ハチ公は見た

南実花

ハチ公は見た!(脚本)

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〇コンビニのレジ
コンビニ店員「いつもご利用ありがとうございます」
コンビニ店員「お弁当は温めますか?」
西野 なるみ「はい!お願いします」
コンビニ店員「いつも遅いですね、仕事ですか?」
西野 なるみ「はい、毎日残業です」
コンビニ店員「あっ、そうですか」
コンビニ店員「はい、こちら商品です」
コンビニ店員「帰り道はお気を付けて!またお越しください」

〇渋谷のスクランブル交差点
  ここで次のニュースです
  昨日午後11時頃
  五十嵐シズカさん23歳が何に者かに渋谷路上で殺害されました
  尚現在も犯人は捕まっていない模様
西野 なるみ「渋谷って・・ここじゃない・・・」

〇ハチ公前
忠犬ハチ公「我はハチ公なり 銅像であるが今は一人の娘を見守っておる」
忠犬ハチ公「その子はいつもこの夜空の中 必ずここを通って」
西野 なるみ「こんばんは」
忠犬ハチ公「と申してくる」
忠犬ハチ公「これに『こんばんは』と返すのが日々の生きがいである」
忠犬ハチ公「でも最近、不穏な風が流れてきた」
忠犬ハチ公「男の影である」
忠犬ハチ公「この娘が帰った後」
忠犬ハチ公「こうしてストーカーのように彼女を尾行する輩が現れた」
忠犬ハチ公「ちなみに私の推理では、この輩はニュースでやってた殺人鬼じゃないかと にらんでいる」
忠犬ハチ公「いつも挨拶をくれるあの子を助けたい!」
忠犬ハチ公「でもどうすれば?」

〇ハチ公前
忠犬ハチ公「ある日ついにあの男が娘に接触した」
ストーカー「あの、いつもハチ公に挨拶してる方ですよね」
西野 なるみ「はい、そうですけど」
ストーカー「あっ、怪しい者じゃないんです」
忠犬ハチ公「いや たいそう怪しいぞ!」
ストーカー「ただ僕の好きだった人もよくこのハチ公に話しかけてたから・・・」
西野 なるみ((好き”だった”?))
ストーカー「あ!あと、いつも見かけるのが夜の11時とかだから、どうしてなのかなと気になって」
西野 なるみ「毎日仕事が忙しくて・・・」
忠犬ハチ公「だからこんなに遅いのか」
ストーカー「え?僕もなんです!」
忠犬ハチ公「は?」
ストーカー「まぁ僕の場合は、要領が悪くて残業になっちゃうだけですが」
西野 なるみ「あはは!私たち残業仲間ですね」
忠犬ハチ公「仲間だと!? こやつはストーカーだ! 殺人鬼だ!」
忠犬ハチ公「頼む!逃げてくれ!危ないぞ! 殺人鬼!」
忠犬ハチ公「・・鬼!逃げ・・!」
西野 なるみ「ん?何か言いました?」
ストーカー「いえ何も?」
ストーカー「どうかしました?」
忠犬ハチ公「・・・!逃げれ!」
西野 なるみ「ほら!今!逃げれって?」
ストーカー「逃げれ?何から逃げるんですか?」
ストーカー「まさか僕から逃げるんですか?」
忠犬ハチ公「そやつは殺人鬼だから逃げろ!」
西野 なるみ「え?まさかこの人があのニュースの?」
忠犬ハチ公「伝わった!」
ストーカー「おーい!何で逃げるんですかー?」
ストーカー「あーあ!逃げられちゃった 帰るか・・・」
忠犬ハチ公「やはりこいつだったのか」
忠犬ハチ公「良かった、助けられたぞ!」

〇ハチ公前
  次の日
忠犬ハチ公「私は今度こそ この町の平和を守れたようだ!」
忠犬ハチ公「我ながら誇らしいぞ!」
忠犬ハチ公「・・・」
忠犬ハチ公「おや?」
忠犬ハチ公「昼間なのにどうして昨日の娘が?」
忠犬ハチ公「というか、目が合ってるような気がする」
  その時大型スクリーンでニュースが流れた
  今日 午後11時半頃
  西野なるみさん25歳が何者かに刺されたようです
忠犬ハチ公「え?」
西野 なるみ(喋った!?)
  女性は現在意識不明の重体です
忠犬ハチ公「どうして?私は確かに助けたはず!」
西野 なるみ(この声・・・もしかして!)
西野 なるみ「あなただったの?私に”逃げて”って言ってくれたのは」
忠犬ハチ公(どうして話せるのだ!? もしかして意識不明だから?)
西野 なるみ「私、あなたのおかげでね・・・」
忠犬ハチ公(私はもしかして怒られるのだろか?)
忠犬ハチ公(また、助けられなかったから・・・)
西野 なるみ「刺されはしたけど、急所は外れたみたい」
西野 なるみ「あの残業の人は犯人ではなかったんだけど、」
西野 なるみ「走っているうちに、たまたま本当の犯人と鉢合わせて」
西野 なるみ「刺されちゃったんだよね」
西野 なるみ「でも警戒して走ってたから、急所は免れたみたい!」
忠犬ハチ公「本当に?というか、あいつは犯人じゃないのか?」
西野 なるみ「うん!違ったみたい!」
忠犬ハチ公「そうなんだ、てっきりあいつが痴情のもつれで自分の彼女を殺めたのかと・・・」
西野 なるみ「え?なんの事?」
西野 なるみ「というか・・・」
西野 なるみ「それだと私を殺す理由はないんじゃない?」
忠犬ハチ公「あ!」
忠犬ハチ公「そうだったな」
西野 なるみ「でもなんでそう考えたの?」
忠犬ハチ公「実は前にもそなたみたいに私に話しかけてくれた人がいたんだ」
忠犬ハチ公「でも、その子は助けられなかった・・・」
西野 なるみ「それってもしかして!」
忠犬ハチ公「うむ!多分あの残業仲間男の彼女だと思う」
西野 なるみ「じゃあ あの人は心配して声をかけてくれたの?」
忠犬ハチ公「うん、そうだったのかもしれないな」
忠犬ハチ公「その子も、ここを通る度に”おはよう”とか”今日も寒いね”と話しかけてくれたものだ」
忠犬ハチ公「あっ!そういえば!」
忠犬ハチ公「いつも挨拶 礼を言うぞ!」
  その瞬間彼女の体が光出した
西野 なるみ「もうお別れの時間なのかな?」
忠犬ハチ公「え?待て!」
忠犬ハチ公「死なないよな?」
西野 なるみ「んー どうだろ?」
西野 なるみ「急所は外れたけど、出血が凄いみたいだから」
忠犬ハチ公「ダメだ!死んではダメだ!」
忠犬ハチ公「生きて、また私に挨拶しに来て欲しい!」
西野 なるみ「うん!約束は出来ないけど・・」
  そうして彼女は消えていった
忠犬ハチ公「お願いします。助かりますように!」

〇渋谷駅前
  速報です
  たった今渋谷路上で二人もの女性を刺した犯人が捕まりました
  犯人は近くのコンビニで働く
  剛太サトル28歳
  犯行動機は”結婚目前の彼女に振られた腹いせ”との事です
  そして意識不明の重体だった女性は
  今日午前10時頃
  無事 意識を取り戻した様です
  〜Fin〜

コメント

  • 無事意識が戻ってくれてよかった!って思いました!
    ハチ公目線のお話がとてもおもしろかったです。
    そんなふうに彼はずっと人たちを見てるんだろうなぁって。

  • 何気ない世間話が引き金になることもあって、怖くて、危険と隣り合わせ、でも、集まる街の魅力は何でしょうと考えさせられました。感謝。

  • 最後のライターさんのコメントに思わずにっこりしてしまいました😊笑
    最初のが伏線だったんだなぁと思いつつ、無事に助かってくれて良かったです🥲✨

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