『訪れるシリーズ』りこちゃん、やってくる

八野なな

放課後、先輩、後輩(脚本)

『訪れるシリーズ』りこちゃん、やってくる

八野なな

今すぐ読む

『訪れるシリーズ』りこちゃん、やってくる
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇学食
りこ「先輩、隣良いですか?」
先輩「おぉ、良いよ」
りこ「そう言ってくれると思ってました!」
先輩「うん?何で?」
りこ「一人で座ってるからです」
先輩「そーだね」
りこ「もしかしてお姉ちゃんが来ますか?」
先輩「何で!? 来ないよ!」
りこ「先輩が話するの私かお姉ちゃんだけなので」
先輩「『だけ』って! 他の人とも話すよ?」
りこ「そうでしたか」
先輩「・・・・・・多分」
りこ「それはそうと、放課後の食堂で何してるんですか?」
先輩「自販機で飲み物買って飲んでるだけだよ」
りこ「そうでしたか。 言ってくれれば一緒したのに」
先輩「それで奢らせようとするんでしょ?」
りこ「先輩。 そんな事言うと器の小ささが露見しますよ」
先輩「いやいや、冗談で言ったの!」
りこ「あ、とっくに露見してましたね」
先輩「奢るって!!」
りこ「ありがとうございます!」
先輩「何飲む?」
りこ「ちなみに先輩は何飲んでるんですか?」
先輩「俺はミルクティーだよ」
りこ「じゃあ同じ物を」
先輩「・・・・・・と言っておいてカフェラテとか言うんでしょ?」
りこ「? いえ、先輩と同じがいいです」
先輩「あ、あぁそう?」
りこ「先輩、何をドキッとしてるんですか?」
先輩「し、してないよ!!」
りこ「生意気ですよ、先輩! 大人しくドキッとしてください」
先輩「はいはい」
りこ「ところで、先輩は甘い飲み物が好きなんですか?」
先輩「そうだね。好きだけど、甘くないのも飲むぞ。ブラックコーヒーとか」
りこ「へー。意外です。 コーヒー飲んだら苦さで気絶してしまいそうなのに」
先輩「するわけないでしょ!? というか目の前で飲んでた事なかったっけ?」
りこ「う~ん・・・・・・あるような無いような」
先輩「あれ?・・・・・・どうだったかな」
りこ「お姉ちゃんの時じゃないですか?」
先輩「そう・・・・・・だったかなぁ」
りこ「つまり先輩は私と過ごした時間は全く覚えていないという訳ですね」
先輩「違う違う! 言い方が良くないよ!!」
りこ「ただの遊びの私との時間は全く覚えていないという訳ですね」
先輩「さらに酷くなってるよ!」
りこ「じゃあ、私との時間は覚えてますか?」
先輩「えーっと、何となく・・・・・・」
りこ「言ってみてください」
先輩「偶然会った時に買い物行ったよね!?」
りこ「それはお姉ちゃんとも行ってますよね?」
先輩「それは・・・・・・まぁ・・・・・・」
りこ「やはりお遊びの私なんか記憶に無いと」
先輩「どんどん言い方が酷くなってる!?」
りこ「私は先輩との事は記憶してますよ」
りこ「あの放課後の濃密な時間の事も・・・・・・」
先輩「・・・・・・」
先輩「図書館で毒づいてきた事だよね!? 記憶が違ってるよ!!」
りこ「・・・・・・」
先輩「笑ってごまかそうとするんじゃないよ!」
りこ「ちゃんと覚えくれてるじゃないですか、私との時間」
先輩「う、うん」
りこ「先輩・・・・・・」
先輩「な、何?」
りこ「下心が丸見えですよ!」
先輩「無いよそんなの! 下心があって覚えてる訳じゃないの!!」
りこ「そうでしたか。 てっきり誰にでも下心を出すものだと思ってました」
先輩「どんな印象よ・・・・・・俺は」
りこ「そんなに落ち込まないでください!」
先輩「落ち込ませた本人に言われてもな」
りこ「そんな事より、早くミルクティー買ってください」
先輩「はいはい・・・・・・ほら!」
りこ「ありがとうございます」
りこ「では、先輩。 ミルクティーの様な甘い話をお願いします」
先輩「無いよ」
りこ「知ってます!」
先輩「何がしたいんだ君は」
りこ「で、何があったんですか?」
先輩「? いや、何も無いけど・・・・・・」
りこ「こんな所で一人でいて、何も無い訳ないじゃないですか!」
先輩「いや、本当に何も無いけど。 喉渇いたから飲み物でもと思っただけ」
りこ「やはりそうでしたか」
先輩「・・・・・・うん?」
りこ「先輩って何か考えてそうで、実は何も考えてないタイプですもんね」
先輩「ですもんね、じゃないよ! 君は俺の事どう見えてるの!?」
りこ「良い人なんですが、ざんねん・・・・・・」
先輩「ごめん!言わないで!」

コメント

  • りこちゃんの相変わらずの毒っ気の強さが…😂 そして会話の端々から垣間見えるジェラシー感が、、、見ていて一層楽しく感じられます🥰
    この巧みな掛け合い、そんな2人の行き着く先は恋なのか、言葉責めプレイなのか、将来を想像してドキドキしますね😊

  • お久しぶりです。
    久々に八野ななさんのタップノベルを読むことが出来てる嬉しいです!
    今回のヒロインもとても可愛くて、読んでいて楽しかったです!

成分キーワード

ページTOPへ