーヤ「ああ大丈夫だ。こっちにはあんなしょぼいナイフよりいい武器が山ほどある」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そ、そうか」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(あれ? でもあのナイフは鎧や魔法があっても危ないんだよな? 武器を持っていても危ないんじゃ・・・)
ナーヤ・ガーヤ「お嬢さまにも護身用の武器を持たせてやった方がいいぞ。知り合いに神の力を使ってもらった方が確実だ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「わかった」
ナーヤ・ガーヤ「それより・・・知り合いのテカ人って、この間の集まりにいた二人か? 服装が変わってたよな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ああ、そうだよ。テツナとフィガロさま。どっちも──」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「──いや! やっぱりなんでもない」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(この人は情報屋してるんだし、テツナとフィガロさまが王さまだってことは言わない方がいいよな)
ナーヤ・ガーヤ「いい情報が入りそうだったのになぁ。まあ、テカのことを知る人も少ないから仕入れたところで使いようもないんだけどな」
ナーヤ・ガーヤ「あの人たちは力が強そうだったし、お嬢さまのことは安心できそうだな」
ナーヤ・ガーヤ「ただ・・・ルゥラッハも狙われる可能性があるからまじないを掛けてもらった方がいいんだが・・・」
ナーヤ・ガーヤ「まあアンタは大丈夫だろ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ああ、俺は自分の身は自分で守れる」
ナーヤ・ガーヤ「そう言う意味じゃないけど・・・かわいいからいいわ」
ナーヤ・ガーヤ「あのナイフについてもう少し詳しく調べてみる。相手のテカ人の情報も集めておくよ。もしかしたら皇帝って線もあるけどな・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「テカの人が利用されているかもしれないなら、皇帝の方がマシだ」
ナーヤ・ガーヤ「そう言うところが大好きだ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「お前のことはどうでもいい。今の情報は買ったことになるのか?」
ナーヤ・ガーヤ「押し売りみたいになって悪いな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「俺にとってもかなり重要なことだったし、払ってやるから報酬の額を教えろ」
ナーヤ・ガーヤ「今回はそれなりにデカい情報だと思うから、唇にちゅーで♡」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・・・・」
ナーヤ・ガーヤ「今日は積極的だなルゥラッハ・・・」
ナーヤ・ガーヤ「うぶっ! 冷た──」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「いい加減にしろよこの変た──」
ナーヤ・ガーヤ「うわっ! うわああ! 落ち着け! 落ち着けって!!」
ナーヤ・ガーヤ「わかった! ほっぺにちゅー5回で・・・いや10回でいいから!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「増やすな!!」
ナーヤ・ガーヤ「5回で・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(まったく・・・なんで俺がこんなことをしないといけないんだ)
ナーヤ・ガーヤ「ありがとうございました。また次回よろしくお願いしま〜す♪」

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