読切(脚本)
〇アーケード商店街
エミル「今日も人多いなぁ・・・(独り言)」
〇アーケード商店街
視覚障害者の男性「・・・」
〇アーケード商店街
通行人「間に合わなぇ・・・」
視覚障害者の男性「・・・」
〇アーケード商店街
通行人「邪魔だ邪魔だ・・・そこをのけ・・・」
視覚障害者の男性「・・・」
〇アーケード商店街
通行人「のけって言ってんだろ! こっちは急いでるんだ!」
視覚障害者の男性「・・・」
〇アーケード商店街
視覚障害者の男性「・・・」
エミル「どうしよう・・・」
通行人「どけって言ってんだろ!」
視覚障害者の男性「!?・・・ごめんなさい・・・」
〇アーケード商店街
カイト「どうしたんですか?」
通行人「コイツが道の真ん中でボーッとつったってるからどけよって言ってるんだけど全然どかないんだよ・・・」
視覚障害者の男性「・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい」
〇アーケード商店街
カイト「おじさん!彼は白杖を持ってます。 彼は視覚障害者です」
通行人「視覚障害者・・・そう言われれば杖持ってるな・・・」
カイト「彼は黄色い点字ブロックの点字を読み取って歩いてます。 おじさんは点字ブロックが無くても歩けますよね?」
通行人「おおぅ・・・すまねぇな! ・・・あっ!そうだった! こんな事してる場合じゃなかった。 じゃあな!」
〇アーケード商店街
カイト「大丈夫でしたか?お兄さん! おじさんは慌てて行っちゃった・・・」
視覚障害者の男性「ありがとう・・・ありがとう!!」
視覚障害者の男性「本当にありがとう!」
〇アーケード商店街
視覚障害者の男性「・・・」
〇アーケード商店街
エミル「あっ!あの〜」
カイト「?・・・何か?」
エミル「かっ・・・カッコ良かったです! 私は見てるだけしか出来なかった・・・」
カイト「ありがとう!僕も実は目には見えないけど身体障害者なの・・・だから僕はすぐに動けたんだ・・・」
エミル「そうなんですね・・・ それにしても凄いかっこよかったです!」
カイト「ありがとうございます♪」
ミリ「エミル〜!?」
〇アーケード商店街
ミリ「やっぱりエミルじゃん!」
エミル「ミリ〜!」
エミル「さっきこの人が・・・ってあれ?」
ミリ「さっきまで居た人がどうかしたの?」
エミル「・・・さっきね!・・・いや・・・何でもない・・・」
ミリ「あっ!そういえば・・・」
エミル「──」
〇シックな玄関
エミルのお父さん「ただいま〜エミル!」
エミル「おかえりなさい・・・お父さん」
エミルのお父さん「どうしたんだい?こんな夜まで・・・ 私の帰りを待ってたのかい?」
エミル「後で少し話したい事があるの!」
〇おしゃれなリビングダイニング
エミルのお父さん「・・・」
エミルのお父さん「で・・・エミルから話したいなんて 珍しいな! 何かあったのかな?」
エミル「街で視覚障害者の方が困っていたの!私、前から助けたいなと思っていたけど中々勇気が出なかった・・・」
エミル「私くらいの歳の男の人が視覚障害者の人を 助けてるのを見てカッコいいと思った・・・」
エミル「私も困ってる人を助けてあげたい・・・ 助けられるようになりたい・・・」
エミルのお父さん「その男の人・・・ 何か言ってはいなかったかい?」
エミル「えっと・・・」
〇アーケード商店街
カイト「ありがとう!僕も実は目には見えないけど身体障害者なの・・・だから僕はすぐに動けたんだ・・・」
〇おしゃれなリビングダイニング
エミル「って言ってた・・・」
エミルのお父さん「そうなのかい・・・ でも・・・それが 今の社会なのかも知れないね・・・」
エミルのお父さん「電車に乗る時も優先座席に座る若者 それに比べてお年寄りと席を譲り合う 障害者」
エミルのお父さん「それが今の社会なのさ・・・ 皆 自分の事しか気にしない・・・ そんな世の中だ・・・」
エミル「車椅子専用の駐車場に一般の人が停めてるのを見た事がある・・・」
エミルのお父さん「そう・・・それもそう・・・ 他の人の事を気にして居ないのさ・・・」
エミルのお父さん「それに気づいたエミルはとても偉い!」
エミルのお父さん「今度その人に会った時に 色々話して聞いてみたら 良いんじゃないかな? 勿論・・・自分で調べて行く事も大切だよ!」
エミル「うん! ありがとう!お父さん・・・」
2週間後
〇アーケード商店街
カイト「──」
エミル「あっ 居た!」
エミル「こんにちは〜」
カイト「こんにちは〜 今日もショッピングですか?」
エミル「あなたが来るのを待ってました」
エミル「あなたとお話ししたくて・・・」
エミル「もっと障害者の事について 詳しく知りたいです。 教えてください」
カイト「そこのカフェでも入って お話ししましょうか?」
エミル「はい!」
〇レトロ喫茶
カイト「・・・」
エミル「わ・・・わたし・・・役に・・・立ちたくて・・・」
カイト「えっと・・・!?つまり・・・障害者の補助をしたいと言う事かな?」
エミル「・・・はい! 普段生活している時に障害者の方を見かけたら声かけたり出来たら・・・と思ってます」
エミル「あの時のあなたみたいに・・・」
カイト「!!」
カイト「わかった・・・ 実はこれから会う人がいるので 紹介するよ・・・ もうすぐここを通ると思うけど・・・」
視覚障害者の男性「・・・」
カイト「こんにちは〜」
視覚障害者の男性「こんにちは!カイトさん 今日もありがとうね!」
視覚障害者の男性「そこにいらっしゃる方はどちらですか?」
カイト「こちらはエミルさん。女子高校生です。 障害者の事を知りたいそうです」
エミル「お願いします」
カイト「障害者を助けたい・・・ サポートしたいそうです」
視覚障害者の男性「ありがとう」
視覚障害者の男性「ありがとう!」
エミル「────」
それから毎週土曜日の昼頃から
カイトさんと私で
困っている人を助ける活動が始まった。
とても心温まるストーリーでした🥲
私も以前に電車で視覚障害者の方が乗ってくるのを見た時に、「席空いてるけど急に声かけたらびっくりするかも」「でも立ってるの大変だよね」と主人公と同じように固まってしまったことがあり、その時のことを思い出しました。(その時は「どうしよう…」と言ったら隣にいた友人がスッと対応してました)
みんながお互いを思いやる世の中になることを願って病みません。
障害者への支援について考えさせられるお話でした。
なにが支えになるかは、やっぱり実際に困ってる人から話を聞くことが一番だと思うので、カイトさんの配慮が良かったと思います。
いいお話ですね。
やっぱり人間は助け合いが大事だと思います。
しかし、健常者は障害者の気持ちや立場は理解できません。何故なら自分は何もないから…。
だからと言って全てを支えろ!ってわけではありませんが…。
中には勘違いして健常者は障害者を助けろ!って人もいますけど…。