寝たきり魔法使い

うずネコ

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〇古いアパートの一室
海悟「オヤジ、オムツ替えるからな」
功木「いつもすまないな えっと・・・か、か・・・」
海悟「海悟だよ」
功木「そうそう、海悟 晩メシはまだかい?」
海悟「メシはもう食べただろ?」

〇古いアパートの一室
  オレの名前は 小尾玲 海悟
  オヤジはだいぶボケてきて
  最近ではオレの名前もすぐには
  出てこない
  オヤジは昼間デイサービスに行くが
  夜はオレが世話をする
  だからこうしてオムツを替えたり
  してるわけだ

〇古いアパートの一室
海悟「おわったぜオヤジ」
功木「ありがとな、か、か・・・」
海悟「海悟だよ」
功木「そうそう、海悟 じゃあそろそろ家に帰るか」
海悟「ここがオヤジの家だぞ」
  オヤジの世話は大変なのだが
  オヤジはオレにとって
  たった一人の家族だ
  まあ最後まで付き合うさ

〇古いアパートの一室
  オヤジに布団をかけ、オレはテレビをつけた
  うん、なんだこれ?
  なにか事件か?
  突然各地に現れた謎の穴から
  次々と怪物が現れています!
  この怪物は非常に危険です!
  皆さん決してむやみに
  家の外に出たりせず
  命を守る行動をしてください!

〇古いアパートの一室
  なんだ? 黒い穴から次々と
  小鬼みたいのが出てくる
  あ、通行人が小鬼に捕まった!
  小鬼が棍棒を振り上げて・・・
  そこで画面が切り替わった

〇古いアパートの一室
  みっ、皆さん!
  この怪物は非常に危険です!
  怪物を見たら
  すぐ逃げてください!

〇古いアパートの一室
  うわあ、さっきのヤツどうなったんだ?
  あ、テロップで死傷者167人とか出てる
  ウソだろ?

〇古いアパートの一室
  怪物は暫定でゴブリンと名付け
  られていた
  その動きは素早く、性質は凶暴
  なんと、まだ一匹も倒せていない
  らしい
  どんだけだよゴブリン

〇古いアパートの一室
「グギャーーーッ!」
  玄関から叫び声が聞こえた
  ま、まさかゴブリンの声!?

〇おしゃれな玄関

〇おしゃれな玄関
  慌てて玄関に向かうと
  そこには黒々とした穴があった
「グギャーーーッ! ギャッ、ギャッ!」
  穴の中から声が近づいてくる!
  まずい!
  焦るオレの前にゴブリンが姿を現した!
ゴブリン「ギャギャッ!」
海悟「うわぁーーーッ!!」
  オレはゴブリンの顔面を殴りつけた!
  まるで木でも殴ったような感触だ
  思い切り殴ったのにダメージが
  入った様子がない
  むしろオレの拳のほうがダメージを
  受けちまった
海悟「てめえ皮膚固すぎんだろ!」
ゴブリン「グギャハハッ!」
  こ、このやろう
  笑ってやがるのか
  なにか武器になるものは・・・
  下駄箱の上に
  アルコールスプレーがあった
  このさい何でもいい!
  スプレーを手に取りゴブリンに吹きかけた!

〇おしゃれな玄関
ゴブリン「ギャアアアアーーーッ!!」

〇おしゃれな玄関
  き、効いてるのか!?
  顔面にスプレーされてゴブリンが
  苦しんでいる
  オレは必死に噴射レバーを引き続ける
  やがてゴブリンは動かなくなった
  えっ、今ので死んだ?
  まさかアルコールが弱点?
  その時オレの頭の中に声が聞こえた

〇おしゃれな玄関
  《地球で初めてモンスターが討伐されました》
  な、なんだこの声は?
  《あなたに【最初の討伐者】の
  称号が贈られます》
  《特典としてあなたのレベルが
  100になります》
  《レベルアップにともない
  スキル【鑑定】が取得されました》
  レベル100? 鑑定?
  今のはいったい・・・
  な、なんだ?
  体に力が溢れてくる
  様々な情報が頭の中に流れこんでくる
  ステータス・・・だと?

〇黒
  小尾玲 海悟
  レベル 100
  筋力 1267
  精神 3205
  知力 953
  敏捷 1573
  器用 2391
  魔力 600
  
  称号 最初の討伐者
  スキル 鑑定

〇おしゃれな玄関
  これがオレのステータスってやつか・・・
  ん? ジョブ?
  戦士、僧侶、魔法使い・・・
  ジョブにつくことで様々な能力を
  獲得できるのか
「グギャーーーッ!!」
  しまった!
  新手のゴブリンが現れやがった!
  やばい! アルコールスプレーが
  さっきので空っぽだ!
海悟「くそッ、ゴブリンめ! これでも喰らえッ!」
  気がつけばオレは
  自分でも驚くようなパワーで
  ゴブリンを殴りつけていた!

〇おしゃれな玄関
  ドゴッ!! グワシャーーーン!!
ゴブリン「グギャーーーッ!!」

〇おしゃれな玄関
  ゴブリンは勢いよく吹き飛び
  倒れたまま動かなくなった
  し、死んだのか? さっきは
  ダメージ入れられなかったのに
  今度は一発で?
  まあいい
  いまはとりあえずオヤジが心配だ
  オレは急いでオヤジのもとへ戻った

〇古いアパートの一室
海悟「オヤジ、大丈夫だったか?」
功木「おおお、か、か・・・」
海悟「海悟だよ」
功木「そうそう、海悟 どうやら外でセミが鳴いてるな」
海悟「いまはまだ冬だよオヤジ」
  いつものやりとりをしながら
  オレは思いついた
  そうだ、オヤジを鑑定してみよう!
  鑑定!!

〇古いアパートの一室
  小尾玲 功木
  レベル 1
  筋力 4
  精神 7
  知力 4
  敏捷 2
  器用 2
  魔力 0

〇古いアパートの一室
  低ッ! ステータス低ッ!
  いや予想はしてたけど・・・
  うーん・・・オレの筋力とか知力を
  少し分けてやれたらいいのに
  その時、オレの頭に強烈な
  閃きがあった
  そうか! レベルアップだ!
  筋力が上がれば立って歩けるように
  なるかもしれないし、
  知力が上がればボケだって
  治るかもしれない!

〇古いアパートの一室
海悟「オヤジ、ゴブリンを倒すぞ! オレと一緒に戦おう!」
功木「えっと、か、か・・・」
海悟「海悟だよ、オヤジ」
功木「そうそう、海悟 おまえ・・・」
功木「あたま大丈夫か?」
  イラッ
  ふ、ふふふ
  まあオヤジがそう思うのも無理はない
  大丈夫、オレは全然イラっとなんて
  してないぞ?
  ドンマイ! オレ、ドンマイ!
海悟「とにかくオレにまかせてくれ! さあ、戦うぞオヤジ!」

〇古いアパートの一室
  アルコールスプレーに補充液を継ぎ足し、背中にオヤジを背負う
  おお、軽い! 軽いぞ!?
  レベルアップで筋力が増えたせいか!

〇おしゃれな玄関

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コメント

  • わー!!✨これは斬新な設定で、素敵なお話ですね✨
    ヒューマンな感じで行くのかと思いきや、まさかのゴブリン!!
    そしてお父様が魔力に全振りなのも笑わせていただきました✨

    面白くて心も温まるお話でした✨😊🌸

  • 設定が斬新ですね。
    介護の大変さとファンタジーという組み合わせは絶妙で、介護という非常に現実的な問題がキーゆえに、そのコントラストは凄まじいものがありました。

  • まさかの「レバー」違いにずっこけました。魔法が使えれば無双かと思ったけど体力と知力がなければ宝の持ち腐れなんですね。ゴブリンはアルコールスプレーに弱いことも教えてくださりありがとう。近所のゴブリン風オヤジに試してみようかな。それでレベルアップしたら嬉しいな。

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