番外編 雪花と由香(脚本)
〇本棚のある部屋
鈴木雪花「んん・・・・・・」
受験勉強が一段落して、雪花は大きく伸びをする。
鈴木雪花「流石に疲れちゃったな、ちょっと休もう」
鈴木雪花「そうだ、牛乳でも飲んでこようかな」
〇おしゃれなリビングダイニング
鈴木雪花「あれ、お姉ちゃんまだ起きてたんだ」
鈴木由香「うん、ちょっと寝付けなくなっちゃって」
鈴木雪花「もう、アスリートなんだから夜ふかしはダメだよ!」
鈴木雪花「寝つけないのは仕方ないけど・・・・・・」
鈴木由香「心配してくれてありがとね」
鈴木由香「でも、受験生の夜ふかしもダメだよ?」
鈴木雪花「それは・・・・・・」
鈴木雪花「お姉ちゃんに追いつきたいから・・・・・・」
鈴木由香「雪花?」
鈴木雪花「お姉ちゃんは私よりずっと凄くて・・・・・・」
鈴木雪花「優秀で・・・・・・格好良くて・・・・・・」
鈴木由香「そんなことないでしょ、雪花の方がずっと勉強得意だし」
鈴木雪花「お姉ちゃんが真剣に勉強したら、私より余っ程上だよ」
鈴木由香「いや、わたし勉強苦手だよ?」
鈴木雪花「私なんかじゃお姉ちゃんの足元にも及ばないから・・・・・・」
鈴木由香「雪花はどうして、そんなに自分に自信が無いの?」
鈴木雪花「どうして・・・・・・」
鈴木雪花(こんなに完璧なお姉ちゃんがいたら・・・・・・自信も無くなるよ)
鈴木由香「とりあえず、ミルク飲もっか」
鈴木雪花「うん・・・・・・ありがと・・・・・・」
〇黒
ずっと私の憧れだった、完璧なお姉ちゃん
だけど・・・・・・
〇女性の部屋
鈴木由香「うぅ・・・・・・愛衣っ・・・・・・」
鈴木由香「帰ってきてよ・・・・・・」
親友が行方不明になって、お姉ちゃんは陸上もしなくなってしまった。
鈴木雪花「お、お姉ちゃん・・・・・・元気だしてよ」
鈴木雪花「私がいるよ?」
鈴木雪花「愛衣さんがいなくても・・・・・・私が代わりになるから」
鈴木由香「雪花じゃ代わりになれないよっ!!!」
鈴木雪花「っ・・・・・・」
鈴木雪花「やっぱ・・・・・・」
鈴木雪花「私はダメなんだ・・・・・・」
〇学校脇の道
鈴木雪花「はぁっ・・・・・・はぁっ・・・・・・」
鈴木雪花「いたっ・・・・・・」
鈴木雪花「あ・・・・・・すみません」
岡島瑠里乃「大丈夫ですか?」
咲須穂乃果「大丈夫?手、貸すよ?」
鈴木雪花「あ、ありがとうございます・・・・・・」
岡島瑠里乃「随分と泣いていましたが、何かあったのですか?」
鈴木雪花「い、いえ・・・・・・」
咲須穂乃果「由香センパイの妹さんだよね!」
鈴木雪花「お、お姉ちゃんの・・・・・・」
鈴木雪花「あ、マネージャーさん・・・・・・」
咲須穂乃果「うん!」
鈴木雪花「こんな時間に、お姉ちゃんに何かご用ですか・・・・・・?」
咲須穂乃果「そうなの!最近元気ないから励ましたいなって!」
鈴木雪花(お前の励ましなんかいらない・・・・・・)
鈴木雪花(もしそれで・・・・・・お姉ちゃんが立ち直ったら・・・・・・)
鈴木雪花(私はどうしたらいいの・・・・・・?)
鈴木雪花「私は・・・・・・」
咲須穂乃果「わっ、な、泣かないで!」
岡島瑠里乃「行っちゃいましたね」
咲須穂乃果「妹でも上手く励ませなかったみたい・・・・・・あたしで大丈夫かな」
岡島瑠里乃「ええ、穂乃果さんなら大丈夫ですよ」
岡島瑠里乃「更に言えば、妹さんでも励ませたと思います」
岡島瑠里乃「だけど、彼女は自分が姉より下の存在だと思ってる」
岡島瑠里乃「だから辛く当たった姉の言葉が効いた・・・・・・」
岡島瑠里乃「そんな所じゃないですかね」
咲須穂乃果「それ、ちょっと気持ち分かるかも」
咲須穂乃果「お姉ちゃんって頼り甲斐あるから、自分より上って感じしちゃうよね」
咲須穂乃果「あたしも昔そうだったな〜」
岡島瑠里乃「へぇ、そんなもんなんですね」
岡島瑠里乃「私も姉がいたら・・・・・・とか考えると面白いです」
咲須穂乃果「あたしの姉は酷い奴だけどねー」
咲須穂乃果「あ、お姉ちゃんのこと思い出したら話逸れちゃった」
咲須穂乃果「あたしが主導権を握るくらいでいいんだよね?」
岡島瑠里乃「ええ、弱った人間の心は脆いですから」
〇玄関内
数日後・・・・・・
鈴木雪花「お姉ちゃん・・・・・・久しぶり」
鈴木雪花「心配かけちゃってごめんね・・・・・・」
鈴木雪花(お姉ちゃん、アパートになんて住み始めたから気軽に会えなくなっちゃった)
鈴木雪花(弱ってるなら家にいようよ・・・・・・)
鈴木雪花「入るよ、お姉ちゃん」
〇女性の部屋
咲須穂乃果「はい、あーん」
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番外編も含め、改めて完結おつかれさまでした!
雪花さんのアイデンティティ、これが本作の根底にあるテーマなのだと番外編を読んで感じさせられました!
それにしても、瑠里乃さんが登場するだけで不穏な気配を感じてしまいますねww