彼女に振られたけど、小説家になりました

維新コウゲツ

読切(脚本)

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維新コウゲツ

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〇大きな木のある校舎
勝道拓真「真帆、どうしたんだ?」
上衣真帆「あのね、私と別れてほしいの」
勝道拓真「・・・え?」
上衣真帆「だって、拓真って小説書いてるんでしょ?」
上衣真帆「将来がわからない人と一緒になるわけにはいかないから」
上衣真帆「だから・・・ね?」
勝道拓真「そ、そんな・・・」
上衣真帆「用はそれだけ、それじゃ♪」
  別れを告げると、真帆は教室へと戻っていった
勝道拓真「こんなことって・・・」
  拓真は呆然と立ち尽くしていた

〇おしゃれな教室
勝道拓真「はぁ・・・」
勝道拓真「小説家を目指すって、そんなに悪いことなのかよ・・・?」
  教室に戻った拓真は、ため息をつく
勝道拓真「ん? ラインが・・・」
  『もう、別れたから、話しかけないでね』
  『これ書いたあと、ブロックするから』
勝道拓真「何だよそれ・・・!!」
勝道拓真「そんなの、こっちからお断りだ・・・!!」
  拓真は真帆からのラインをブロックし、連絡先を全て消去した
勝道拓真「クソッ・・・!! 今に見てろよ・・・!!」
  振られた悔しさを燃料に、小説を書くのであった

〇本棚のある部屋
勝道拓真「とは言ったものの、何を書こうかな・・・」
勝道拓真「ファンタジー物は書いたし、恋愛者はな・・・」
勝道拓真「そうだ!! 振られたのをネタにしよう!!」
  振られた経験をネタして、小説を書くのだった

〇おしゃれな教室
勝道拓真「ふぁ・・・、夜更かしし過ぎたかな・・・」
「よう、勝道、小説読んだぜ」
  クラスメイトが拓真に声をかける
勝道拓真「本当か? どうだった?」
「そりゃ感動したよ!! 最後の主人公の逆転劇には涙を流したよ!!」
勝道拓真「そりゃ良かった」

〇おしゃれな教室
勝道拓真「さてと、帰ろうかな・・・」
水瀬果穂「やあ、勝道君」
勝道拓真「水瀬さん? どうしたんだ?」
  帰ろうとしている拓真に、この学校のマドンナ、『水瀬果穂』に声をかけられる
水瀬果穂「君って、小説を書いてるんだね」
勝道拓真「まぁ、そうだけど・・・?」
水瀬果穂「僕にも読ませてほしいな」
勝道拓真「水瀬さんが、俺の小説を!?」
水瀬果穂「そんなに驚くことかい?」
勝道拓真「いやだって、そんなイメージないから」
水瀬果穂「そんなことないよ、僕だって小説ぐらい読むさ」
勝道拓真「は、はぁ・・・」
水瀬果穂「ということで、サイトを教えておくれ♪」
勝道拓真「わ、わかった・・・」
  果穂に、書いているサイトを教える
水瀬果穂「なるほどね、また帰ったら読ませてもらうよ」
勝道拓真「あぁ、また感想を聞かせてくれ」
水瀬果穂「了解♪」
  二人は教室をあとにして、家に帰宅した

〇おしゃれな教室
勝道拓真「おはよー」
水瀬果穂「おはよう、勝道君!!」
勝道拓真「水瀬さん、どうした?」
水瀬果穂「君の小説読んだよ!!」
勝道拓真「そっか、どうだった?」
水瀬果穂「すごく面白かったよ!!」
水瀬果穂「『ランス物語』なんて、そんなことが!? みたいな展開が面白かったよ!!」
水瀬果穂「あと、恋愛小説も良かったね!!」
勝道拓真「そ、そっか・・・」
水瀬果穂「どうしたんだい? 悲しそうな顔をして?」
勝道拓真「実は──」
  拓真は、彼女に振られて、この小説を書いたということを話した
水瀬果穂「そっか、大変だったね・・・」
勝道拓真「まぁ、もう吹っ切れてるんだかな」
水瀬果穂「そっか、じゃあまた後で」
勝道拓真「おう」

〇おしゃれな教室
勝道拓真「さて、そろそろ帰ろう」
勝道拓真「新しい小説のネタを浮かんだし」
水瀬果穂「やぁ、勝道君」
勝道拓真「水瀬さんか、どうしたんだ?」
水瀬果穂「明日の夕方に、校舎裏まで来てくれないかな?」
勝道拓真「明日? 別にいいけど・・・?」
水瀬果穂「ありがとう、じゃ、また明日」
  果穂は教室を出る
勝道拓真「何だったんだ?」
勝道拓真「まぁいいや、帰って小説書こうっと」
  拓真も、教室を出て家へと帰宅した

〇おしゃれな教室
水瀬果穂「おはよう、勝道君♪」
勝道拓真「おはよう、水瀬さん」
水瀬果穂「今回も小説読ませてもらったよ♪」
水瀬果穂「すごく楽しかった」
勝道拓真「喜んでもらえて何より」
水瀬果穂「じゃ、また後で」
勝道拓真「うん」
  果穂は席へと戻る
「お前、水瀬さんとどういう関係だよ!?」
勝道拓真「何って、作者と読者だけど・・・?」
「いやいやいや!! そんな距離じゃなかったぞ!?」
勝道拓真「お、落ち着けよ・・・!!」
  クラスメイトに言いよがれながらも、拓真も席へと戻る

〇大きな木のある校舎
勝道拓真「さて、水瀬さんはと・・・」
水瀬果穂「勝道君、こっちだよ」
  果穂が拓真を呼び寄せる
勝道拓真「で? こんなところに呼び出して、どうしたんだ?」
水瀬果穂「実はね、君の作品を読んでいるうちに、君のことが」
水瀬果穂「好きになったんだ」
勝道拓真「・・・え!?」
水瀬果穂「君の作品に触れて、君のことを想うようになってきたんだ」
水瀬果穂「だから、僕と付き合って欲しいんだ」
水瀬果穂「返事を聞かせてくれるかい・・・?」
勝道拓真「えっと、こんな俺でよければ」
勝道拓真「よろしくお願いします」
水瀬果穂「やったー!! ありがとう!!」
勝道拓真「おわ!?」
  果穂は嬉しさのあまり、拓真に抱きつく
  こうして、新たなカップルが生まれたのだった

〇おしゃれな教室
勝道拓真「おはよー!!」
「おはよー、勝道君」
「どうしたんだ? そんなに喜んで?」
勝道拓真「それがさ、俺の小説が書籍化されることになったんだ!!」
「そうなんだ!! おめでとう!!」
「良かったじゃんか!!」
上衣真帆「ね、ねぇ? 拓真」
  皆で喜んていると、真帆が声をかけてくる
勝道拓真「・・・何だ?」
上衣真帆「そんなに構えなくてもいいじゃない」
上衣真帆「凄いね、書籍化なんて」
勝道拓真「そりゃどうも」
上衣真帆「もしよければ、私ともう一度──」
水瀬果穂「おはよー、拓真♪」
  真帆が何かを言おうとしたところ、果穂が拓真に抱きつく
勝道拓真「おはよう、果穂」
水瀬果穂「今日も君に会えて嬉しいな」
水瀬果穂「で、君は誰だい?」
上衣真帆「誰って、あなたこそ誰よ!?」
水瀬果穂「僕は拓真の彼女さ♪」
上衣真帆「嘘・・・、そんなことって・・・!!」
水瀬果穂「もしかして、拓真に復縁しようとしてたのかい?」
上衣真帆「だ、だって・・・!!」
水瀬果穂「君は、別れたんだろう?」
水瀬果穂「君から言い出してさ」
上衣真帆「だって、小説家なんて、将来がわからないじゃない!?」
上衣真帆「それに、ただの物書きだなんて──」
水瀬果穂「彼を馬鹿にするな!!」
上衣真帆「!?」
水瀬果穂「拓真は面白い作品を作れるんだ!!」
水瀬果穂「それに、読んだ人をワクワクさせてくれるんだ!!」
水瀬果穂「読んだこともないのに、彼を馬鹿にするな!!」
上衣真帆「う、うぅ・・・!!」
勝道拓真「ありがとう、果穂、大丈夫だから」
水瀬果穂「拓真・・・」
勝道拓真「悪いけど、復縁するつもりはないから」
上衣真帆「も、もういいわよ!!」
  言い詰められたのか、真帆は教室を出ていった
勝道拓真「なんとかなったな」
水瀬果穂「そうだね」

〇おしゃれな教室
  その後だが、真帆はいつの間にか退学していたらしい
  なんでも、男漁りをしていて勉強をしていていなかったらしい
  それに怒った親が、真帆退学させて田舎に帰らせたらしい
上衣真帆「こんなはずじゃなかったのにー!!」
  彼女は最後にそう叫んでいたらしい

〇結婚式場の廊下
勝道拓真「とうとうこの日が来たな」
水瀬果穂「そうだね」
勝道拓真「まさか、俺たちが結婚するとはな」
水瀬果穂「でも、僕たちの幸せを喜んでくれる人がいるよ」
勝道拓真「そうだな、果穂」
水瀬果穂「何だい?」
勝道拓真「俺と結婚してくれてありがとう」
水瀬果穂「こちらこそ、好きになってくれてありがとう」
水瀬果穂「幸せにしてね」
勝道拓真「もちろん」
  そうして、二人は誓いのキスをしたのだった
  お・し・ま・いっ!!

コメント

  • 小説を読んで貰うのも、結構大変でしょうね…
    タップだって自作は読んで欲しいけど、人のはめんどくさいというの多いでしょうしねww
    ちょっと反省しました💦
    拓真には信念があって、きっと才能もあるのでしょうね! 羨ましい限りです😲
    結果ハッピーで良かったです👍 色々学びを貰えました!!

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