寝占家の夢

魚魚魚

夢迷子(脚本)

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〇おしゃれなリビングダイニング
寝占一「最近、学校はどうだ?」
寝占光一「別に普通だよ」
寝占一「姫子は?」
寝占姫子「楽しい!」
寝占一「ならよし!」
寝占恵子「姫子、野菜も食べなさいよ」
寝占姫子「お野菜きらーい」
寝占恵子「光一もね」
寝占光一「うへぇ」
寝占一「2人ともしっかり食べないとな!」
寝占恵子「あら、電話だわ」
寝占姫子「お兄ちゃん、姫のお野菜食べて」
寝占光一「やだよ・・・」
寝占姫子「お兄ちゃんなのに?」
寝占光一「兄ちゃんだって嫌いなものはある」
寝占姫子「じゃあ、パパ食べて」
寝占一「パパも野菜はちょっと・・・」
寝占光一「俺たちにはしっかり食べろって 言ってたじゃねえか」
寝占一「それはそれ、これはこれだ」
寝占光一「父親がそれでいいのか」
寝占一「嫌いなものは嫌いだもん」
寝占姫子「姫も食べなくていい?」
寝占一「野菜は身体にいいから食べなさい」
寝占光一「じゃあ、親父は食べるのかよ」
寝占一「・・・・・・」
寝占姫子「食べないの?」
寝占一「・・・・・・」
寝占光一「親父が食べないなら俺たちも食べなくていいか?」
寝占一「それは・・・」
寝占恵子「いいわけないでしょ!!」
寝占恵子「でも、食事は一旦終わりよ」
寝占光一「じゃあ、さっきの電話って・・・」
寝占恵子「ええ、依頼の電話」
寝占恵子「そうと決まったら、寝室に向かうわよ」
寝占一「食べてすぐ横になるのは身体に悪いんだが 仕方がないな」
寝占光一「健康に気を遣うのなら 野菜を食えよ」
寝占一「・・・・・・」
寝占恵子「あんたが言えたことじゃないでしょ」
寝占光一「・・・・・・」
寝占恵子「まったく・・・」

〇宿舎の部屋
寝占一「・・・・・・」
寝占恵子「・・・・・・」
寝占姫子「・・・・・・」
寝占光一「・・・・・・」
寝占姫子「眠れない・・・」
寝占恵子「目を閉じていなさい」
寝占光一「いつも思うけど依頼が来て 急に寝るって無理じゃね?」
寝占恵子「それが寝占家の役目よ」
  夢の世界で起こった出来事を解決する。
  それが俺たちの役割だった。
  つまり、眠らなければ
  任務を果たせない。
寝占光一「せめてすぐ眠れる能力でも 与えてくれてればな・・・」
寝占一「ここはあれだな。あれに頼ろう」
寝占恵子「またお酒を飲むの?」
寝占恵子「この前も飲みすぎてなかなか戻って 来られなかったじゃない」
寝占一「で、でも、このまま眠れないよりは・・・」
寝占恵子「わかったわよ・・・ほどほどにね」
寝占一「ひゃっほー!」
寝占姫子「ママ、姫もホットミルク飲みたい」
寝占恵子「仕方ないわね」
寝占光一「毎回こうなるんだよな・・・」
  俺はヘッドフォンをつけると
  再び目を閉じる。
  音楽に身を委ねているうちに
  やがて意識は落ちていった。

〇荒野
寝占光一「ん、どうやら無事にたどり着いたみたいだな」
寝占一「光一、来たか」
寝占光一「母さんと姫子は?」
寝占一「まだだ。先に俺たちで進めておこう」
寝占光一「依頼内容聞いてるのか?」
寝占一「ああ、夢の中に迷い込んだ人がいるらしい」
寝占光一「迷子探しか・・・ こう広いと大変そうだな」
寝占一「とりあえず俺は空の上から探してみる お前は地上から探してくれ」
寝占光一「こういう時に姿を変えられるのは便利だな」
寝占一「まあ、夢の世界の特権ってやつだ」
寝占一「じゃあ、頼んだぞ」
  親父が飛び立っていく姿を見届ける。
寝占光一「俺も親父みたいに変身できたら 楽なんだろうけどなあ」
寝占光一「まあ、言ってても仕方がないか 探し回ってみよう」

〇森の中
寝占光一「ん?」
少年「ぐすっ・・・ぐすっ・・・」
寝占光一「なんでこんなところに子供が?」
寝占光一「おい、どうしたんだ?」
少年「帰れなくなった・・・」
寝占光一「一体、どこから来たんだ?」
少年「わからない・・・わからないよ・・・」
寝占光一「困ったな・・・」
「おーい」
寝占一「なにかあったのか?」
寝占光一「ああ、親父。なんか迷子らしい」
寝占光一「あれ、もしかして探してるのって この子のことか?」
寝占一「いや、もう少し年上だと聞いていたが」
寝占一「ともかく、母さんたちが来たみたいだから 呼んでくるよ」
寝占光一「なあ、本当に覚えてることはないのか?」
少年「わからないよ・・・ 気が付いたらここにいたの・・・」
寝占光一「手がかりはなしか・・・」
寝占恵子「おまたせ、眠るのにずいぶん時間がかかっちゃったわ」
寝占光一「母さん、この子なんだけど」
寝占恵子「ええ、話は父さんから聞いたわ」
寝占一「それじゃあ、私は姫を迎えにいってくる」
寝占恵子「お願いね。そろそろ来ると思うわ」
寝占恵子「さてと、少しごめんなさいね」
  母さんは少年の額へと触れた。
寝占恵子「やっぱりね・・・」
寝占光一「やっぱりって?」
寝占恵子「この子が今回の捜索対象よ」
寝占恵子「触れた瞬間、本来の姿が見えたわ」
寝占光一「でも、なんで子供の姿なんだよ」
寝占恵子「さあ、夢の世界でどんな姿になるかなんて 実際に見ている本人にしかわからないから」
寝占一「おーい、連れてきたぞ」
寝占恵子「おかえり。ようやく眠れたのね」
寝占姫子「うん、寂しかった」
寝占恵子「でも、来てくれてよかったわ これからあなたの力が必要だから」
寝占一「それで、どうだったんだ?」
寝占恵子「考えていた通りよ」
寝占一「そうか。あとは送り届けるだけだな」
寝占恵子「よろしくね、姫子」
寝占姫子「わかった!」
寝占姫子「こっちだって!」
寝占光一「ほら、行こうぜ」
少年「行くってどこに?」
寝占光一「姫子が案内してくれる あいつは精霊の声が聴けるんだ」
少年「精霊?」
寝占光一「まあ、信じられないならそれでもいいよ」
寝占姫子「いっくよー!」
寝占光一「行こうぜ、きっと帰れるから」
  俺は手を引き、姫子の後へと続いた。

〇山中の川
寝占姫子「あれ?」
寝占光一「どうしたんだ?」
寝占姫子「精霊さんがここだって」
寝占恵子「姫子が言うのなら 間違いないんでしょうけど・・・」
  脳裏にある光景が思い浮かんだ。
  その瞬間に俺は叫ぶ。
寝占光一「姫子、離れてろ!」
寝占姫子「え?」
寝占光一「危ない!!」

〇水中
  一瞬、何が起こったのかわからなかった。
  ただ暗く苦しい。
  必死にもがいても身体が沈んでいく。
  そうだ、これは夢の中だった。
  目が覚めない限り
  この暗闇から抜け出せることはない。
  このまま永遠に彷徨うことになるのだろうか。
  でも、不思議と後悔はなかった。
  なによりも姫子が無事でよかった。
  最後に兄らしいことはできただろうか。
  ただ流れに身をまかせる。
  覚悟を決めたその時
  一瞬、光が見えた。
寝占一「光一!! 大丈夫か!?」
  親父に抱えられて俺の身体は上昇していく。
  やがて地上の光が見えてきた。

〇山中の川
寝占光一「ケホッケホッ」
寝占恵子「光一!!」
寝占姫子「お兄ちゃん、大丈夫!?」
寝占光一「な、なんとかな・・・」
寝占光一「それより、あいつは!?」
寝占光一「ん?」
寝占光一「な、なんだ!?」
老人「巻き込んでしまってすまなかったね」
寝占姫子「だ、誰!?」
寝占恵子「今回の捜索していた方よ」
老人「彼が迎えに来てくれたんだが なかなかたどり着けなくてね」
老人「でも、君たちのおかげでこうして会えた」
老人「本当にありがとう・・・」
寝占恵子「これで依頼は完了ね」
寝占姫子「あのおじいさん、どこにいったのかな」
寝占恵子「さあ、それはわからないわ」
寝占恵子「それより、私たちも目覚めないと」
寝占光一「ああ、そうだな・・・」

〇宿舎の部屋
寝占光一「ふわぁぁ・・・」
寝占光一「寝てたのにすごく疲れた・・・」
寝占恵子「あんな無茶をするからでしょう」
寝占恵子「まったく、お父さんが助けてくれなければ どうなってたか・・・」
寝占恵子「妹想いなのはあんたのいいところだけど 自分のこともちゃんと大切にしなさいよ」
寝占光一「はい・・・」
寝占光一「あれ、そういえば親父は?」
寝占恵子「まだ戻ってきてないわ」
寝占恵子「また飲みすぎたんでしょ」
寝占恵子「ほら、ごはんにするわよ 姫子も顔を洗ってらっしゃい」
寝占姫子「はーい・・・」
寝占一「すぴーすぴー」
寝占光一「・・・・・・」
寝占光一「ま、まあ、そのうち目が覚めるだろ・・・」

〇山中の川
寝占一「あ、あれ?」
寝占一「もしかして、目が覚めてないのは 俺だけか?」
寝占一「今度からは酒はほどほどにしよう・・・」
  おしまい。

コメント

  • 夢の中がまるで現実かのように感じさせてくれるお話でした。家族みんなで夢の世界に入り込むという設定、とても斬新で引き込まれます! 仕事の後、どっぷり疲れが出そうですね。

  • 夢の中で家族全員が合流するのがドラマチックですね。お父さんが変身できるとか、それぞれの役割が異なるのもいい。夢の中でアクシデントが発生して怪我をしたり死んだりして目が覚めなかったら現実での寝占家はどうなるんだろう、とあらぬ心配をしてしまいました。

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