断罪(脚本)
〇教室
「厳正なる審査の結果
貴女が殺されることが決定しました」
片瀬いのり「いきなり現れたかと思ったら 何を言っているの?」
片瀬いのり「殺されるって、私が?」
審査官「はい、私は死神の審査官」
審査官「私達の厳正なる審査の結果、 貴女が殺されることになったのです」
審査官「では、なにか言い残す事はありますか?」
片瀬いのり「ちょ、ちょっと待って」
片瀬いのり「なんで私が死ぬ前提で進めてんのよ 私は殺されないっての」
審査官「しかし、死神に決められたことは 絶対でございます」
審査官「いのりさん、あなたに拒否権はございません」
審査官「なにか言い残す事はありますか?」
片瀬いのり「はぁ・・・ じゃあ聞いてもらうかしら・・・」
片瀬いのり「私は正直・・・生きてるのが楽しくなかった」
審査官「と言いますと」
片瀬いのり「まあ・・・簡単に言うといじめね 私はいじめられていたの」
片瀬いのり「生意気な私が気に入らなかったんでしょうね」
片瀬いのり「クラスの中心的な女にターゲットにされたのよ」
片瀬いのり「毎日本当に死ぬかと思って生活してきたわ」
片瀬いのり「だから、死ぬのもあまり嫌ではないの」
審査官「だからそんなに落ち着いていらっしゃるのですか?」
片瀬いのり「ん?」
審査官「私が報告に現れたとき そんなに落ち着いていらっしゃった方は 今まで見たことがございません」
審査官「それに」
審査官「そこまで私に嘘を付き続ける方も 見たことがございません」
片瀬いのり「っ!?」
審査官「断罪・・・」
審査官「罪を犯した罪人は罰しなければなりません」
審査官「それが私達、死神の仕事なのでございます」
片瀬いのり「わ、私がなんの罪を犯したっていうのよ?」
審査官「では、なぜこんな真夜中の学校に一人で いらっしゃるのですか?」
片瀬いのり「忘れ物を思い出したのよ! 取りに来ただけ!」
審査官「実際、貴女はいじめの加害者でした」
審査官「しかし貴女はちょっとしたミスから一転、 加害者側から被害者になってしまった」
審査官「その屈辱から貴女は 加害者の中心的な方を」
片瀬いのり「違う・・・」
審査官「ここで 殺してしまった」
片瀬いのり「そんなことしてない!!!」
審査官「静かにしないと 見回りの方が来てしまいますよ?」
片瀬いのり「適当なこと言わないで・・・ 嘘なんてついてない・・・!」
審査官「死神は全て知っています」
審査官「貴女が教卓の裏に死体を隠していることも」
審査官「たった今、隠し持ったナイフで私を襲おうとしていることも」
片瀬いのり「くっ・・・!」
審査官「それでは、あなたの命 頂きますね」
最高です!📢📢📢
なるほど。今回はいのりが殺人を犯したから釈明の余地はないけど、いじめの加害者と被害者は状況によって役割が入れ替わることもあるから、一概に加害者を罰して被害者を救えばいいという問題でもないんだなあ。審査官の独特なコスプレが雰囲気を高めてていい感じでした。
意表を突かれました!捻りがあって面白いです😃