魔性の女

水野 七緒

魔性の女(脚本)

魔性の女

水野 七緒

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魔性の女
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〇渋谷駅前
カナコ(ええと・・・ やっぱりここだよね・・・ 「渋谷の中心」って)
カナコ(でも、どうしたんだろう。 いきなり「15時に渋谷の中心に集合」 だなんて・・・)
???「カナコ──っ」
カナコ「えっ」

〇男の子の一人部屋
  カナコ! 好きだ!
  大好きだ! 愛してる!
  初めて会ったときから
  ずっとずっと好きだった!
  頼む、どうか
  俺と結婚してくれーっ!

〇渋谷駅前
女性1「なに、あれ・・・」
女性2「オーロラビジョンで プロポーズ?」
???「チャオ〜! この動画 観ているかい? カナコさん」
女性1「えっ!? 今度はあっち?」

〇おしゃれな居間
  カナコさん、キミは
  ボクと結婚するべきだ
  ボクらは「運命」で
  結ばれている
  キミを幸せにできるのは
  このボクだけさ
  わかってるだろう、マイハニー

〇男の子の一人部屋
  カナコーっ、
  ちゃんとオーロラビジョン
  観てるよな!?
  俺を選んでくれーっ!
  俺と結婚してくれーっ!

〇渋谷駅前
女性1「やば・・・これ、ふたりとも 同じ人に プロポーズしてる感じ?」
女性2「私なら右だなぁ」
女性1「いやいや、左でしょ!」
???「カナちゃーん!」
女性2「3人目!?」

〇音楽スタジオ
  カナちゃん、やっと・・・やっとね!
  キミに捧げる歌が完成したんだ
  どうか聴いてくれ。
  タイトルは・・・・・・
  『フォーエヴァーカナ、
  この愛よ、永遠に』──
  ♪あーあーあー
  フンフンフーン
  ♪カナーカナー
  愛してるぅぅぅぅ
  ♪フンフンフーン

〇男の子の一人部屋
  カナコーっ!
  俺は、お前がいないと
  生きていけなーいっ!
  お前だけだーっ!
  俺にはお前しかいないんだーっ

〇おしゃれな居間
  カナコさん、これはね
  世界にひとつだけの
  指輪なんだ
  キミのためにあつらえた、
  そう・・・
  オンリー・ダイヤモンド

〇渋谷駅前
女性1「やばい、カオスだ」
女性2「こうなったら あと2人きてほしいよね」
女性1「え、なんで?」
女性2「オーロラビジョンって 5つあるじゃん。 だから・・・・・・」
???「カナゴぉ〜」
女性2「きた!!」

〇昔ながらの一軒家
  カナゴぉ、
  東京はどんだ?
  ちゃんと電車さ
  乗れでっか?
  東京は怖いとこだっけぇ
  早ぐこっちゃ帰ってきて
  おらの嫁っこさ
  なってけでぇ

〇広い和室
  か、かかか
  カナコさん・・・
  ボクとどうか・・・
  どうか・・・・・・
  あああああ、ダメだぁ、
  緊張するぅぅぅ!
  なにしているの、
  イツキさん!
  あっ、ママ!
  カナコさんに
  プロポーズするんでしょ!
  だったら
  しゃんとしなさい!
  う、うん・・・・・・

〇男の子の一人部屋
  カナコ──ッ

〇おしゃれな居間
  カナコさん!

〇音楽スタジオ
  ♪らーらららー
  カナちゃ〜〜ん

〇昔ながらの一軒家
  カナゴぉぉ・・・

〇広い和室
  カ、カナ・・・
  カナコさん!

〇渋谷駅前
全員「結婚してください!!!!!」
女性2「ヤバイヤバイ カナコ、魔性じゃん!」
女性2「「魔性の女」じゃん!」
女性1「ていうか「カナコ」は!?」
女性2「そうだよ、 カナコはどこ!?」
カナコ「うわぁ・・・」
???「あ、いたいた! カナカナ〜!」
カナコ「リョウくん!」
カナコ「よかったぁ・・・ 「渋谷の中心」って やっぱりここだったんだね」
リョウ「もちろん!」
カナコ「もう〜! だったら スクランブル交差点の前 って言ってよ〜!」
リョウ「え〜いいじゃん なぞなぞっぽくて」
リョウ「それに、ちゃーんと こうして会えたじゃん!」
カナコ「そうだね! 私たち、考えてること 一緒だね!」
リョウ「そうそう! それじゃ、行こっか!」
カナコ「うん!」
カナコ「ところで、さっきね」
カナコ「そこのオーロラビジョンで 公開プロポーズみたいなの やってたんだけど・・・」
カナコ「そのお相手が 「カナコ」って人みたいでさ」
リョウ「マジで!? カナカナと一緒じゃん!」
カナコ「そうなの! 超びっくりだよぉ。 それで・・・」
  ──10分後
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
かなこ「着いだぁ・・・ここだべ・・・ スグランブル交差点・・・」
かなこ「はぁ・・・すんごいなぁ・・・ テレビで観だの そのまんまだぁ・・・」
かなこ(けど、なーんで 壱也くんも、双葉さんも)
かなこ(みっちゃんも四郎も イツキくんも・・・)
かなこ(15時になっだら ここさ来いって言ったんだべ)
かなこ(ここで、なんがあったんだべか?)
かなこ(・・・)
かなこ(・・・)
かなこ「・・・まあ、いっがぁ。 なんが、よぐわがんねぇし」
かなこ「それより、次は・・・ ええど・・・六平っちどの約束・・・」
かなこ「「16時に渋谷のセンター街に 来てください」・・・?」
かなこ「はぁぁ・・・ センター街ってどこだべ?」
かなこ「ここが、渋谷の センターじゃねぇのがぁ?」
かなこ「よーし、電話すんべ・・・」
  トゥルルル・・・トゥルルル・・・
かなこ「あ・・・七星くーん? かなこだけんどぉ・・・」
かなこ「そんだそんだ! 昨日、新幹線で隣だったぁ・・・」
かなこ「七星くん、東京の人だべ? 渋谷のセンター街ってどこだか 教えでけで・・・」
かなこ「は? 案内してくれる?」
かなこ「はぁぁ・・・ ありがてぇ、ありがてぇ・・・」

コメント

  • 様々なタイプを虜にしているカナコさんてどんな女性なんだろうと気になりながら読んたので、カナコさんの正体が見れて嬉しかったです。女性にも好かれそうな純粋さ素朴さがあって、しかも遅れてくるところでおっちょこちょいさや天然さも伝わり、しかも男性に自然に頼ることができる甘え上手な女の子ですね。私は女だけどカナコさん好きになってしまいました。守ってあげたい!

  • ど、どうしてそうなった?!笑
    まさかの6股?!と思ったらそれは違うカナコさんで…、田舎からきたカナコさんは…頭がパニックです!笑

  • 遠く離れた場所からでも愛を伝えられる時代になりましたね♪いろいろな場所からいろいろな人がカナコさんを呼んでいて面白かったです。

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