高二病の明日香さん

スヒロン

エピソード1(脚本)

高二病の明日香さん

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〇綺麗なダイニング
リディア・ディ・明日香「うう・・・」
リディア・ディ・明日香「疼く・・・この”炎呪”を受けた右腕が」
リディア・ディ・明日香「ボクは、この美しく汚れた世界を焼き払ってしまうのか・・・」
リディア・ディ・明日香「なんという儚い炎・・・現世の常闇を払うのは、暗黒の火花」
ベリンガム・十郎「明日香、何時までバカをやってるんだ?」
リディア・ディ・明日香「バカとは何かね、”炎術士”のボクに対して!」
ベリンガム・十郎「あれ・・・? ”死霊の毒手”じゃなかったっけ?」
リディア・ディ・明日香「それは止めさ! 主人公は炎とか光じゃないとね!」
ベリンガム・十郎「まあいいけど、朝飯食って学校へ行けよ。まだ高校生なんだからさ」
リディア・ディ・明日香「おお、食料を取る時間か! 僕は、『体力増幅』のスキルで、食べる程に力が上がる」
ベリンガム・十郎「あーハイハイ。じゃあ、今日はまた教室でな」
ベリンガム・十郎「マキちゃんやミルちゃんに会うのも楽しみだ」
リディア・ディ・明日香「そうとも! ボクと”炎術七柱”を共に支える仲間さ!」
ベリンガム・十郎「・・・まだお前との付き合いをしてくれる、いい友達だな」
リディア・ディ・明日香「なんだね、失礼な! ボクらは、”永遠の鎖と炎”で結ばれているのさ!」
リディア・ディ・明日香「パンおいしー・・・おお、術力が三も上がったぞ!」
ベリンガム・十郎「やれやれだな」

〇渋谷のスクランブル交差点
リディア・ディ・明日香「さあ、今日はなんのスキルを身に着けようか。 ”闇法廷学園”では、ボクのスキルを身につけれるからね」
リディア・ディ・明日香「あ、マキちゃんだ!」
リディア・ディ・明日香「マッキちゃーん、今日は何のスキルにするのお?」
藤堂マキ「・・・」
リディア・ディ・明日香「マキちゃん・・・? どしたの?」
リディア・ディ・明日香「あ、ミルちゃーん。ねえ、ボクの『炎術階式』とミルちゃんの『魔道光弓術』を交換しない?」
ミル「・・さて、お化粧直しにいかないと」
リディア・ディ・明日香「ええ? 二人とも、どしたの? まさか”闇四季団”の手に?」
藤堂マキ「さあ、一限目の数Ⅱもそろそろ覚えていかないとね」
リディア・ディ・明日香「うげげえ、数Ⅱ!? 一番、聞きたくないワードがマキちゃんの口から?」
ミル「あら、明日香ちゃん? どうしたの・・・?」
リディア・ディ・明日香「ちょっと? ジョーダンキツイよ? ボクはリディア・ディ・明日香。 ”炎術七柱”の中でも影と闇の心を持つ・・・」
ミル「炎術・・・? 円周率の間違いかしら? 3.1419・・・」
リディア・ディ・明日香「うひいい!? 急にどしたの? ボクのことが嫌いになったの・・・?」
藤堂マキ「明日香ちゃん・・・そろそろ一限目だわ」
ミル「早めにいって、予習しないとね」
リディア・ディ・明日香「マキちゃん、ミルちゃん、どうして・・・? 炎術七柱の設定がイヤだった?」
リディア・ディ・明日香「や、やっぱり”死霊使い”の時の方が良かったのかな・・・?」

〇教室
リディア・ディ・明日香「マキちゃああん、やっぱり”死霊使い”に戻すから! それとも、”理学能力者”の方が良かった?」
リディア・ディ・明日香「二つ名も上げるわ。マキちゃんが”歪んだ聖櫃”で、ミルちゃんは”凍てつく躯”をあげるから!」
藤堂マキ「明日香ちゃん・・・私たち、もう高校二年なのよ?」
リディア・ディ・明日香「それが何よ?」
ミル「そういう問題じゃなくて、もうそろそろ」
リディア・ディ・明日香「イヤだ! 聞きたくない、言わないで!」
藤堂マキ「・・・予備校!!」
リディア・ディ・明日香「うきゃああああ! 1000のダメージが!」
ミル「そろそろ彼氏を作ったり、お化粧をしたり!」
リディア・ディ・明日香「2000ダメージだわ!」
藤堂マキ「ともかく! もう、そういう”炎術”とか、いい加減でナシよ!」
リディア・ディ・明日香「うきゃあああ!」
ミル「明日香ちゃん! ・・・そろそろ彼氏の一人くらい」
リディア・ディ・明日香「そんなのいらない! あ、そうだわ”炎術”を極めると”王架術”というのに位が上がるんだよ? ボクが教えるから」
藤堂マキ「明日香ちゃん。”炎術”なんて、そもそも存在しないのよ!」
リディア・ディ・明日香「うわあああん! マキちゃんのイジワル!」
ミル「だって、今日は・・・」
ミル「あ・・・」
藤堂マキ「あら」
ベリンガム・十郎「やあ、教育実習できました。ベリンガム・十郎、明日香の兄です」
リディア・ディ・明日香「あ、お兄ちゃん! マキちゃんとミルちゃんが、ボクと”炎術”をやってくれないの!」
藤堂マキ「まあ、明日香さん。何のことかしら?」
ミル「どうもです、十郎さん」
リディア・ディ・明日香「ええ? まさか、二人はお兄ちゃんのことを・・・?」
藤堂マキ「・・・そりゃそうでしょ。 長身でイケメン、明日香ちゃんみたいなヤバい子の面倒も見る優しさ」
リディア・ディ・明日香「ヤバい子? 昨日まで一緒にしてたのに!」
藤堂マキ「なんのこと、明日香さん。 高校二年にもなって」
ミル「そうそう、お兄さんの前でおかしな明日香さんね」
リディア・ディ・明日香「うわーん。そんな二人、イヤだよう」
ベリンガム・十郎「とにかく、二週間の実習です。 よろしくね」
藤堂マキ「はあーい」
リディア・ディ・明日香「うぬう、お兄ちゃんてば、女たらしだったのね」
ベリンガム・十郎「けど、明日香が元気で良かった」
ベリンガム・十郎「アメリカで、五年間もラインだけのやり取り。『いつも炎術を一緒にしてくれる、友達もいる』って聞いてたけど」
藤堂マキ「え・・・」
ベリンガム・十郎「明日香はヘンだから、学校で浮いてないかと心配だった。けど、マキちゃんとミルちゃんが”炎術”もやってくれると」
リディア・ディ・明日香「もちろん! ボクらは”炎術七柱”!」
ミル「明日香ちゃん・・・」
リディア・ディ・明日香「けど、高校二年の二人にはイヤだよね? いいよ、ボクだけでずっとやってるから!」
リディア・ディ・明日香「今までゴメンね・・・」
藤堂マキ「う、明日香ちゃん!」
ミル「私もやっぱり”炎術士”よ! 十二眷属のいる”七柱”だわ!」
リディア・ディ・明日香「え? ミルちゃん?」
藤堂マキ「私も”炎術士”としてずっと一緒よ! さっきはゴメンね!」
リディア・ディ・明日香「マキちゃん、ミルちゃん・・・!」
ベリンガム・十郎「良かったな、明日香」

〇川に架かる橋
リディア・ディ・明日香「ワッハハ、ボクら”炎術士”の絆は不滅だ」
ベリンガム・十郎「炎術もいいが、夜も遅い。転移で早く帰ろうぜ。夜は悪怪異が多いからな」
リディア・ディ・明日香「そーだね。はいっ」

〇綺麗なダイニング
リディア・ディ・明日香「着いたわ」
ベリンガム・十郎「お前は世界に五人の転移魔法の使い手なんだからな」
ベリンガム・十郎「けど、なんで”炎術”なんだ?」
リディア・ディ・明日香「それが一番、あの二人が喜ぶからに決まってるわ!」
ベリンガム・十郎「本当に魔法使えるのに、ヘンなヤツ」
リディア・ディ・明日香「さー、次はさらに面白い設定を考えてと。マキちゃんとミルちゃんに合う魔法は・・・」

コメント

  • 最後に爆弾発言が飛び出して、「はっ?」て二度見しちゃいました。だから十郎は明日香に対して生かさず殺さず的な扱いをしてたんですね。一瞬あちら側に行ったマキとミルが無事にこちら側に戻ってきてくれてよかったです。

  • なるほどー、高校2年生にもなれば、現実やら将来やらにも目が行くので、マキちゃんやミルちゃんみたいなリアクションも納得です!
    それにしてもラストのオチ、衝撃で笑ってしまいましたw

  • 多くの少年少女たちが憧れる魔法。
    いや、大人になっても使える物なら使ってみたいですね。
    って、本当に魔法使えるんかい!とツッコミを入れたくなりした笑

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