〇湖畔
　　誰かが、不幸を願ってコインを投げた
　　不法投棄はんたーい
　　地上を見ると、誰かが泉の畔で項垂れている
　　あの子は、誰の不幸を願ったのかな？
迷い子「ハハッ、、、ワタシ、何やってるんだろう」
　　何をやってるの～？
迷い子「ッ誰!?」
イズミ「ザバーん、迷える子羊ちゃん♪」
　　・・・・・・ッ！
　　ひ、人が水の中から!?
イズミ「人じゃないよ、人外やよ」
　　・・・・・・
迷い子「あ、アナタが願いを叶える女神、、、様？」
イズミ「違う、悪────」
イズミ「似たようなもの～」
迷い子「ほ、ほんと────」
イズミ「さぁ、他人100人と、知人10人どっち殺す！」
迷い子「、、、え？」
イズミ「嫌だなぁ、何の代償もなく願いなんて叶えられいぞ！」
　　見知らぬ100人か、知り合い10人を、、、
迷い子「、、、殺す？」
イズミ「うんうん、そしたら願いを叶えるよ。 人を不幸にして、自分が幸せになるの！」
イズミ「ノーリスク、ハイリターンだね！」
　　悪意が感じられない。
　　まさか、本気で言ってるの？
迷い子「、、、、、」
迷い子「でも、人でなしなら」
イズミ「人間じゃないよ、こわ～い────」
迷い子「私、死にたいんです」
イズミ「え、死にたい？」
イズミ「え、何で。人間は幸せを望むものでしょ？」
　　見知らぬ誰かを不幸にするアナタも、そう言うんですね
迷い子「、、、やっぱり、それが普通ですか？」
イズミ「まぁ、普通じゃないよね？」
迷い子「・・・・・・普通、普通って」
迷い子「普通って、何なんですか！」
イズミ「、、、、あぁ」
イズミ「君は、普通じゃないのか！」
迷い子「ッ────」
イズミ「でもさぁ、普通ってただの大多数意見だよ？ そんな理由で死ぬ必要ないよ？」
迷い子「、、、う」
迷い子「うるさいな！　分かってるよ、そんなこと！」
迷い子「でも、私は普通じゃなきゃ、生きられない。 けど、普通が分かんない！」
迷い子「だから、死にたいの！　消えたいの！」
迷い子「それすらも、否定するなら、 私、私は、どうすればいいのさ！」
イズミ「え、生きればよいよ？」
迷い子「どうやって、普通になれないのに！」
イズミ「アナタだって普通だよ。 他の人間と同じように悩んで、苦しんでる」
迷い子「普通だから、生きろって!?」
迷い子「こんな、苦しいのが普通なら、やっぱり私は、生きていけない！」
イズミ「そっか、、、」
イズミ「なら、明日殺してあげる」
迷い子「、、、出来れば楽に死にたい」
イズミ「りょか！」
　　次の日
迷い子「殺して」
イズミ「あ、明日来て」
迷い子「、、、わ、かった」
イズミ「また、明日」
イズミ「明日」
イズミ「今日は、気分が乗らない」
　　──────────何日たっただろう？
イズミ「いい顔になったね」
イズミ「君の本当の願いを聞こうか」
　　私は誰かの幸せを、願うことにした