ごっこ遊び

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〇アパートの前
  とある町:公営施設
  俺は今日、家族を迎える
豊英(とよふさ)「頼もう!」

〇日本家屋の階段
オカダ「やあ!」
豊英(とよふさ)「ほわァァあい!?」
オカダ「お待ちよ」
豊英(とよふさ)(コイツ・・・素早い!!)
豊英(とよふさ)「じゃなくて、すみません ちょっとびっくりしちゃって」
オカダ「あまりの可愛さに?」
豊英(とよふさ)(コイツ・・・図太い)
オカダ「あ!『ごっこ遊び』の参加者さん?」
豊英(とよふさ)「は、はい!予約していた豊英です」
オカダ「私は受付のオカダです。 どうぞ、こちらへ」
豊英(とよふさ)(コイツ、仕事?はキッチリしてる)

〇広い更衣室(仕切り無し)
トチ「──だから無理だって お父さんになるなんて」
定義(さだよし)「こっちだってお母さんになるの初めてで不安なんだから!教科書なんてないし」
シャイニングディザスターよしの「落ち着いて!二人とも──」
定義(さだよし)「白熊は黙ってて!」
トチ「そんな言い方ないでしょ!」
豊英(とよふさ)「くまが修羅場ってる」
豊英(とよふさ)(気付かれた)
シャイニングディザスターよしの「どちら様?」
豊英(とよふさ)(すみやかに退路を断たれた)
豊英(とよふさ)「ええと、俺は豊英です。 ごっこ遊びの予約をしていて─」
定義(さだよし)「予約の人ですね。 どうも、地域コミュニティ『ごっこ遊び』の定義です」
豊英(とよふさ)(くまが、滑らかに喋ってる)
トチ「トチです、向こうは白熊」
シャイニングディザスターよしの「シャイニングディザスターよしのです」
豊英(とよふさ)「大変リアルな、着ぐるみ・・・ですね」
シャイニングディザスターよしの「自信作なんですよ」
トチ「じゃあ、お父さんとお母さんは準備してくるから、白熊は豊英を頼むね」
豊英(とよふさ)「サラッと呼び捨てられた」
シャイニングディザスターよしの「行こうか、とよティー」
豊英(とよふさ)「・・・おう」

〇日本家屋の階段
豊英(とよふさ)「そっか、白熊さんは今日、子役だったんだ」
シャイニングディザスターよしの「シャイニングディザスターよしの。 あだ名で呼んでくれてもいいよ」
豊英(とよふさ)(シャイニングディザスター・・・)
豊英(とよふさ)「よしのさんはここ─ごっこ遊び歴、長いんですか?」
シャイニングディザスターよしの「コミュニティの立ち上げ当初からいるよ。 父さんと母さんが作ったんだ!」
豊英(とよふさ)(さっきの二人のことか? それとも白熊さんのご両親?)
豊英(とよふさ)「・・・どっちだろう」
シャイニングディザスターよしの「ねえねえ」
シャイニングディザスターよしの「聞きにくい事、あるかもしれない」
シャイニングディザスターよしの「でも、気にしないのと無視するのは違うよ。疑問には答えるから、聞いてみて」
豊英(とよふさ)(表情作れるんだ。着ぐるみ)
豊英(とよふさ)「じゃあ─」
豊英(とよふさ)「よしのさん達は、何時も着ぐるみで活動してるんですか?」
シャイニングディザスターよしの「うん。寒い時期はいつも」
「・・・」
シャイニングディザスターよしの「本当にそれが聞きたかった?」
豊英(とよふさ)「え・・・スミマセン なんか、こう、間違えました」
豊英(とよふさ)「えっと、改めて」
豊英(とよふさ)「その、そもそも『ごっこ遊び』って、何するんですか?」
シャイニングディザスターよしの「知らずに来たの?」
豊英(とよふさ)(つまり、下調べもせずに来たのか、お前はここへ何しに来たんだ、ってこと?)
  豊英は、物事を深読みしすぎる癖があり、色んなセリフが、時として有りもしない皮肉に聞こえる。
豊英(とよふさ)(落ち着け深読みするな俺)
豊英(とよふさ)(皮肉じゃなくて、素朴な疑問なのかも知れない。うん)
シャイニングディザスターよしの「とよティー?震えてるよ?寒い?」
豊英(とよふさ)「いや、ちょっと考え事を」
豊英(とよふさ)「そう、疑問だったんです」
豊英(とよふさ)「・・・ごっこ遊びに参加すること」
豊英(とよふさ)「俺は、家族を迎えに来たんですけど・・・お迎えの必須項目がそれだったんで」
シャイニングディザスターよしの「ああ、お迎え希望だったんだ」
シャイニングディザスターよしの「えっとね」
シャイニングディザスターよしの「コミュニティ『ごっこ遊び』は、家族3人で運営してる団体で」
豊英(とよふさ)「3人で団体・・・」
シャイニングディザスターよしの「『ごっこ遊び』はその名の通り、役になりきって遊ぶんだよ」
シャイニングディザスターよしの「とよティーは、今日家に来た『お客さん』役ね」
豊英(とよふさ)(あれ、俺もう参加してるの?)
豊英(とよふさ)「・・・お客さんって、なりきりなの?」
シャイニングディザスターよしの「じゃあ、何のつもりでここに居るの?」
豊英(とよふさ)(存在そのものを問われた・・・)
豊英(とよふさ)「えー、あの、『ごっこ遊び』にお邪魔した・・・家族じゃなくて、訪ねてきただけの・・・」
豊英(とよふさ)「・・・お客さん?」
シャイニングディザスターよしの「そうだよ、お客さんだよ!」
シャイニングディザスターよしの「自信持って!とよティーは立派にお客さんだよ」
豊英(とよふさ)(なんか、腑に落ちない・・・ この答えを導き出された感)
豊英(とよふさ)(お客さんが役なら・・・よしのさんの中で、俺はどんな立ち位置なんだろう)
定義(さだよし)「豊英さん お待たせしました」
豊英(とよふさ)「あ、お母さんの定義さん」
定義(さだよし)「すっかり『ごっこ遊び』に馴染んだようで」
定義(さだよし)「準備が出来ましたよ」
定義(さだよし)「お迎えの」

〇広い更衣室(仕切り無し)
豊英(とよふさ)「わー!!カワイイ!カッコイイ!素敵」
トチ「いやー、こんなに喜んでくれるなんて こっちまで嬉しくなるなぁ、お母さん」
定義(さだよし)「金魚の譲渡会、してよかったでしょ?お父さん」
豊英(とよふさ)「有難うございます! 家族が増えて嬉しいです」
トチ「いえいえ、こちらこそ」
定義(さだよし)「豊英さんのおかげで、母も楽しかったようですし」
豊英(とよふさ)「ん?定義さんがお母さん役では?」
トチ「ああ、いえいえ、今日の役じゃなくて、ウチの母のことです」

〇日本家屋の階段
シャイニングディザスターよしの「とよティー、帰っちゃうの? 寂しいなぁ」
豊英(とよふさ)「あの・・・よしのさん 質問、いいですか」
シャイニングディザスターよしの「なになに?」
豊英(とよふさ)「よしのさんが、定義さんとトチさんのお母さん? あ、配役ではなくて」
シャイニングディザスターよしの「違うよー。 オカダおばちゃんのことね」
  受付のオカダ
シャイニングディザスターよしの「ウチの親は、おばちゃんのこと、母さんって呼ぶんだよ。育ての親ってやつ」
豊英(とよふさ)「複雑なんですね・・・ん?」
豊英(とよふさ)「ウチの親? よしのさんは二人の子ども?」
シャイニングディザスターよしの「いや?」
豊英(とよふさ)(違った)
シャイニングディザスターよしの「あの二人は、この地域で色々世話を焼いてくれてて・・・この土地での父母と思ってる。だからウチの親って言ったの」
シャイニングディザスターよしの「私、トチさんたちの家に下宿してて。 もう血の繋がった家族より家族!って感じ」
豊英(とよふさ)「色んな家族の形ですね。 なにより金魚、有難うございます」
豊英(とよふさ)「それじゃ!白熊さん」
シャイニングディザスターよしの「シャイニングディザスターよしの・・・」

〇アパートの前
豊英(とよふさ)「そういえば」
豊英(とよふさ)「白熊さん、『ごっこ遊び』団体は家族運営で3人って言ってたけど」
豊英(とよふさ)「白熊さんの家族定義(ていぎ)でいくと どの組合せなんだろ」
豊英(とよふさ)「実質親子な家族?」
豊英(とよふさ)「それとも、こう?」
豊英(とよふさ)「ちょっと気になる・・・明日、金魚のお礼がてら聞いてみるか」
  こうして、金魚好きの豊英は、地域コミュニティ『ごっこ遊び』に通うようになった。
豊英(とよふさ)(結局、お客さん役って何だったんだろ)

コメント

  • ごっこ遊びをしていてクマの姿にすっかり見慣れた頃に、着ぐるみから中の人が出てきた姿を見たら絶叫&絶句しそう。リアルな人間関係もごっこ遊びみたいなもんだから、急に中の人が出てきて動転しちゃうことってよくありますね。

  • 地域の日常空間にある非日常世界。豊英くんの戸惑いっぷりが楽しいですね。ごっこ遊びの設定とリアルが絡まると、こんなに理解が難しいものになるのですね!

  • なるほどわからん! でも着ぐるみは着てみたいです〜♪

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