渋谷偵察からの…(脚本)
〇渋谷の雑踏
カレン「ここが次のターゲット「渋谷」か」
カレン「さあー、偵察開始だ!」
舞「今日も人が多いなあ・・・でも、これが渋谷だよね」
舞「今日こそは、かわいい服をみて、カフェに行って、渋谷を楽しむんだ!」
〇ハチ公前
舞「ハチ公前に来ちゃった」
舞「これからどうしよう・・・」
カレン「さて、さっそく渋谷偵察を始めるか・・・ といっても何もわからん」
カレン「そうだ! 誰かに渋谷を案内してもらおう」
カレン「おい、お前!」
舞「ひゃっ!」
カレン「お前、私に渋谷の街を案内してくれ」
舞「えっ?」
カレン「私はカレン。お前は?」
舞「・・・舞です」
カレン「舞か、いい名前だな」
舞(カレンさんか。変わった格好してるけど、ごこから来たんだろう?)
舞「カレンさんは、どちらからいらっしゃったのですか?」
カレン「私は遠くの星から来た」
カレン「つまり、お前から見ると、私は異星人じゃ」
舞「えっと、その・・・」
カレン「私の一族は、宇宙の中から住みやすそうな場所を見つけて、その土地を侵略して手に入れている」
舞「・・・」
カレン「それで、今度のターゲットをここ渋谷に決めた」
舞「・・・」
カレン「それで私が事前に偵察に来たんじゃ」
舞「はあ・・・」
舞(何言っているのか、ぜんぜん理解できない・・・)
カレン「舞、ここはどんな場所なんだ?」
舞「ここは恋人や友達との待ち合わせスポットなんです」
カレン「じゃあ舞は、私の友達だな」
舞「友達・・・」
カレン「舞、早く行こう!」
舞「は、はい」
〇SHIBUYA109
舞「えっと・・・ここが渋谷の流行の発信地といわれているところです」
カレン「おー、なんかカッコいいな」
舞「はい。ここは若い子の憧れの場所なんです!」
舞「といっても、私まだ入ったことないんですけど・・・」
カレン「よし、入るぞ!」
舞「あっ、カレンさん!」
〇試着室
店員「いらっしゃいませ!」
舞「えっと、その・・・」
カレン「舞はここに来たかったんだろ?」
舞「はい。でも、いざ来ると緊張して・・・」
カレン「よし、今から舞の服を選ぶぞ!」
舞「えっ!」
カレン「お店の人にオススメの服を訊いてみよう」
店員「じゃあ、これなんかどうでしょう? 若い子にとっても人気なんですよ」
舞「か、かわいい・・・」
店員「こちらもお似合いだと思いますよ」
舞「これも素敵だなあ」
店員「試着してみてはどうですか?」
カレン「よし、そうしよう」
舞「・・・う、うん」
店員「とってもかわいいですよ」
店員「これも似合いますね」
カレン「おっ、これいいな」
カレン「舞、どれにする?」
舞「どれもかわいいけど・・・」
舞「今着ているこれにします!」
店員「ありがとうございます!」
カレン「よし、さっそくこの服を着て行こう!」
舞「えー!」
カレン「じゃあ、次に行こう!」
舞「カレンさん、待って!」
店員「ありがとうございました!」
〇道玄坂
カレン「歩き回ったらお腹がすいてきたな」
舞「そうですね」
カレン「何か食べに行くか」
カレン「舞、あそこのお店に入ろう!」
舞「カレンさん!」
〇テラス席
カレン「いい店だな」
舞「はい! こういうお店に来てみたかったんです」
店員「いらっしゃいませ!」
カレン「全部おいしそうだなあ」
カレン「私はこの限定ケーキにする!」
カレン「舞は何にする?」
舞「そうですね。 じゃあ私はこっちのケーキにします」
店員「ありがとうございます」
カレン「あー、うまかった」
舞「おいしかったですね」
カレン「よし、次に行こう!」
舞「えっ、もう?」
店員「ありがとうございました!」
〇東急ハンズ渋谷店
カレン「ここもいろいろあって楽しいな」
舞「はい!」
〇モヤイ像
カレン「ここは?」
舞「ここも渋谷の有名なスポットです」
カレン「へえー、こいつ面白い顔してるな」
〇高架下
カレン「けっこういろいろ回ったな」
舞「私、もうくたくたです」
舞「きゃっ!」
そのとき、よそ見をしながら歩いていた男が舞にぶつかった。
舞「痛たたた・・・」
舞は転んで足をくじいてしまう。
男「この野郎、気をつけろ!」
舞「す、すみません・・・」
男はそのままその場を立ち去ろうとする。
カレン「おい、待て!」
男「あ? 文句でもあんのか?」
カレン「お前のせいで舞が転んだんだぞ。 ちゃんと謝れ!」
舞「カレンさん・・・」
男「なんだとこの野郎、ぶっ殺すぞ!」
カレン「よくも私の友達を・・・私がお前をぶっ殺してやる!」
男「うわー!」
男「ひー、助けてくれー!」
男は逃げるようにしてその場を去っていく。
舞「カレンさん・・・」
舞(カレンさん、今のはいったい・・・)
舞(渋谷を侵略に来た異星人、という話は本当だったんだ・・・)
〇渋谷駅前
カレン「いやー、いろいろ回って楽しかったな」
カレン「舞はどこが一番よかった?」
舞「・・・」
カレン「舞?」
舞「カレンさん!」
カレン「ん?」
舞「カレンさんにお願いがあります!」
カレン「お願い?」
舞「カレンさん、渋谷を侵略するのはやめてください!」
カレン「??」
舞「今日はすごく楽しかった」
舞「私、またカレンさんといっしょに渋谷の街を歩きたい!」
舞「カレンさんとずっと友達でいたい!」
舞「だから、渋谷を侵略するのは・・・」
カレン「あー、そのことか」
カレン「実は、今回の偵察の結果は、もう父に送ったぞ」
舞「えっ?」
カレン「だから、間もなくみんながこの渋谷にやって来るはずだ」
舞「そんな・・・」
〇コックピット
カレンの父「カレンから偵察の報告が届いた」
カレンの母「それでカレンは何て?」
カレンの父「読むぞ。 「モヤイ変な顔、オシャレな服、ケーキうまかった・・・」 何だこれは?」
カレンの父「「渋谷は侵略するところじゃない。楽しみに行くところ。みんなですぐに遊びに来い」だと!?」
カレンの母「オシャレな服においしいケーキ!」
カレンの父「いまいちよくわからんが、予定通りに行くか」
カレンの母「行きましょう!」
カレンの父「渋谷を侵略に・・・」
カレンの母「渋谷にショッピングに!」
カレンの父「ショッピング?」
カレンの母「侵略なんて中止よ」
カレンの母「みんなで街を歩いて、おいしいものを食べに行くわよ!」
カレンの父「・・・」
カレンの母「文句ある?」
カレンの父「ありません・・・」
カレンの母「あら? あの子、報告書といっしょに画像も送ってきてるわ」
〇SHIBUYA SKY
「渋谷で見つけた一番の友達」カレン
短編としての切れ味が良いですね‼
自分はドラマ的な作り方ですが、短編小説的なキレの良さとか視点の変化、見せ方などは得意じゃないのかもしれません。
短編としては、視点の面白さみたいな物が読み手に強く訴えかけるのかなと思いました😃
観光に力を入れてる昨今、宇宙からのインバウンドって面白いですよね‼
ハチ公やモヤイが、宇宙人の待ち合わせ場所にトレンド入りww
カレンちゃんすごくいい子ですね!
舞ちゃんもめちゃかわいくて、二人ともいい友達になれますよ。
侵略するのはやめたみたいなので、お父さんやお母さんにもいっぱい楽しんでほしいです!
ショッピングしたり、スイーツを食べたり、
お年頃の女の子の休日を見ている様でワクワクしました😌
母強しですね🙆♀️笑
侵略されなくてよかったです!笑