「私たち、異世界に召喚されました」~召喚といっても偶然だったみたいです~(脚本)
〇闘技場
召喚術士「わが呼び声にこたえ、 その姿を現せ!」
召喚術士「欲深き魅惑の悪魔・・・ サキュバス!!」
召喚術士「・・・」
召喚術士「サキュバスも失敗か。次行こ」
衛兵「あの~、恐れ多いのだが、 詠唱も集中も雑過ぎはしないか?」
召喚術士「大丈夫大丈夫、 次は成功するかもだから」
衛兵(もう何回目だよ・・・。 念のため見守ってる こっちの身にもなれよ・・・)
衛兵「こっちだって忙しいんだから、 あと1回だけですよ!」
召喚術士「え~! 魔力的には、 あと50回は出来るよ!」
衛兵「1回の消費MP少なすぎ!!」
衛兵「はいっ!!集中集中!! 一度にたくさん魔力を込めて!!」
召喚術士「戦士のくせにぃ・・・ 召喚魔法難しいんだぞ!!」
召喚術士「わが呼び声にこたえ、 その姿を現せ!」
召喚術士「大いなる海を駆ける者・・・ マーメイド!!」
召喚術士「・・・」
召喚術士「マーメイドも失敗か・・・」
召喚術士「成功!? 出てくるか!?」
召喚術士「えっと、何召喚してたっけ?」
衛兵「マーメイドだよっ!!」
召喚術士「あ、そっか!!」
召喚術士「マーメイド!?」
召喚術士「ここ、水場がない!!!」
メイ「ひゃ!!」
メイ「ここ、どこっ!?」
さき「痛っ!!!」
さき「え?何?どこなん?」
メイ「痛ぇぇぇ・・・。 鼻血出てきた・・・」
召喚術士「は!?え!?尾ひれが無い!?人間?? いや、マーメイドの前に呼んだ・・・ サキュバス!?」
さき「変な宗教の人? ファンタジーのコスプレ?」
さき「もしかして、ここは・・・」
さき「秋葉原!?」
メイ「え!? 秋葉原そんなイメージなの!?」
メイ「いや・・・こ、これは!?」
メイ「異世界召喚ってやつでは!?」
さき「メイちゃん、鼻血鼻血!!」
召喚術士「使役できてる感じが全然しない!! 衛兵!!衛兵!!」
衛兵「何だこいつら!? 人間か!?」
衛兵「抵抗するなよ!!」
メイ「ぎゃ!?」
さき「何すんねん!?」
衛兵「鼻血は拭いてやったぞ」
メイ「あ、どうも・・・ 意外とやさしい人・・・」
メイ「って、あれ? 勇者扱いされるんじゃないの?」
衛兵「悪いが、何者か分からない以上 一旦牢に入ってもらう。 その後のことは俺にはわからん」
牢に入れられ
2週間ほど事情聴取が行われた。
どうにか誤解は解け
王妃様に謁見することとなった
〇謁見の間
王妃様「よくぞ参られました。 勇者様方」
王妃様「昔、世界が危機に直面した時、 特別な力を持つ勇者様が 異世界より現れ、世界を救ったという 言い伝えがあります」
王妃様「魔王と呼ばれる者が 世を騒がせている昨今です」
王妃様「おそらく、あなた方こそが 新たな勇者なのでしょう」
さき「・・・なぁ、メイちゃん」
メイ「え?何?」
さき「見た感じ、 こいつが魔王ちゃう?」
メイ「しー!! 言っちゃダメ!!」
王妃様「わたくしが・・・魔王?」
王妃様「まあ、そう呼んでいる人も いるかもしれませんね」
王妃様「ところで、 「メイ」と「さき」 といいましたか」
王妃様「まだ混乱していることでしょうが、 言い伝えにあるような 何か特別な力は持っておられますか?」
メイ「特別な力・・・ ステータス画面でも出てきたら すぐわかるんだけどなぁ」
さき「ステータス画面?」
メイ「ほら、よく異世界ファンタジー作品で あるじゃない?」
さき「ステータス画面なんか出てきたら、 異世界ファンタジーというより ゲーム世界ちゃう?」
さき「あ、これかな」
さき「見えた。 ウチのん、 回復スキルマスターって書いてあるで」
さき「ほんまにゲームみたいやな」
メイ「え!? ステータス見れるの!?」
さき「回復魔法も蘇生魔法も使えんねんて」
さき「ふ~ん・・・蘇生魔法使ったら 死亡後10分以内やったら、 HP1で確実に復活させられるんやって」
さき「HPって、完全にゲームやなぁ。 現実感ないわぁ・・・」
メイ「ストップ!!ストーーップ!! ステータス どうやって見るの!?」
さき「なんか知らんけど出てきてん。 どうやってって言われてもなぁ」
メイ「ステータス表示!!」
メイ「ステータス!!」
メイ「ステータァァァァァァス!!!」
さき「ぷっ・・・。 アホちゃう?笑われてんで。 恥ずかしいからやめて」
メイ「アホって言うな!!」
メイ「あと、笑うな!!」
メイ「ステータスさっさと出てきなさい!!」
メイ「うわっ!! 出てきた!!」
さき「すごいやん。 ウチにも見えてるで。 ちょっと見せてな・・・」
さき「国語22点 数学36点 理科12点 社会・・・」
メイ「うわーーー!! わーーー! もういい!もういいから!!」
さき「全滅やなぁ」
メイ「うるさーーい!!」
さき「ん? 装備に「魔法拳銃」って 書いてあんねんけど これ何?」
さき「さっきからこの感触、 もしかして・・・」
メイ「ちょ、ちょっと何してるの!?」
メイ「公衆の面前で、 急にスカートめくらない!!!!」
さき「ほら、あった!!魔法拳銃!! いつから付いてたんやろ!?」
メイ「言われてみれば、 私も太ももに 何か付いてる気が・・・」
さき「これ本物かなぁ」
メイ「人の方に銃口向けない!!」
王妃様「まあまあ、落ち着きなさい」
王妃様「まずはこの世界に慣れて いずれ立派な勇者になれるよう 最大限サポートします」
王妃様「でも、 1つだけ覚えておいてください」
王妃様「あなた方は、 おそらく強大な力を 持っているのでしょう」
王妃様「だからこそ、 気を付けてください」
王妃様「誰が勇者で、誰が魔王か。 それを決めるのは誰なのか。 まわりに流されず、 よーく考えて行動して下さい」
メイ「よく分からないよぉ・・・!!」
〇武術の訓練場
この世界に来て1か月
私たちは冒険に慣れるため、
それぞれ別の冒険者パーティに
組み込まれ、レベル上げに勤しんだ。
そして、各々が冒険から戻り、
この世界についてわかったことを
共有することとなった。
メイ「あ!あそこにゴブリン的な・・・」
メイ「よし!倒した!」
さき「1発しか当たってないやん!?」
メイ「当たればいいの!」
メイ「今のでレベル上がった!! ついにレベル8!!」
メイ「で、この世界についてわかったこと。 案外レベルが上がらない・・・」
さき「そう? ちゃんと弾が 当たってないからちゃう?」
メイ「それもあるけどぉ・・・」
メイ「強いパーティに同行しても モンスターにとどめを刺した人に 経験値の9割ぐらいが 入ってる気がする」
メイ「同行しても結局レベルが ほとんど上がらず、 今ここで雑魚を倒してる わけなんですが・・・」
さき「確かに、 倒した人に経験値入るみたいやなぁ。 でも、数値だけが経験とちゃうから、 気にせんでええんちゃう?」
さき「戦ったことあるモンスターやったら どこに攻撃したら クリティカルになるか わかってきたし」
メイ「うん。そうなんだけど。 今、レベル7から8になっただけで ステータスの数値結構上がってる」
さき「何点になったん?」
メイ「テストの点数じゃない!!」
さき「冗談冗談、わかってるって」
さき「ウチも分かったことあるで」
さき「ウチらの世界に なんでも買い取ってくれる店 あったやん?」
さき「そういう店でも 買い取ってくれへんような 薄汚れた布切れでも、」
さき「この世界やったら、ちょっとした お小遣い稼ぎになるみたいやで。 価値観って分からんもんやなぁ」
メイ「布??」
さき「ほら、さっき倒した ゴブリンが腰に巻いてる布とか、 ほかには」
さき「アンデッド・・・というか 綺麗な服着たガイコツが おってんけど その服が結構高く売れてん」
メイ「なぜ剝ぎ取ろうと思った・・・」
メイ「でも、そっか・・・」
メイ「よくファンタジー作品で 倒したモンスターの 身体の一部を採取して 売ったり素材にしたり・・・」
メイ「じゃあ、あそこにいる・・・ ハーピィかな。 あの服とか羽も、もしかして・・・」
さき「え!? ハーピィどこ!?」
さき「ほんまや!いてる」
さき「めっちゃ、かわいいやん・・・」
メイ「仮に倒しても、羽をむしるのは 抵抗あるよね・・・」
さき「あんな、かわいいこが着てる肌着 絶対売れるやん!!」
メイ「は、肌着!?」
さき「一部の層の人たちに絶対 高値で売れるで!!」
さき「安心して。かわいいハーピィは 無傷で逃がしてあげるから。 服だけ剥いでくる」
さき「ちょっと行ってくるわ」
メイ「ちょ、ちょ、ちょ ちょっと待って!!」
メイ「服を剥ぎ取りに行こうとしてる さきもヤバいけど」
メイ「あのハーピィ、レベル24って 表示されてる!! 返り討ちにあうよ!!」
さき「レベル24? いけるいける♡」
さき「ウチのレベル見てみ?」
メイ「レ、レベル60!!」
ハーピィ「・・・!?」
さき「大声出すから見つかったやん!?」
ハーピィ「・・・」
メイ「襲ってこないね。 逃げもしない」
さき「それどころか笑顔・・・ やっぱり、かわいいわぁ・・・」
メイ「って、さき。レベル60って・・・ 私レベル8だよ? 召喚されたとき2人とも レベル1だったよね?」
メイ「え?バグ?どうやったの?」
さき「ウチ、回復スキルマスターやで?」
さき「ここ、ゲーム世界みたいやけど、 自由きくから 試してみたら出来てん!」
メイ「何を試したらこんなことに!?」
さき「魔法の効果読んでたら、 誰でも思いつくことやで。 後で教えたるから、考えとき」
さき「公序良俗にはギリギリ 反してないかなぁって 方法やけど」
さき「でも、今はハーピィが先♡」
メイ「っていうか、さきが 公序良俗を気にしてたってことに 驚いてるんだけど」
メイ「戦意無さそうなハーピィの 服を剥ぎ取るのは、 公序良俗に反するんじゃないかな?」
さき「あのハーピィが、 戦意(せんい)無さそう? 間違ってるで?」
さき「繊維(せんい)あるから 剥ぎ取るんやんか♡」
さき「じゃあ、行ってきま~す!」
メイ「ちょ、ちょっと!!」
メイ「あっさりと ハーピィを羽交い絞めに・・・」
メイ「うわっ!! 服が乱れて・・・」
メイ「あ!!本当に剥いだ!!」
メイ「あぁ・・・・うわぁ・・・」
メイ「ヤバい!見てられない!!」
メイ「まだ羽交い絞めにしてる・・・」
メイ「えっ!!下も!?」
メイ「ぶふっ!!!」
こうして、
私たちの異世界生活が
幕を開けたのだった。
次回予告
「さき、無限レベルアップの秘密」
~無限というには語弊があります~
「ハーピィ、また発見」
~発見だけでは終わりません~
の、豪華2本立て!!
お楽しみに!!
つづく・・・?
立ち絵の表情、ポーズ、躍動感のレパートリーが豊富で凄いですね😆
ストーリーもその場に合った立ち絵の表情差分を使い分けされていて勉強になりました✨
ステータス表示でテストの点数が表示されるのは思わず笑いました🤣
ハーピーを羽交い締めも上手い例えで良きでした☺️(色んな意味で←)
冒頭の会話から、終始楽しませてもらいました😂
ステータス表示でテストの点数って……🤣
この愉快なストーリーと、美麗なキャラビジュアルとその表情や動きの豊かさが相まって、オンリーワンの魅力が✨ 続きも気になって仕方ないです😊
キャラに動きがあって楽しいですね。アニメを見てるようなリアル感があります。自分で絵を描けるからこそできるんですね。すごいです。ストーリーも異世界転生して、能力はあるんだかないんだかな主人公が…という展開。次回も(あるならば)楽しみにしています。