自由過ぎるストッパー荻野

ガンダーラ磯崎

第3話「キレる監督、怒る萩野」(脚本)

自由過ぎるストッパー荻野

ガンダーラ磯崎

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〇更衣室
監督「今日のピッチング、なんだあれは!?」
監督「何でクリーンナップ相手にど真ん中の ストレート投げちゃうんだよ!!」
監督「あんなコントロールも緩急も無い 組み立てじゃ、ストッパーとしては 使えないぞ!!」
監督「やる気がないならやめちまえ!!」
荻野「・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・」
荻野「終わった?」
監督「え?」
荻野「ちょっとタブレットで試合ふり返ろうか?」

〇黒背景
  萩野「相手チームの新球場だって聞いて行ったは良いけどさあ・・・」

〇美しい草原
  萩野「これ球場じゃなくね?」
  監督「元々ゴルフ場を球場にしたんだよ!」
  萩野「元々っていうか今もゴルフ場だろ」
  監督「オーナーが居抜きで球場にしたんだよ」
  萩野「居抜きにもほどがあるだろ」
  萩野「内野と外野のラインが分かんねーしよ」
  監督「同じ条件で試合してんだから、
  つべこべ言うな!」
  萩野「相手チームも戸惑ってたぞ?」
  監督「相手も初めてなんだから仕方ないだろうが!」
  萩野「ホームなのに戸惑ってる時点で
  球場として成立してねえだろ」
  監督「いちいちうるさいぞ!」
  監督「俺は、お前の試合に対する姿勢を
  怒ってんだよ!」
  萩野「あれじゃモチベーション上がんねえって」
  監督「何で上がらないんだ!?」
  荻野「先ず9回に俺がマウンドに上がった時よ・・・」
荻野「ストレート行くぞー」
キャッチャー山口「はい!」
キャッチャー山口「ナイスピッチ!」
  萩野「投球練習が終わって、試合開始を
  待ってたらよお」
荻野「あれ?審判は?」
キャッチャー山口「居ないっすねえ」
ショート増田「審判団、ティータイム中らしいです」
荻野「クリケットか!!!」
  監督「審判団だってティータイムしたい
  時くらいあるだろうが!!」
  監督「せっかくのどかな場所に来たんだから」
  萩野「それが1番モチベーション低いんだよ!」
  監督「あくまで試合を円滑に進めるためだろ!」
  萩野「真逆じゃねえか」
  萩野「ピッチクロック導入した意味が無いんだよ」
  萩野「しかもやっと審判が帰って来たと思ったらよお・・・・・・」
  萩野「あきらかに一杯やってるしよお」
  萩野「池ポチャしてる奴いるしよお」
  萩野「奇声発してるしよお」
  監督「あれは「ファー」って言ってんだよ!」
  萩野「いい加減な事言うな」
審判「セーフ!!」
  萩野「アウトだよ」

〇更衣室
監督「言いたい事は分かった」
荻野「まだ終わってねえよ」

〇美しい草原
審判「試合再開!!」
荻野「今の音は何だ?」
荻野「汚ねえぞ!」
  萩野「相手の攻撃になったらフェンスが
  狭くなるしよお」
荻野「仕方ねえ。投げるか」
荻野「しまった!!」

〇海辺
審判「バンカーだから・・・」
審判「ファール!」
荻野「何もかも分からねえよ!!」
荻野「助かったけどな!」

〇更衣室
監督「確かにフェアゾーンでも バンカーに落ちると ファールっていうのは、」
監督「俺も驚いたよ」
荻野「お前は知っとけよ」
監督「池ポチャは、全てホームランっていうのは 知ってたけど」
荻野「知ってんなら教えろよ。 何黙ってんだよ」
荻野「メジャーの変な形の球場なんて、 まだ可愛い方だわ」
監督「そうだな。まあ、とにかく今日の試合・・・」
荻野「まとめに入んな」
荻野「まだ終わってねえから」

〇見晴らしのいい公園
  萩野「相手のベンチ見たら、ピクニック気分だしよお」

〇美しい草原
敵チームの選手A「ターイム!!」
  萩野「グローブで口隠さずに話してるから
  まる聴こえだしよお」
敵チームの選手A「2アウト一三塁で、次4番だから歩かせても良いんだけどさ・・・」
敵チームの選手A「試合終わった後、どうする?」
敵チームの選手B「知り合いがこの近くで、 鉄板焼き屋オープンしたのよ」
敵チームの選手C「じゃあ、そこで打ち上げだな」
敵チームの選手A「よし!チャッチャと済まそうぜ!」
荻野「盗み聞きして損したわ!」
  萩野「極めつけはよお・・・・・・」
キャッチャー山口「萩野さん!」
荻野「どうした?」
キャッチャー山口「これ、向こうサイドに渡された プロテクターなんですけど・・・」
キャッチャー山口「触ってみてくれます?」
荻野「頑丈そうじゃん」
荻野「柔らかっ!!!」
キャッチャー山口「フワッフワなんすよ!」
荻野「なんか甘い香りするな・・・?」
荻野「ちょっとそのプロテクター食って良い?」
キャッチャー山口「え?プロテクターをですか?」
荻野「うん、ちょっと懐かしい香りがすんのよ」
キャッチャー山口「じゃあ、どうぞ」
荻野「やっぱり!」
  萩野「マシュマロで作ったプロテクター
  渡されるしよお」

〇更衣室
監督「ビジターの試合は理不尽がつきもんだ」
監督「そういう状況でも冷静にピッチングしないと 上には行けないぞ!」
荻野「三者凡退で終わらせたけどな」
監督「・・・・・・」
荻野「お前もしかして俺のピッチング 観てなかった?」
監督「そうそう、それでさあ・・・」
荻野「軽く流してんじゃねえよ!」
監督「試合前に球場のオーナーに挨拶行ったらさあ」
監督「すっごい気に入られちゃってさあ」
監督「今度オーナーと一緒にゴルフまわる事に なったんだよ!」
荻野「だから無理やり擁護してたのか?」
監督「そうそう。それでさあ・・・」
荻野「軽く流してんじゃねえよ!」
監督「オーナーさん、お前のファンらしいんだよ」
荻野「え?」
監督「どうだ?お前も一緒にゴルフ回らないか?」
監督「「八百長丸出し接待ゴルフ」しないか?」
荻野「イヤなタイトル付けんなよ」
監督「小遣いもらえるぞ」
荻野「・・・・・・」

〇大樹の下
  萩野「監督さん?」
  監督「何だい?」
  萩野「接待ゴルフの件・・・」
  萩野「くれぐれもチームメイトには、
  オフレコでね!」
  監督「了解でーす!」
  ────────おわり──────

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