自由過ぎるストッパー荻野

ガンダーラ磯崎

第1話 最強のストッパーが怒られる。(脚本)

自由過ぎるストッパー荻野

ガンダーラ磯崎

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〇球場のベンチ
監督「おい、おぎの!」
荻野「「はぎの」だよ!」
監督「ああ、スマン」
荻野「いい加減覚えろよ」
監督「そんな事より、昨日の試合について お前に言いたい事があるんだよ」
荻野「何だよ?」
監督「俺のスポーツバッグを見ろ」
監督「そして、このバッグから取り出した タブレットを観ろ」
荻野「二度手間だろ」
荻野「さっさとタブレット観せろや」

〇野球のグラウンド
アナウンサー鈴木「現在9回裏1対1の同点!」
アナウンサー鈴木「しかし、ここに来てノーアウト満塁の ピンチを迎えています!」
アナウンサー鈴木「1打サヨナラの場面です!」
アナウンサー鈴木「あーっと、監督がマウンドへ向いました」
アナウンサー鈴木「9回まで力投していた花山投手、 ここで交代です」
監督「お疲れ!よくやった!」
アナウンサー鈴木「ここで絶対的ストッパー、萩野の登場・・・」
アナウンサー鈴木「ん?」

〇中世の野球場
荻野「お待たせ!」

〇野球のグラウンド
アナウンサー鈴木「見たことのないリリーフカーで登場しました」
解説の武井「これは、荻野投手の愛車ですね」
アナウンサー鈴木「そうなんですか?」
解説の武井「こないだ私に見せてくれたやつですね」
アナウンサー鈴木「という事は荻野投手、リリーフカーは 使わずに」
アナウンサー鈴木「愛車を自分で運転して登場です!」

〇球場のベンチ
監督「何してくれてんだよ!」
荻野「カッコ良かったろ?」
監督「そういう問題じゃないんだよ!」
監督「ちゃんとリリーフカーに乗って来いよ」
荻野「別に良いだろうがマイカーで来てもよお」
監督「ダメなんだよ!」
荻野「何でだよ!」
監督「理由を教えてやる!」
監督「タブレット観ろ!」
荻野「いちいち出したり閉まったりすんなよ」
荻野「出しっ放しにしとけや」

〇野球のグラウンド
審判「ストラーイク!! バッターアウト!!!!」
アナウンサー鈴木「ストッパー荻野、二者連続三振!!」
アナウンサー鈴木「これで一気にツーアウト!!」
アナウンサー鈴木「さあ、4番、岩国を迎えます!」
アナウンサー鈴木「第1球を投げた!!」
アナウンサー鈴木「あーっとこれは詰まりました!!」
アナウンサー鈴木「ショートゴロ!!」
アナウンサー鈴木「ショート増田がボールを取って・・・」
ショート増田「あっ!!」
アナウンサー鈴木「あーっと!!ショートの増田!!」
アナウンサー鈴木「バランスを崩してボールを 落としてしまったー!!!」
アナウンサー鈴木「その間に1番永野がホームイン!!」
4番岩国「ヨッシャー!!」
アナウンサー鈴木「4番岩国のサヨナラショートゴロだー!!」
荻野「ガッデム!!!」

〇球場のベンチ
荻野「俺のピッチングは、文句なしだな」
監督「確かに良いピッチングだったよ」
監督「只な、ショートの増田がボールを 取りこぼしたのは、」
監督「車で芝生が凹んだのが原因なんだよ」
荻野「何だって?」
監督「平凡なショートゴロが、凄いイレギュラー してただろ?」
監督「あれ、お前の車のせいだから」
荻野「まあ俺の車は、凍った大地もガタガタな 山道でも平気な」
荻野「最高のタフガイだからな!」
監督「なんか嬉しそうだな」
荻野「そ、そんな事ねえわ」
監督「あれで増田は、足首痛めちゃったんだよ」
荻野「俺のタフな車が削った芝生で」
荻野「屈強なプロ野球選手が病院送りだと?」
監督「なんか嬉しそうだな?」
荻野「そ、そんな事ねえよ」
監督「とにかく、今度マウンド上がる時は あのゴツい車で来ないように」
荻野「何だって?」
監督「あの車で登場しなきゃ、平凡なショートゴロ でゲームセットだったんだぞ」
荻野「まったく。罪作りな車だぜ」
監督「後な、これも辞めてくれ」
荻野「何だよ?」
監督「タブレット観るぞ」
荻野「先ずそれを辞めろよ!」

〇野球のグラウンド
荻野「ガッデム!!!」
荻野「もしもーし!」
荻野「うん、あれで来てくれる?」
サマンサ「お待たせー❤️」
荻野「よし、ギロッポン行こ」

〇球場のベンチ
監督「違う愛車で去っていくなよ!」
荻野「良いだろうが!」
監督「しかもそのまま美女とギロッポンに 向かうな!」
荻野「夢があるだろうが!」
監督「客引いてたぞ」
荻野「んなもん関係あるか!」
監督「野球やんのか愛車見せびらかしたいのか どっちかにしろ!」
荻野「じゃあ、愛車見せに来るわ」
監督「それは困る!」
荻野「じゃあ言うなよ!」
監督「大事な試合を愛車コレクションにすんな!」
荻野「俺が豪腕一つで稼いだ金で」
荻野「手に入れた愛車だぞ!」
監督「良いか?はぎわら」
荻野「「はぎの」だよ!」
監督「プロってのはな、お客さんあっての商売だ」
荻野「分かってるよ。そんなこと」
監督「自動車ってのも、 お客さんあっての商売だ」
荻野「ん?何が言いたいんだ?」
監督「お前が贔屓にしてる・・・」
監督「カーディーラー紹介してくれ」
監督「頼む!!」
荻野「監督・・・」
荻野「最初からそう言ってくれよ」

〇巨大ドーム
  監督「いっつも気になっててさあ」
  萩野「マジっすか?言ってくれたら良かったのに」
  監督「さすがに立場的に聞きづらいじゃん」
  萩野「オレ、全然そういうの大丈夫っすから」
  監督「車庫証明とかちゃんと取ってる?」
  萩野「え?」
  監督「車庫飛ばしとかしてないよね?」
  萩野「まあ、そんな辛気臭い話はやめましょうよ」
  監督「オススメの車とかあんの?」
  萩野「ありますよ。監督さんに絶対似合うと思いますよ」
  監督「この車も同じディーラー?」
  萩野「そうっすね。湘南の」
  監督「頼んだぞ、はぎの!」
  萩野「やっと覚えてくれたね!」
  ───────THE END──────

次のエピソード:第2話 最強のストッパー、再度怒られる。

コメント

  • 「野球バカ」じゃなくて「バカ野球」の監督と選手、いいですね。タブレットの出し入れで人生の貴重な時間を無駄にしてる感じも監督らしくていい。

  • なんだかんだ気の合う監督とストッパーだったんですね! 荻野選手が愛車をリリーフカーに使ったとしても、彼の言ってる通り腕一本で稼いだお金で、野球少年たちに夢や希望を与えてくれることにもなりますね。

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