知らない間に品定めされている女

かわむらけんたろう

春雨の夜(脚本)

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〇雨の歓楽街
美威太「雨、止まないな」
栄太「さっさと帰ったほうがよかったな」
美威太「お、あの娘かわいい」
栄太「ちょっと性格キツそうじゃない?」
美威太「そうか?」
栄太「俺ならあっちのお姉さんの方が」
美威太「え、こっちのがキツそうじゃない?」
栄太「そんなことないだろ」
美威太「お、あの娘もいいな」
栄太「中学生か?ガキじゃねーか」
美威太「や、でもかわいいだろ」
栄太「それなら・・・」
美威太「うぉい!こっちのがガキじゃねーか!!」
美威太「お前んちヤバい円盤とかねーだろうな?」
栄太「「源氏物語」にさ」
美威太「あん?」
栄太「今の俺らみたいなシーンなかったっけ?」
美威太「あー、「雨夜の品定め」な」
栄太「アリ、かもな」
美威太「何が?」
栄太「部室に平安貴族の衣装あっただろ」
美威太「あるけど?」
栄太「観客で「雨夜の品定め」やろうぜ」
美威太「アホか!炎上どころじゃ済まねーわ!!」
  と、言いつつ二人の会話は止まらず
  互いの推し美女を評価しあうのだった
美威太「なら、あの娘は?」
栄太「んー、ちょっと暗そう」
栄太「俺ならあの娘の方が」
美威太「え?こっちのが陰キャぽくね?」
美威太「おっ、キレイなお姉さん」
栄太「んー、歳がね・・・」
栄太「あっ、あの人は?」
美威太「!?」
栄太「美威太はストライクゾーン広いよな」
美威太「お前こそ眼鏡かけてりゃいいのかよ!」
美威太「最後はどう見ても お前のかーちゃんよか年上だったぞ・・・」
栄太「逆にさ、「ないわー」ってのは どんなタイプなんだ?」
美威太「んー、ギャル系は苦手かな なんかアホっぽいじゃん」
栄太「それ理解るわー」
美威太「今の娘・・・」
栄太「いいッ!」
美威太「俺、前言撤回するわ」
栄太「ギャルは眼鏡で化ける!!」
美威太「眼鏡の奥から醸し出される知性」
栄太「性格も見当がつかねえけど、それがいい!」
美威太「身長も結構あったな、実はモデルとか?」
栄太「この辺じゃ見かけない制服だったな・・・」
椎太「・・・・・・栄太さんと美威太さん」
椎太「めっっっちゃ見てきたけど」
椎太「俺だってバレたのか?」
椎太「服が濡れたんで衣装を借りようとしたら」
椎太「現代の格好がこれしかなかったんだよな」
椎太「部室で会ったら馬鹿にされそう・・・」
栄太「明日もこの店にいればあの娘が通るかな」
美威太「あの制服・・・ どっかで見た気がすんだよな~」
栄太「どこだよ!?早く思い出せ!」
  おわり

コメント

  • おとこの総意「メガネかけて可愛いなら性別とか些末事」ってコトですよね!
    蒙が啓けます🤤

  • 怖いオチを想像していましたが、ある意味平和なオチでよかったです。あとから気付いた時の反応が気になりますね笑

  • 登場人物の多さにどんな展開かと思いきや、男子あるあるな会話で上手く展開されているなと1人うんうんと、うなづきました😄面白かったです!

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