1日遅れのプレゼント

ゆたぷきん

1日遅れのプレゼント(脚本)

1日遅れのプレゼント

ゆたぷきん

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〇駅のホーム
幸子「最悪・・・! 終電、行っちゃった・・・!」
幸子「あーあ、どうしよう」
  ドン!!!!
幸子「きゃっ!」
???「わあ!」
???「ご、ごめんなさい!」
幸子「私の方こそ、ごめんね ボク、大丈夫?」
???「うん」
幸子「良かった・・・」
幸子「って、ボク、こんな時間に何してるの!? お父さんやお母さんは?」
???「僕、一人だよ お母さんを迎えに来たんだ」
幸子「こんな夜中に、子供一人で・・・!?」
幸子「ホームには私たち以外誰もいないし・・・」
???「お母さん、どうしたんだろ?」
???「・・・まあ、平気、平気! 家に帰って、待つことにするよ」
幸子「・・・おうちは遠いの? お姉さんが送ってあげようか?」
???「・・・いいの!?」
幸子「どっちみち始発まで時間を潰さないといけないしね」
???「ありがとう、お姉さん、優しいね!」
幸子「僕、名前は?」
参太「黒須 参太(くろす さんた)」
幸子「え!?」
参太「・・・変でしょ? ふざけてつけた名前なんだ」
幸子(た、確かにちょっと変わってるけど・・・)
幸子「・・・夢のある、素敵な名前だと思うよ」
参太「・・・ありがと!」

〇線路沿いの道
参太「お姉さんは、こんなに遅くまで、お仕事?」
幸子「そうだよ 毎日、遅くまで仕事してるんだ 今日みたいに終電逃すのもしょっちゅう」
参太「大変だね 今日はクリスマスなのに」
幸子「ホント、嫌になっちゃうよ! 残業代出ないし!」
幸子「仕事にやりがいがあるわけでもないし!!」
幸子「あー!!! さっさといい人見つけて、仕事辞めたい!」
参太「そ、そうなんだ」
幸子「だけど出会いが・・・ まっっったく無い!!!」
参太「へ、へえ・・・」
幸子「少しでもいいかな?と思う人は結婚してるし!」
幸子「ホント、学生時代に彼氏作っとくんだったよ!」
幸子「・・・って、あれ?」
参太「どうかした?」
幸子「なんかさっき、クリスマスとかなんとか聞こえた気がしたんだけど・・・」
参太「今日はクリスマスでしょ?」
幸子「・・・今の今まで忘れてた」
参太「ホントに!?」
幸子「仕事をこなすのに精一杯で・・・」
参太「・・・だんだんお姉さんが可哀想になってきちゃったよ」
参太「そうだ!」
参太「なにかひとつ、僕が願い事を叶えてあげようか?」
幸子「え?」
参太「僕、魔法が使えるんだ」
参太「その気になれば、なんでも叶えられるんだよ」
幸子「・・・そうなの?」
参太「ほら、今日はクリスマスで・・・ 僕の名前はサンタだし!」
幸子(魔法だなんて・・・可愛いなあ! ここはひとつ、話をあわせてあげるか)
幸子「じゃあ、ひとつ、お願いしてみようかな!」
参太「うんうん! なにがいい?」
幸子「じゃあ・・・」
幸子「『新しい出会いがありますように!』」
参太「『新しい出会い』・・・?」
幸子「やっぱり、出会わないことにはなにも始まらないからね〜!」
参太「・・・オッケー!」
参太「じゃあ僕がお姉さんに『新しい出会い』をプレゼントするね!」
幸子「ふふ、期待して待ってるね!」

〇線路沿いの道
幸子「昨日はいつの間にか寝落ちしてた・・・」
幸子「このままじゃ完全に遅刻だ!」
  ドン!!!!
幸子「きゃあ!」
???「おっと! 大丈夫ですか?」
幸子「ごめんなさい! 全然前を見ていなくて・・・!」
???「いえ、こちらこそすみませんでした」
幸子(何この人・・・すっごいイケメン!!)
???「・・・今日は良い日になりそうだな」
幸子「え?」
???「あなたのような素敵な方に出会えるなんて」
幸子「は、はい〜〜〜!?!?!?」
幸子(え、え!? これってもしかして・・・)
幸子(『新しい出会い』!?)
幸子(あの男の子・・・ホントに魔法が使えたの!?)
???「すみません いきなりこんなことを言い出して、失礼ですよね・・・」
幸子「いえいえいえいえ!!」
幸子(もし魔法が本当なら・・・ このチャンス、逃す手はない!! ええい!!)
幸子「あの!」
???「はい?」
幸子「もし良かったら・・・」
幸子「連絡先、交換させてもらえたりなんかしませんでしょうか!?!?」
???「え?」
幸子「あああ、すみませんすみません・・・! 忘れてください!」
???「・・・もちろんいいですよ。 こちらこそ、お願いしたいくらいです」
幸子「い、いいんですか!?」
???「はい、ぜひ」
幸子(やったあああ!! きっとあの子、本当にサンタだったんだ!!)
幸子(1日遅れのクリスマスプレゼントってわけね!)
???「これ、私の名刺です」
幸子「うわあ、ありがとうございます!」
幸子「って、あれ?」
???「どうかされましたか?」
幸子「いえ、この名刺・・・」
幸子「『悪魔』としか書かれていなくて・・・」
悪魔「書いてある通りですよ」
悪魔「私、悪魔なんです」
幸子「・・・はい?」
悪魔「あまり長引かせるのは私の趣味ではないので・・・」
悪魔「早速、魂、いただきますね」
幸子「いや、あの、ちょっと待って・・・!?」
  ザシュッ!!

〇線路沿いの道
参太「よ、ちゃんと狩れたか?」
悪魔「先輩!」
悪魔「お陰様で、魂ゲットできました!」
参太「そりゃよかった」
参太「優しい先輩から後輩へ、1日遅れのクリスマスプレゼントだ」
参太「お前、仕事できないからな〜」
悪魔「・・・面目ないです」
参太「そもそもイケメンてのが今時流行らないんだよ」
参太「純粋そうな子供の方がよっぽど人間を騙しやすいぞ?」
悪魔「はあ・・・勉強になります」
参太「それで? お前、彼女にちゃんと説明してやったのか?」
悪魔「え?」
参太「昨夜、働きすぎてふらついて、 線路に落ちた挙句、 電車に撥ねられて死んじまったこととか」
参太「その後、ついうっかり悪魔に願い事しちゃってることとか」
参太「願い事が叶ったら、悪魔に魂狩られて地獄に落ちることとか」
悪魔「・・・改めて聞くと、彼女、めっちゃ可哀想ですね」
参太「はあ!?」
参太「自分の状況を思い知らされて、絶望に落ちていく顔をちゃんと楽しめよ!」
参太「それでこそ、悪魔だろ!」
悪魔「・・・すみません」
参太「ったく・・・まあいいや」
参太「とっとと次の獲物、見つけに行こうぜ」
参太「俺たち悪魔は、いくら働いたって、死んじまうことはないんだからさ!」

コメント

  • もうすでに死んでいたということに、彼女自身は気づいてなかったんですね。
    でもすごいどんでん返しでおもしろかったです。
    子どもの方が上司(?)とはびっくりしました!

  • 良い意味で裏切られました。
    どんでん返し好きです。

  • ぜ、全然ハートフルじゃなかった…
    星新一的な悪魔が面白かったです!

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