読切(脚本)
〇高級住宅街
天気がめっちゃ悪いある日──
宙野 響「うわ! 雨と雷やば・・・」
宙野 響「でも、こーいう天気の時って何か変にテンション上がるんだよね!!」
宙野 響「中二病の血が騒ぐわ~」
宙野 響「よし、誰もいない、よね?」
宙野 響「おっ!? このマンホール魔方陣っぽくない!?」
宙野 響「いーねぇ!! 雰囲気でるわ~。 こうしてマンホールに立ってっ、と」
宙野 響「──遂にこの時がきたか・・・ 世界はあたしが救ってみせる!! みんな、ここはあたしに任せて 先に行け──!!」
宙野 響「なーんっって!! 一度言ってみたかったんだよね」
宙野 響「──ふっ。 決まった・・・!!」
宙野 響「ははは、っえ、なに── うわっ──」
〇謁見の間
世界を救って欲しそうな異世界
王様「異世界の聖女よ・・・ どうか、この世界を救ってくれ・・・」
宙野 響「──おうわっ!?」
宙野 響「え、ここどこ・・・」
王様「まさか、異世界の──!?」
宙野 響「ん?異世界??」
宙野 響「えっ!?まさかの異世界転移!?」
王様「祈りが届いた!! 召還は成功したぞ!!」
側近「まさか伝承通りに召還できるとは・・・」
宙野 響「ん!? 今、聖女って言った・・・!?」
宙野 響「え~っと、勇者、でなく?」
王様「ああ!! 治癒の力を使って世界を救って欲しい!!」
側近「お願いいたします。聖女様」
宙野 響「要するに回復役ってことか・・・ あたし、回復ポジ嫌いなんだよね・・・」
宙野 響「しかもキャラが何かイケメンじゃない? あたし、乙女ゲームよりRPG派だし」
宙野 響「あたしがやりたいのは勇者であって、伝説の剣とか引っこ抜いて戦いたいわけ。ちまちま回復役なんかやってられっか!!」
宙野 響「う~ん。ファンタジー違い!!」
宙野 響「間違えました!!一旦帰ります!!」
王様「待てまて!! 間違ってなどいない!!なぜ帰ろうとする!?」
宙野 響「いや、何か来たかった世界と違う予感がしたから・・・」
宙野 響「あたしに回復ポジは向いてない。他を当たってほしい」
王様「世界の危機なんだ!! 何でもする!!頼むから力を貸して欲しい!!」
宙野 響「だって剣振り回して戦えないでしょ?」
王様「許可する!!何なら私の家宝の剣も持って行って良い!!」
側近「いやそれは駄目では・・・」
宙野 響「伝説の剣じゃない・・・」
王様「王家に古くから伝わっているのである意味伝説級だ!!台座に差して格好良く抜く演出も付けよう!!」
側近「いや何ですかそれ。意味が分からない・・・」
宙野 響「・・・何か、やたら話が分かる人だけど、この人大丈夫?」
側近「ちょっと大丈夫じゃないですね」
王様「大丈夫じゃないって何だ!!」
宙野 響「う~ん。そこまでお膳立てしてくれるなら やってみっかな!!」
王様「おお。話が早い!! これからよろしく頼む!!」
側近「・・・大丈夫ですかね」
そんなこんなで王家の剣を振り回す
異端の聖女?が爆誕したのであった