魔性な女

ルーデンス

危機一髪(脚本)

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〇断崖絶壁
浅沼寛「観念しろ如月セレナ」
  突然、私の背後から聞き覚えのある声が響く、後ろを振り返ると浅沼寛だった。私は心の中で舌打ちした・・・何てしつこいの
如月セレナ「邪魔しないで頂戴・・・寛」
浅沼寛「そうはゆくか・・・セレナ。君を何年探したと思ってるんだ」
如月セレナ「でもどうして?・・・ここが」
浅沼寛「茶髪の美人がお金持ちの男を引っ掛けている情報をたどればな・・・こんな海岸で何をするつもりだ?」
  私は自分の間抜けさを悔やんだが、今は何とか寛を振り切らなきゃと気持ちを切り替えた
如月セレナ「そ、そうかぁ・・・教えてくれてありがとう寛・・・あなたっていい人ね」
浅沼寛「さぁ、早くお縄を頂戴しろセレナ」
如月セレナ「お願いよ寛見逃してくれないかしら」
浅沼寛「そ、そんな事出来ない」
如月セレナ「どうしても私を逮捕するの?」
浅沼寛「と、兎に角警察に来てくれ」
如月セレナ「あっそう・・・でもそんな手間は不要よ私は今から飛び降り自殺するから」
浅沼寛「ま、待て自殺するなんて・・・良かったら訳を聞こうじゃないかセレナ」
如月セレナ「ありがとう寛・・・できれば、初心な頃に寛と出会いたかったわ私」
浅沼寛「騙されないぞ・・・本官は単に結婚詐欺師であるセレナを逮捕したいだけだ」
如月セレナ「分かったわ、でもここじゃぁ何だからbarに行かない?・・・二人で」
浅沼寛「ほ、本官をたぶらかそうとしてもそうは行くか」
如月セレナ「たぶらかしはしないわよ・・・ね、行こうよここ寒いし」
浅沼寛「な、何をする・・・本官の腕を引っ張るな」
如月セレナ「寛って優しいけど本当融通が利かないんだから」
浅沼寛「わ、わかったよそれじゃぁ、手錠をかけて行こう」
如月セレナ「手錠をかけられてbarに行こうですって!そんな趣味はないわ私」
浅沼寛「その手で100人の男を手玉にとって・・・美人は得だよなぁ」
如月セレナ「ありがとう嬉しいわ・・・でも美人が得って嘘よ近寄って来るのはみんな禄でもない男ばかり」
岩崎竜二「ろくでもない男で悪かったな」
  今日は厄日だった事を私は思い知らされた
如月セレナ(な、何で岩崎が・・・)
岩崎竜二「さっ、奪った俺の金を返してもらおう」
如月セレナ「な、何のことかしら?竜二」
  岩崎は無言のまま私に銃を向けてきた・・・ヤバイ本気だ
如月セレナ「仮想通貨の話・・・騙して悪かったわ」
浅沼寛「チョット待った」
岩崎竜二「誰だ?」
浅沼寛「警視庁の刑事・・・浅沼だ拳銃を渡してもらおう」
岩崎竜二「嫌だね・・・さぁ、出してもらおうかセレナ」
如月セレナ「あぁ、竜二に騙された女の子に返したかったのになぁ、そのお金で」
岩崎竜二「邪魔したな刑事さん」
浅沼寛「待て、証拠物件をおいて行け」
岩崎竜二「うるせぇ!」
  竜二の弾が浅沼の胸に当たるが怯まず寛はパンチを竜二に浴びせた
  そして私の前で竜二と寛は取っ組み合いを始め私はそっと現金が入ったボストンバッグを拾いその場を離れた
如月セレナ「バイバイ」

コメント

  • 「チョット待った」ってのが、崖の上のねるとんパーティ(古い)みたいで面白かったです!!
    次々と騙された男たちが現れ、求愛でなく抗議すれば、どんだけ騙しとんねん!
    と面白いなぁと妄想してしまいました💦 
    アイデアが面白いので、また機会があれば何か書いて下さい🙇

  • 魔性の女=悪い女というイメージを払拭させてくれるようなお話でした。本来そう言われるような女性自身、あまり意識していないのかもしれませんね。巻き込まれてしまう人のせいでもあるのかも。

  • 男と男の喧嘩が始まったら女には出る幕がないから、それを逆手にとったセレナの一人勝ちですね。魔性の女というのは男をたぶらかす女であると同時に、降って湧いたチャンスを逃さず掴む女でもあるのかも。勉強になりました。

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