Ⅱ-28.荒地での出会い(side 蒼、根谷)(脚本)
〇荒野
元魔王「・・・」
田所 衛(マモル)「・・・ すげぇ荒れてるな・・・」
田所 蒼(アオイ)「異世界とは思ってても修行ばっかだったし・・・」
田所 蒼(アオイ)「少しだけ異世界感がでてきたよね!」
元魔王「・・・ そうか?」
元魔王「魔法とか使ったし・・・ それの方が異世界感あるような・・・」
田所 蒼(アオイ)「・・・ だって・・・ 師匠や兄貴はすでに使ってたよ?」
田所 蒼(アオイ)「地球で!!!」
元魔王「あぁ・・・・」
田所 衛(マモル)「・・・ 奏楽たちは・・・」
田所 衛(マモル)「なんつ~か・・・ 規格外だよな・・・」
元魔王「・・・ そうですね・・・」
田所 蒼(アオイ)「だよな!!! 本当すげぇからな!!!」
〇荒野
根谷 忠司「俺~~~!!!! 剣も魔法も全くダメなのにぃ~~~!!!」
根谷 忠司「なぜ!!!!! なぜ俺は!!!!!」
根谷 忠司「魔王討伐の旅に出されたんだ~~~!!!!!」
〇謁見の間
王様「『勇者』よ!!!!」
根谷 忠司「は、はい!!!」
王様「お主には・・・・ 魔王討伐の旅に出てもらう!」
根谷 忠司「・・・え? え???」
根谷 忠司「ちょ!!! 国王様??!?!?!?」
根谷 忠司「僭越ですが・・・ 俺は剣も魔法もまだまだで、戦えるとは思えな──」
王様「お主に剣術を教えていた騎士と!」
騎士「・・・え?」
王様「魔法を教えていた魔法使い!!!」
魔法使い「・・・は? 私??」
王様「お主らの三人で魔王討伐の旅に行ってもらう!! 今すぐに!!!!」
「えぇ~~~~~!??!?!?!?」
根谷の意見は国王権限によりかき消され・・・
強制的に旅立つことが決まったのだった。
〇荒野
魔法使い「全く・・・ こんな実力で旅に出すなんて・・・」
魔法使い「ありえなさすぎるでしょ!!!!!」
根谷 忠司「ヒィッ!!!」
騎士「もう『勇者』様の成長を待っている時間がないのでしょう!!!」
騎士「魔王の活動も活発になってきていて、被害報告が増えてきているのですから!!」
根谷 忠司「ひぇ~~~~!!!」
騎士「ですので・・・ 国王様はきっと・・・・・」
騎士「旅にでたらきっと強くなるだろう・・・」
騎士「という・・・ 希望的観測によって・・・ 旅に出ることになったのです!」
魔法使い「それで・・・ なんで私が一緒に旅に出ないといけないわけ?」
根谷 忠司「ひぇ~~~~~~~!!」
魔法使い「私・・・ ナヨナヨしてて弱いやつ・・・ マジで嫌いなんだけど・・・」
騎士「それは俺も一緒で──」
騎士「コホン・・・ 国王の命令ですので・・・」
騎士「文句は国王にいってください!」
魔法使い「チッ・・・ 言えるわけねぇだろ???」
根谷 忠司「・・・」
根谷 忠司(二人とも辛辣すぎる・・・・)
根谷 忠司(それに・・・ 騎士さんが・・・ 嫌いという言葉に同意してた・・・)
根谷 忠司(今まで態度には出てたけど・・・ そんなことはなかったのに・・・・)
根谷 忠司(俺・・・・ 泣いてもいいかな・・・・)
根谷 忠司「いいもん・・・ どうせ俺なんて・・・」
根谷 忠司「ブツブツ・・・」
騎士(し、しまった!!!! どんなにどんくさくてもこの方は『勇者』だ!!)
騎士(俺が支えなければならないのに!!!! 何たる失態!!!)
魔法使い(落ち込んでる姿も・・・ 可愛いわ♡ ゾクゾクする♡)
魔法使い(実は私・・・ ダメ男に惹かれちゃうのよね♡)
魔法使い(もう・・・ 今の『勇者』様♡ めっちゃタイプ!!!♡♡♡)
魔法使い(もっともっと私の言葉に傷ついて落ち込むといいわ~♡)
三人が三人とも互いの思惑に気づかないまま・・・
しばらく歩き続けているとき・・・・
「魔物がきた!!!!」
田所 蒼(アオイ)「すみません!!! 倒し損ねたのがそっちにきてしまったようっす!!」
根谷 忠司「・・・お??」
田所 衛(マモル)「俺がやるぜ~~!!!!」
田所 衛(マモル)「よし!!!! 討伐完了っと!!!」
元魔王「これで最後だね!!」
田所 蒼(アオイ)「さすが兄さん!! 兄さんにはかなわないっすね!!!!」
根谷 忠司「・・・」
根谷 忠司「うわ~・・・ すごい・・・」
騎士「この場所にいる魔物は、 上級冒険者でも複数パーティを組まないと倒せないと聞く・・・ それを一撃で・・・」
騎士「・・・ 凄いな・・・!」
根谷 忠司(え・・? まって?!?!)
根谷 忠司(上級冒険者って・・・ ラノベとかにある冒険者のことだよね? その上級ってことはかなり強いとみる!)
根谷 忠司(そんな強い敵が出る場所に・・・ 初っ端から来ちゃうとか・・・)
根谷 忠司(俺・・・ 強くなる前に、死んじゃう自信があるんだけど・・・)
根谷 忠司(この二人・・・・ 俺を強くしてくれる気は・・・ないのか?)
魔法使い「・・・ 無詠唱とは・・・ かなりの使い手とみる・・・」
根谷 忠司(かなりの高評価!!! 彼らを仲間に誘ってみるか・・・???)
こうして・・・・
『勇者』一行と、蒼一行が出会ったのだった。