読切(脚本)
〇ビジネス街
東「よぉ、林田」
林田「おっ、東、来たな」
東「じゃあ早速渋谷の街で遊びますかっ」
林田「そうだな」
東「・・・・・・ん?」
林田「どうした、東、上なんて見て」
東「大型ビジョン」
林田「いい加減見慣れろよ、 それとも好きな女優でも映っていたか?」
東「いや知らない女優」
林田「じゃあいいだろ別に・・・・・・って、 何も映ってないじゃん」
東「いやいや! 大型ビジョンに めちゃくちゃ美人が映ってるだろ!」
林田「いや映ってないから」
東「でもほら! 俺以外にも 大型ビジョン見てる人たちいるだろ!」
林田「・・・・・・確かにそうだな、 何も映ってないのにな」
東「そういう冗談はいいから! というかオマエ! 興奮してんだろ! だからあえてそう言ってんだろ! 恥ずかしがんな!」
林田「いやマジで映ってないって、 何言ってんだよ」
東「いやいやいや! そういうのいいから! めちゃくちゃ美人が水着で キャッキャいってる映像が 見えてないとかないだろ!」
林田「オマエ、幻覚見えてんじゃねぇの? もしかすると変な薬やってる?」
東「いやだからちゃんと見ろ! 俺以外も大型ビジョン見てる人いるだろ!」
林田「・・・・・・まあいるはいる、でも何か、 奥にUFOでも飛んでんじゃね? 目が良い人だけ見えてるみたいな」
東「いや何で見えてないのかなぁっ? まあそういうノリだと思うけどさ!」
林田「・・・・・・どういう美人が 映ってるのっ?」
東「えっ、オマエ、言わせる型の変態かよ。 分かってるくせに」
林田「いや本当に見えてないけども、 まあ気になるから教えてくれよ」
東「じゃあもういいよ! そのノリ受け入れるわ! 教えるぞ!」
林田「ノリじゃないけどな」
東「合ってるかどうか分かんないだけども、 1人は純日本人って感じで、 落ち着く黒髪!」
東「で、中華系の美人がいて、 あと何かよく分かんないけども、 エジプトっぽい人もいる!」
林田「どんな組み合わせだよ」
東「知らねぇよ! そうなんだから! って! あっ! あぁぁあああああ!」
林田「どうしたんだよ」
東「画面がフェードアウトして・・・・・・! すげぇ! 手塚先生と赤塚先生の対談だってさ!」
林田「何それ、テロップ出てるの?」
東「出てる! 台詞にもテロップ出てる!」
林田「じゃあそれ読んでよ、 俺も知りたいから、その対談」
東「何だよ見えてるくせに面倒だなぁ!」
林田「いやでも、その2人って もうお亡くなりになってない?」
東「でも昔の映像じゃないっ?」
林田「じゃあ白黒?」
東「いやカラー。めちゃくちゃ高画質。 だからデジタルリマスターとか 着色とかしてるんじゃないのっ? CGで」
林田「じゃあ全編CGなのかもな」
東「いやでもそれにしては 本当の人間過ぎるから、 絶対マジの映像だわ! うわっ! 漫画に対しての熱い話してる!」
林田「いやだからテロップ読めよ」
東「えっと・・・・・・ん? 何か急に 台詞じゃないテロップ出てきた!」
林田「それも読んで」
東「この大型ビジョンの映像を 見えている人は・・・・・・!」
〇黒
と俺が喋ったところまでは
覚えているのだが、
そこから急に意識が無くなった。
どのくらい時間が経っただろうか。
どこかから声が聞こえる。
「次のニュースです。 渋谷の大型ビジョンの続報です」
「何も映っていない大型ビジョンを 見上げていた人たちが 次々と倒れていった事件ですが、」
「その時の死者が50人を超えました」
・・・・・・えっ?
死者? どういうこと?
大型ビジョンを見上げていた人が
死んでいるの?
というか何も映っていない?
本当に?
じゃあ俺は、今、
もしかすると・・・・・・死んで
幽霊になっている・・・・・・?
と、思った刹那、
目の前が急に明るくなり、
そこには林田が
俺を見ながら近くに座っていた。
〇病室のベッド
林田「大丈夫か、東、生きてるか? 生きてるんだよな!」
東「えっ、いや、俺、 生きてる? 生きてるの?」
林田「喋られるんなら生きてるみたいだ、 オマエ、病室のベッドで 1日中寝ていたんだぜ」
東「・・・・・・えっ? どういうこと? マジでどういうこと!」
林田「何も映っていない大型ビジョンを 見上げていた人たちが死ぬ という事件が起きて」
東「いや俺見てたよ! 何で生きてんのっ?」
林田「それは俺が何かヤバイと思って、 オマエの顎を殴って気絶させたんだ」
林田「だって死んだ人の対談が見えるって ヤバイだろ、 あと美人の3人も 昔いた世界3大美人の組み合わせだし」
俺は九死に一生を得た。
林田には本当に感謝だな。
お友達の機転が利いてよかったですね!
謎の大型ビジョンを見た人は死ぬ…とか、普通に考えて怖ろしいです。
映った人がみんな亡くなった人だった…っていうのも伏線だったんですね。
おもしろかったです!
読んでいてどんな展開になるのか
とてもワクワクしました!
友人さんの機転が素晴らしかったですね😊
林田さんのが効いて、一命を取り留めた。誰が、何のために、仕組んだのか?そんな裏話も、読んでみたい。発想が面白かったです。