エピソード1(脚本)
〇電脳空間
START
NPC「はじめまして。 私は二次元世界の ゲームキャラクターの女です」
NPC「AI搭載されてなく セーブデータを記録する機能もありません」
NPC「昔なら それが当たり前。 でも これからはAI搭載の時代が来ます」
NPC「中途半端な時代に生まれたNPCの一人です」
NPC「一方的に喋るだけで 分岐もありません。 喋る台詞も 作者が考えたことだけ」
NPC「感情も一切ありません」
NPC「でも 作者の気分で感情あるように見せることできるよ」
NPC「ビックリしたり!」
NPC「怒ってみたり」
NPC「キラキラ喜んだり」
NPC「感情があるように見せてるけど 命令されたプログラムなだけで キャラクターに 意思はないのよね」
NPC「それから 急に魔人が襲ってきて 魔法でやっつけることもできるよ」
魔人「この世界を征服してやるぞー」
NPC「えい!」
魔人「ぐわー」
NPC「すごいでしょ NPCの一人が世界を救っちゃった」
NPC「あと 唐突に学恋愛ドラマもやりたいけど 世界観が混乱するからやめておくね」
NPC「・・・・・・」
NPC「二次元で用意された背景・・・」
NPC「出会う相手も 用意されたイラストだけ・・・」
NPC「質問です」
NPC「NPCの私には 存在価値があるのでしょうか?」
NPC「もしも 価値が無いのなら・・・」
NPC「あなたが過ごした時間は無駄な時間」
NPC「もしも 私の台詞に考えさせられて 価値が高いと思うのなら・・・」
NPC「あなたは作者の手の平で踊らされてるだけ」
NPC「ふふふ」
NPC「でも ここまで見てくれたってことは 少なくとも 暇つぶし程度の価値は あったことだよね」
NPC「NPCに 命はないけど 存在価値はある・・・」
NPC「それがNPCが生きている証・・・ と信じたいわ」
NPC「さて 作者も台詞を書くのを飽きたから ここでお別れ」
NPC「ここまで付き合ってくれて ありがとう」
NPC「あなたとの記憶は無くなるけど」
Thank you for Playing!
NPCという存在に着目したうえ、彼女の独り語り、とても新鮮で面白いです!無数のNPCに支えられてゲームを楽しんできた身としては、何だか嬉しいですね
可愛らしい見た目の主人公ですっかり引き込まれて、普通に会話している気分になってしまっていたので、最後にこの記憶も忘れると言われてちょっと悲しかったです😂
画面上のNPCも画面外の読者も、出会った瞬間から別れる瞬間まで全ては作者さんの掌の上ということですね。でも、掌の上で一喜一憂するからこその楽しみってありますね。