時をかける一家

makihide00

時をかける一家(脚本)

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時をかける一家
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〇シックなリビング
「ただいまー!」
ヒロト「あ、おかえり・・・ また未来に行ってたの?」
父「おお、かわいかったぞ〜、 3歳のタケル!」
母「ママね、「若ばあば」なんて 呼ばれちゃって!」
父「孫はいいもんだなぁ・・・ 早く現代でも会いたいよ」
ヒロト「そう・・・」
  22XX年、一家に一台
  タイムマシンの時代が到来し、
  人類はこぞって
  時間旅行を楽しむようになっていた。
ヒロト「でもさ、いつも急におしかけて、 未来のオレたちは迷惑してないの?」
父「いや、迷惑どころか、 パパ同士すっかり意気投合してな!」
ヒロト「・・・そりゃ、自分同士だからね」
母「ママも未来のママと 思い出話に花咲かせちゃって!」
ヒロト「・・・そりゃ、自分同士だからね」
父「なんだ?ヒロトは 未来に興味ないのか?」
父「まだ一緒に行ったことないよな、未来?」
ヒロト「・・・興味ないわけじゃないけど、 なんだか先に自分の未来を知るのも 味気ない気がしてさ」
母「そう?楽しいわよ、未来」
母「サキちゃん、ママになっても 相変わらず美人よ〜」
ヒロト「だから言わないでよ! サキと結婚してるってこと!」
母「アハハ、ごめんごめん」
父「・・・で、だな」
父「今日は、実は スペシャルゲストが来てま〜す!」
ヒロト「・・・スペシャルゲスト?」
母「紹介します! 未来のパパとママで〜す!」
ヒロト「はぁ!?」
未来の父「どうも〜、来ちゃいました〜!」
未来の母「わぁ!ヒロ君若〜い! こんな頃もあったわねぇ・・・」
ヒロト「は、はじめまして・・・」
ヒロト「いや、違うか・・・」
未来の父「いや〜、懐かしいな、この家! 当時の月給じゃ これが精一杯だったな〜」
父「・・・悪かったね、安月給で」
「・・・」
「ガーハッハッハッ!!」
未来の母「過去はいいわねぇ、みんな若くて・・・」
母「いや、私は未来の私が思ったより 老けてなくて安心したわよ・・・ 今やってるエアロビクスのおかげね!」
「・・・」
「オーホッホッホッ!!」
ヒロト「・・・不気味だ、不気味すぎる」
未来の父「本当は、未来のお前も 誘ったんだがな・・・ 「行きたくない」って言われて」
ヒロト(よかった・・・未来のオレ、 まだまともみたいだ・・・)
未来の母「サキさんも「用事がある」 なんて言って・・・」
未来の母「あ、そういえば サキさんとは今どうなの?」
未来の父「まだツキ合って少し経ったくらいか?」
ヒロト「・・・いや、それがさ」
ヒロト「さっきメッセージが来て・・・」
ヒロト「「別れよう」って・・・」
「ええええええええええっっっ!!!!」
母「ウソでしょ、ヒロ君! ウソだと言って・・・!」
父「おい、そんなことになったら・・・ 未来が変わるぞ!?」
未来の父「タケル・・・」
未来の父「孫の、タケル、が・・・」
「ああっ!パパしっかり!」
父「ヒロト!なんとかしろ! 未来を救えるのは、お前しかいない!」
ヒロト「そんなヒーローものみたいな セリフ言われても・・・!」
ヒロト「・・・オレにも、理由がわからないんだ」
ヒロト「なんの脈絡もなく、急に・・・」
未来の父「・・・」
未来の父「み・・・みろ・・・」
未来の母「写真のタケルが 半透明になってる・・・!」
未来の父「タケルーーーーーッ!!」
未来の母「いやぁぁぁっ!! 未来に、未来に帰りたくない・・・!!」
ヒロト(・・・なんでだ?サキのヤツ、 どうして急に別れようなんて・・・!?)

〇可愛い部屋
サキ「・・・」
サキ「返信ないなー」
サキ「・・・よかったんだよね?これで」
未来のサキ「ええ・・・とにかくひどいのよ、 向こうの家の干渉が・・・」
未来のサキ「・・・過去からもね」

コメント

  • 思い描いていたタイムマシーンとは程遠い少し悲しい時空旅行という印象でした。失敗も沢山するけど、やっぱり人生は一発勝負がいいですね!

  • 最後のオチが秀逸ですね。どの家にもタイムマシーンがあるわけだから、こうなりますよね。未来がわかっても必ずしも物事がうまくいくわけじゃない。むしろ未来から現在が影響を受けちゃうんだから、まさに本末転倒ですね。タケルはどこから来てどこに行くのか・・・。

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