エピソード5 プレゼント(脚本)
〇銀杏並木道
ロイ「うぅさむっ」
ロイ「あの人の言う通りだ」
ロイ「こんな日に外になんて出るもんじゃないな」
ロイ「あの子どもも」
ロイ「いないだろう」
ロイ「さむっ」
ロイ「あ!」
〇イルミネーションのある通り
ロイ「・・・」
ロイ「綺麗だ」
ロイ「なぁねこ」
ロイ「お前もそう思うか?」
ネコ「・・・」
ロイ「雪も止んできたな」
ねこ
ロイ「・・・」
ロイ「あ」
ロイ「いたのかよ・・・」
ロイ「寒くないか?」
子ども「うん」
ロイ「そうか」
ロイ「ココアでも飲むか」
子ども「うん」
〇クリスマスツリーのある広場
気がついたら雪は止んでいた
ロイ「ツリー」
ロイ「綺麗だな」
子ども「うん」
ロイ「そうだ君に」
ロイ「プレゼントがあるんだ」
子ども「ぼくに?」
ロイ「ああ」
ガサガサ
子ども「お絵描きセット?」
子ども「ありがとう」
ロイ「嬉しいか?」
子ども「うんっ」
ロイ「そうか よかった」
ロイ「ははは」
ロイ「あれ・・・」
ロイ「いない」
ロイ「ねこもいない」
ロイ「・・・」
ロイ「画材はある・・・」
お兄さん
ロイ「うわ、びっくりした!!」
ロイ「あんたかよ」
商人「それ」
商人「使っちゃえば?」
ロイ「俺が自分で?」
商人「そうだよ」
商人「お兄さんが欲しいもの」
商人「見つかったでしょ?」
ロイ「え」
〇豪華な部屋
ロイ
ロイ・・・
子ども「兄さん」
また父さんにクレヨンを捨てられたのか?
子ども「うん」
子ども「ぼくが役者の勉強をしないで 絵ばっかり描くから」
子ども「ぼくが父さんの期待に応えられないから」
ロイは悪くない
父さんの期待には俺が応えるから
お前は自分の好きなことを見つけてほしい
子ども「!」
プレゼントだよ
メリークリスマス
ロイ
〇クリスマスツリーのある広場
兄さん・・・
ロイ「結局」
ロイ「また父さんに見つかって」
ロイ「捨てられたんだよな」
ロイ「そうか、これは」
ロイ「俺が欲しいものだったのか」
商人「よかったね」
ロイ「ああ」
ロイ「ありがとうな」
ロイ「そうだ明日の食事会で」
ロイ「兄さんにプレゼントでもあげようか」
ロイ「何がいいと思う?」
商人「知らないよ」
ロイ「この前みたいに選ばせてくれよ」
商人「それは自分で本人に聞きなよ」
ロイ「そうか」
ロイ「そうだな」
商人「ふぉふぉふぉ」
ロイ「え?」
サンタさん「メリークリスマス!!」
ロイ「えええ!?」
ロイ「・・・」
ロイ「いない・・・」
ロイ「なんだったんだ・・・」
〇レトロ喫茶
一か月後
店長「ロイくんロイくん!!」
店長「店の前でお客さんが待ってるよ」
ロイ「は、はい店長!!」
〇商店街の飲食店
子ども「にいちゃんにいちゃん」
子ども「はやくー」
ロイ「はいはい」
ロイ「ラーララ〜」
ロイ「おそうじおそうじ〜」
ロイ「なーにかな〜?」
子ども「ねこだー!」
子ども「かわいいー」
子ども「あはは」
ある日
店の前の掃除中に
歌いながら落ち葉で絵を描いたら
子ども達に喜ばれた
ロイ(それが評判となり)
ロイ(店にお客が増えた)
ロイ(ほんと何があるかわからないな)
店長「ロイくんそろそろ店内に戻ってよ!」
ロイ「あ、はい」
ロイ「ただいま」
ロイくんに幸あれ!ネコも可愛かったです!