林道での戦闘! そして奇跡の出会い(脚本)
〇林道
AM10:20 ストンホーブ 町外れの林道
唯人「アイラ、リンダさんはここを通っていったと思う?」
アイラ「私に聞かれても困るよ~。居場所の特定も捜索のうちだから、がんばろう?」
唯人「もし反対側に来ていて、見つけ出すのに時間がかかったら、フォンタスさんに申し訳が無い」
二人が会話をしていると、道脇の草むらから細長い体をした生物が現れ、尻尾を震わせながら二人を睨みつけてきた。
ヘビ「なんだなんだおまえら、戦おうってのか? あん? ぶっこーすぞ!」
アイラ「いやぁぁっ!? ウナギ!?」
唯人「いや、こいつはウナギじゃない! ヘビだっ!」
アイラ「どうするどうする!? 逃げる? 戦う?」
唯人「そんなの決まってるだろ!」
唯人「・・・・・・逃げるぞっ!」
ヘビ「攻撃してくるつもりだな!? そっちがそのつもりなら、こっちもやるぞ!」
技名:噛みつき 三すくみ:パー 効果:鋭い牙で相手を挟み込む。
唯人「うぐあぁっ!!!」
ヘビの牙が唯人の左脛に襲い掛かった瞬間、二者は不思議な力によって反発しあい、互いに後方3メートル下がっていった。
アイラ「唯人お兄ちゃん!?」
唯人 体力:4/5
アイラ 体力:5/5
ヘビ 体力:5/5
吹き飛ばされた唯人とヘビは、しっかりと地べたに足をつけて姿勢を立て直した。
アイラ「うぅ、こうなったらやるしかないよね! ヘビさん、ご覚悟!」
アイラは左手を引き絞って、右手の平をヘビに向けた。
技名:ファイフィッシャー 三すくみ:パー 被与ダメージ2 再使用時間:12時間 効果:相手に小さな炎の化身が泳いでいく。
アイラの前方の宙に小さな炎の化身が出現し、地面を這っているヘビの体に体当たりしていく。
しかし、炎の化身がヘビの体に衝突した途端、化身は消失し、アイラとヘビは互いに後方に吹き飛ばされていく。
噛みつき パー 鋭い牙で相手を挟み込む。
唯人は腰に携えていた剣を引き抜いて、鞘から取り出す。そして、両手で持ち手を握りヘビに向かて構える。
ワンモアスラッシー チョキ 再使用時間:12時間 被与ダメージ2 高速で剣で二回斬りつける。
ポズーンファー パー 再使用時間:12時間 被与ダメージ2 強い痛みを伴った牙での挟撃。
ヘビは口を大きく開けながら唯人の足元に接近していく。
唯人「くらえぇぇっ!!!」
凄まじい速さの斬撃がヘビの体を刻み込んでいく。
ヘビ(うぎゅあぁぁぁっ!!!)
さらに、地面に生えていた草にも斬撃をお見舞いしてしまい、葉を切断していく。
「りふぁーっっ!?」
技名:不動の植物の守護 常時発動 効果:攻撃してきた相手に確率でダメージを与える
ヘビと唯人は後方に飛んでいき、地面に足を着けていく。
唯人(しまった、草も一緒に斬ってしまったか? この苦しみは、きっと草の反撃・・・・・・)
唯人 体力:3/5
アイラ 体力:5/5
ヘビ 体力:1/5
草 体力:13/15
ヘビ(くっ、死の感覚が強い! ・・・・・・ここでくたばる理由は無い。負けだ)
ヘビと草の体が自然と治癒されていき、元の姿に戻っていく。そして、ヘビは体を反転させていき、道脇の草むらに姿を消した。
唯人「やったか!?」
アイラ「やったかな!?」
唯人「ふぅ、仕方ないとはいえ、リンダさんを探し出す前に死闘を繰り広げてしまった」
アイラ「でもでも、この先の道を安全に通れるようになったよ! はぁ、この先にリンダさんがいるといいなぁ~」
唯人「うん。だといいね。この先に居て欲しい。いててほしい。頼む!」
唯人とアイラは林道の移動を再開していった。
〇廃倉庫
ヘビとの遭遇戦から数十分後・・・・・・。
唯人「まさかだけど、この中に居るってことは無いよね?」
アイラ「それは確かめてみなきゃわからないよ~!」
唯人「まぁそうだよね。・・・・・・とりあえず、確認だけはしておこうか」
アイラ「うん! 不意打ちの用心はしておいてね? 唯人弱ってるんだから」
唯人「分かってるよ。アイラも援護頼むからね?」
〇暖炉のある小屋
リンダ「だれっ!?」
唯人「えっ、人・・・・・・って、女性!?」
アイラ「ってことは、もしかしてもしかして?」
唯人「・・・・・・あの、突然失礼かもしれませんが、お姉さんのお名前を教えてもらえたりってできますでしょうか?」
アイラ「あ、私たち怪しい人じゃないよ!」
リンダ「・・・・・・えっと、わたしはリンダと申します」
唯人「リンダさん!?」
アイラ「リンダさん!?」
リンダ「はい・・・・・・」
唯人「見つかった! ・・・・・・というか、なんでこんなところに!?」
アイラ「一人で居たら危ないよ~」
リンダ「・・・・・・」
アイラ「あ、リンダさんの服、破けてるよ? だれかに襲われたの? 大丈夫?」
リンダ「えっと、その・・・・・・。はい、ここに来る道中に、凶暴な動物に」
唯人「よく逃げきれましたね。いえ、よく逃げ切れてくださいました。ほんとに、よかった。無事で」
アイラ「うんうん。リンダさんに会えてホントによかったよ~!」
リンダ「どうしてわたしを?」
唯人「あ、えっと、俺たちはフォンタスさんって方から奥方を捜索して欲しいと頼まれまして」
アイラ「リンダさんを助けるためにここまできたんだ~。あ、リンダさんがどこにいるか分からなかったから、適当に探してたんだけど」
アイラ「早めに見つけることができてよかった~」
唯人「というわけなので、リンダさん、さあ。フォンタスさんのところに戻りましょう!」
リンダ「・・・・・・そうですね。分かりました。フォンタスさんのところに行きましょう」
三人は小屋から出ると、元来た林道を辿っていった
〇レンガ造りの家
PM15:00 フォンタス&リンダの家前
フォンタス「リンダ!? よく無事に戻ってきてくれたね!」
リンダ「はい、このお二方のおかげでなんとか無事に戻ってこれました・・・・・・」
フォンタス「おお、お二方にはなんとお礼をいっていいのやら。とにかく、うちのリンダを連れ帰っていただき、とても感謝しております」
フォンタス「本当にありがとうございます」
唯人「いえいえとんでもない! 俺たちはただ困ってるフォンタスさん、そしてリンダさんを助けただけですよ」
唯人「そんな大それたとこしてないので気になさらないでください」
アイラ「うんうん、私たちにとっては当たり前で普段通りのことをしただけだよ!」
フォンタス「普段通りって、それではお二方はいつも人助けをしているという事でしょうか?」
アイラ「えっと、そんなところかな? ね、唯人お兄ちゃん?」
唯人「うん。なので、もし何か困っていることが他にもあったら、あるいは今後また起きたら、遠慮なく言ってくださいね」
唯人「いつでも助けになりますので!」
フォンタス「なんてすばらしいお方々なんだ・・・・・・。リンダ、このお二方に見つけてもらえて本当によかったね。ほら、もっと感謝しないと」
リンダ「え、あ、はい。そう、ですね・・・・・・。この度は、わたしのことを救ってくださっていただき、本当にありがとうございました」
唯人「ははは。それじゃあ俺たちはここらへんで失礼しておきますね。お二人の時間を邪魔するのも悪いのでね」
アイラ「またね~! お二人とも、仲良くね~!」
リンダ「あのっ・・・・・・」
アイラ「ん、何かまだ用かな?」
リンダ「・・・・・・いえ、道中お気をつけてください」
アイラ「お気遣いありがとう! お二人も体調気を付けてね!」
フォンタス「ふぅ。さ、リンダ。家の中に入るよ」
リンダ「はい、フォンタスさん・・・・・・」
リンダは目から水滴をこぼしながら唯人とアイラの後姿をしばらくじっと見つめ続け、フォンタスに続いて家の中へ姿を消した。
唯人とアイラが蛇と死闘を繰り広げてまで連れ戻したというのに、まさかリンダはフォンタスから逃げて森にいたということなのかな?なんだか続きが気になります。
この涙には一体どういう意味があるのでしょうか…。続きが気にならざるを得ませんね…。
それにしてもヘビとの死闘時の草のHPがめちゃ高い笑