黄金の蟻

ジョニー石倉

エピソード12(脚本)

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ジョニー石倉

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〇CDの散乱した部屋
  画面には、学生服姿の円城寺が写っている写真が表示されている。
  「『明日の僕ら』に生徒役で出演。
  たぶん、これがスキンになる前の最後の撮影。
  見つけられたかな?
  #明日の僕ら #最後の長髪 #高校生」
  と写真とともに投稿。
  『フォロワー数1842人』と表示されている。

〇コンビニのレジ
コンビニ店員「合計で782円になります」
円城寺敏郎「あ」
  財布には500円玉が1枚のみ。

〇住宅街の公園
子ども「はげー」
円城寺敏郎「あん?」
子ども「つるっぱげー」
円城寺敏郎「うるせー!」
  子供達が「はーげ、はーげ」と騒ぐ。

〇古いアパート

〇CDの散乱した部屋
  布団に寝っ転がり、電話をかける円城寺。
円城寺敏郎「お願いしますよ丸マネ。 とにかく、通行人でも死体でも、何でもいいんすよ」
  その髪だと目立ちすぎるのよ
円城寺敏郎「もう1週間も仕事してないんすよ。 俺、バイトないんで死んじゃいますよ」
  もう少し伸びてからね。
  今、現場だから切るわよ
  電話が切れる。
  円城寺、起き上がり、鏡の前に立つ。
  スキンヘッドになった頭を眺める。
円城寺敏郎「早く伸びないかなー」

〇古いアパート

〇CDの散乱した部屋
  布団に寝っ転がり、テレビを観る円城寺。
  チャイムの音が鳴る。

〇安アパートの台所
  円城寺がドアを開けると祐子が立っている。
円城寺敏郎「丸マネ? どうしたんすか?」
  祐子、手に持つビニール袋を見せる。
丸山祐子「ご飯。 私、料理できないからコンビニ弁当だけど」

〇CDの散乱した部屋
円城寺敏郎「いやー、やっぱり丸マネは最高! 俺と付き合ってくださーい」
丸山祐子「バカ言ってじゃないわよ! 私には白馬に乗った王子様がやってくるんだから」
円城寺敏郎「って、絶対もう来ないですって」
丸山祐子「どういう意味よ!」

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