一話読み切り(脚本)
〇名門の学校
ここは芸能人の卵が集まる『大芸高校』。
この学校では、個性を第一に考える。
だからここでは、必ず『二つ名』が付けられる。
〇教室
皆、華やかな世界に旅立つはずなんだけど・・・
四度目の先生「今回、演劇のテスト一番は・・・」
四度目の先生「ナツ!! いつも君はすごいな!!」
演技派のナツ「ありがとうございます!! 嬉しい・・・」
四度目の先生「それに比べて・・・マナ?」
主人公のマナ「はい・・・」
四度目の先生「これで赤点は何個目だ?」
主人公のマナ「ええと、演技とダンスと数学と・・」
主人公のマナ「あ、音楽は50点ありましたよ!」
四度目の先生「シャラップ!!」
四度目の先生「自己紹介で緊張していたあなたに、」
四度目の先生「サプライズで『主人公』と名付けたけど・・・」
四度目の先生「まさかこんなにひどいなんてね・・」
主人公のマナ「だって、出来ないものはしょうがないというか・・・」
主人公のマナ「恋に青春に、やること山積みなんですから!!」
四度目の先生「先に山積みの補習でしょうが・・・」
四度目の先生「そうだ!」
四度目の先生「今日中に成長したことを私に見せないと、」
四度目の先生「主人公の二つ名取り下げにするから!!」
主人公のマナ「・・・え、」
主人公のマナ「えええええええ!?!?」
四度目の先生「じゃあ席に戻って~」
主人公のマナ「・・・そんな・・・」
「マナ~!?」
おっとり佐伯「どうだった?」
主人公のマナ「終わった・・・」
おっとり佐伯「ま、まだ時間あるから、ね?」
主人公のマナ「見返してやる・・・」
おっとり佐伯「え?」
主人公のマナ「あのババア~~!!」
〇華やかな裏庭
主人公のマナ「アスカ~~!!」
不死鳥のアスカ「どうしたの? そんなに急いで」
主人公のマナ「また赤点とっちゃって~」
不死鳥のアスカ「まあ!」
主人公のマナ「だからお願い!! 手伝って!!」
不死鳥のアスカ「私でよければ手伝うけど・・・」
不死鳥のアスカ「それで、どうすれば?」
主人公のマナ「存在感の秘訣を知りたくて・・・」
不死鳥のアスカ「秘訣?」
不死鳥のアスカ「うーん、あまり考えたことないけど・・・」
不死鳥のアスカ「そうね・・・風を感じることかしら」
主人公のマナ「かぜ・・・?」
不死鳥のアスカ「そう・・・大気の流れを肌で感じて、凛として立つの」
主人公のマナ「うん・・・」
不死鳥のアスカ「そうすると、ほら、見えてこない?」
主人公のマナ「何が?」
不死鳥のアスカ「体の中に流れる、輝く光の元が・・・」
主人公のマナ「確かに・・・」
主人公のマナ「流れてるかも!!」
不死鳥のアスカ「それならもう大丈夫ね────」
主人公のマナ「うん! これで先生も・・・」
主人公のマナ「て、なるかああああい!?」
主人公のマナ「これじゃ先生満足しないよ!!」
不死鳥のアスカ「結構いいと思ったんだけど・・・」
主人公のマナ「こうなりゃいろんな人に話を聞くしかないな・・・」
〇学校の屋上
演技派のナツ「演技の秘訣?」
演技派のナツ「まず、走馬灯を思い浮かべて、そこに浮かぶ景色を一つ持ってくるような意識で・・」
主人公のマナ「全然わからない!!」
主人公のマナ「でもわかった!! やってみるね!!」
主人公のマナ「・・・」
主人公のマナ「・・・・・・」
演技派のナツ「あ! 今寝てたでしょ!」
演技派のナツ「ちゃんと心を込めて!」
主人公のマナ「・・・」
主人公のマナ「・・・・・・」
主人公のマナ「死にたくない・・・」
演技派のナツ「ええ!?」
主人公のマナ「走馬灯考えてたら、死にたくないって思っちゃって・・」
演技派のナツ「そ、そんなに・・?」
演技派のナツ「(素直すぎる・・・いい子!!)」
主人公のマナ「でもなんとなくわかった!」
主人公のマナ「死にたくないって思えばいいんだよね?」
演技派のナツ「う、うん・・・」
演技派のナツ(そうかな?)
主人公のマナ「よし!! 次行くか!!」
〇美術室
病んデリの真理「ふんふんふーん♪」
主人公のマナ「真理~!」
病んデリの真理「あ、マナちゃん!」
主人公のマナ「めっちゃ上手だね~!!」
主人公のマナ「今すぐ絵がうまくなりたいの!」
病んデリの真理「さすがにすぐには無理だよ~」
主人公のマナ「だよね~」
病んデリの真理「マナちゃんはバカだから勉強が先だよ~」
主人公のマナ「え? う、うん・・」
主人公のマナ(そうだった・・)
主人公のマナ(この子、『病んでてデリケート』じゃなくて・・)
主人公のマナ(『病んでるノンデリ』なんだった・・・)
病んデリの真理「マナも絵に一途になりな~」
主人公のマナ「う、うん、そうだね!」
病んデリの真理「『そうだね』?」
病んデリの真理「そっか、分かってくれたんだ・・・」
主人公のマナ「な、なに?」
病んデリの真理「それってつまり・・・」
病んデリの真理「私と絵を描いてくれるってことでしょ?」
主人公のマナ「え!?」
病んデリの真理「バカなマナちゃんにも、絵の良さが伝わった!」
病んデリの真理「今日からずっと一緒にいよ?」
主人公のマナ「そ、そんなつもりじゃ・・」
病んデリの真理「なんでそんなこと言うの?」
病んデリの真理「ねえ、描こ?」
病んデリの真理「おバカなマナちゃん」
主人公のマナ「失礼します!!」
病んデリの真理「行っちゃった・・・」
病んデリの真理「やっぱり私には絵しかないのね・・」
〇学校の廊下
主人公のマナ「ふぃ~~」
主人公のマナ「スリルあるわ~~」
〇学校の廊下
主人公のマナ「別にあいつには話を聞かなくてもいいんじゃない?」
おっとり佐伯「まあまあ、話だけでも!」
おっとり佐伯「ね?」
主人公のマナ「もー、」
主人公のマナ「すぐ帰るからね・・・」
〇学校の部室
ゲーム部の藤「あら佐伯さん、どうしたの・・・」
ゲーム部の藤「って! あなたは・・・」
おっとり佐伯「こんにちは~」
主人公のマナ「・・・よう」
ゲーム部の藤「ごきげんよう」
ゲーム部の藤「あなたがゲーム部に来るなんて珍しいじゃない」
主人公のマナ「いや、別にあんたに用はないけど?」
ゲーム部の藤「そう! それはよかったわ!」
ゲーム部の藤「あなたといると『バカ』がうつるのよ!」
主人公のマナ「はあ!? こっちのセリフなんですけど!!」
主人公のマナ「ゲームばっかで、勝てないとギャンギャン泣き喚く癖に!!」
ゲーム部の藤「はあ!? あんたが弱いからでしょーが!!」
ゲーム部の藤「私一人でやったら十分うまいんだから!!」
主人公のマナ「だから友達少ないんでしょ!?」
ゲーム部の藤「ひど~い!」
ゲーム部の藤「うう・・・」
主人公のマナ「あ、ごご、ごめん・・・」
ゲーム部の藤「はい嘘でしたー!! 私の勝ちね!!」
主人公のマナ「うざ!! チビチビチビ!!」
ゲーム部の藤「あなたがちょっと大きいだけですー!!」
主人公のマナ「やば、メガネが・・・」
ゲーム部の藤(げ、こいつ!?)
ゲーム部の藤「あの」
ゲーム部の藤「メガネ見せて・・」
主人公のマナ「ん? はい」
主人公のマナ「あああ!?」
主人公のマナ「なにするの!?」
ゲーム部の藤「うるさい!!」
ゲーム部の藤「この世にかわいいに勝るものはないの!!」
ゲーム部の藤「私が可愛くしてあげる!!」
主人公のマナ「ええ・・・」
おっとり佐伯(二人、仲いいな・・)
おっとり佐伯(ともかく、何とかなるかな?)
〇学校の部室
四度目の先生「まったく!」
四度目の先生「探したわよ!」
四度目の先生「いい加減観念しなさ・・・」
主人公のマナ「あ、先生!」
四度目の先生「・・・あなた、メガネは?」
主人公のマナ「とりました!!」
主人公のマナ「あの先生、私今日一日頑張ったから・・・」
主人公のマナ「許してくれませんか?」
四度目の先生「そうね、噂は届いてるし・・」
四度目の先生「今回は許すわ」
主人公のマナ「その言葉、」
主人公のマナ「忘れないでよね・・・」
四度目の先生「あ、ああ・・・」
主人公のマナ「っふ、ふふ・・・」
四度目の先生「こ、今度はなに?」
主人公のマナ「はいー!! 私の勝ちー!!」
四度目の先生「は、はあ?」
主人公のマナ「どうでした!? うまく出来てました!?」
主人公のマナ「いやー、我ながらよかったな~!」
四度目の先生「あなたね、先生をおちょくらないの!!」
主人公のマナ「へへ、演技力の賜物だね!」
主人公のマナ「じゃあ藤のところにゲームしに行こーっと!!」
四度目の先生「おい!!」
〇学校の部室
何はともあれ、一件落着!!
主人公のマナ「さーて、ゲームするか!」
漫画でもアニメでも、実は主人公ってあんまりキャラクターが強くない方が、キャラの強い他の登場人物との掛け合いが生きてくるんですよね。そういう意味でもマナはほんとに主人公にぴったりでした。ちょっとみんなにバカ呼ばわりされすぎで不憫でしたが。
芸能界を目指す学校って夢があって素敵ですね🥹
やっぱり芸能界で生き残るには個性も必要って事もあって
登場人物皆さん個性的で読んでいて楽しかったです!
病んデリの真理が私的には一番好きです。友達になりたいです!笑
子供の頃に似たような掛け合いをしたなぁ笑
チビとかバカとか…今の子供たちも同じようなことを言っているのでしょうか。
まぁ揶揄い合うのもほどほどが一番ですけどね笑