ぼくの家族と宇宙船飛来

嬌乃湾子

ぼくの家族と宇宙船飛来(脚本)

ぼくの家族と宇宙船飛来

嬌乃湾子

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〇田んぼ
「じゃあ僕、おうちこっちだから帰るね」
「透、また明日なー」
「バイバーイ」

〇平屋の一戸建て
加取 透「おばあちゃ~ん!」
加取 キヨミ「透、帰ってきたか」
加取 キヨミ「こっちの生活に慣れたかのう」
加取 透「うん、こっちの学校も楽しいよ!」
魅伊「お義母さん、来実を預けて貰ってすみません」
加取 透「おばあちゃん来実は~?」
加取 キヨミ「中に居るぞ、はやくお入り」
加取 透「うん!」

〇古いアパートの居間
加取 透「来実」
加取 来実「あっ兄ちゃん」
加取 透「なんだ、お前もそれ貰ったんだ」
加取 来実「そうよ~ママからよ。可愛いでしょ?」
加取 透「大切にしろよ」
加取 透「それより、今から一緒に虫取りするぞ」
加取 来実「やーよ」
加取 来実「私、今からおばあちゃんにお花摘んであげるの」
加取 来実「兄ちゃんこそ手伝ってよ」
加取 透「花なんてつまんない、僕は虫取りがいいんだ」
加取 来実「そんな事言って」
加取 来実「おばあちゃん家に居るようにってママから言われたんでしょ?」
加取 透「来実うるさい」
魅伊「二人とも喧嘩はやめなさい」
加取 透「パパ!」
加取 透「パパは虫取りの方がいいよね」
加取 良雄「ああ、夜になったらクワガタを取りに行こう」
加取 透「やったぁ」
魅伊「ママたちは買い物に行くから二人ともいい子にしててね」
加取 透「うん、行ってらっしゃい」
加取 来実「ほらぁ」
加取 来実「じっとしてた方がいいと思うけどな~」
加取 透「じゃあいいよ」
加取 透「クワガタ捕りに行くまでおばあちゃん家、探検でもするからさ」

〇大きな箪笥のある和室
加取 透「こっちが仏壇で」
加取 透「こっちが物置で~と」
加取 透「あっ戸棚があるぞ。中を見てみよう」
加取 透「ん?何だこれ」
加取 透「わ、お宝を見つけたぞ!」
加取 透「これ、おばあちゃんのかな・・・?」
加取 透「何だ?」
加取 透「わっ!」
加取 透「た、助けて来実、おばあちゃん!」
加取 透「ママ、ママ~!」

〇電脳空間
加取 透「ここ・・・」
加取 透「なんで・・・お部屋が変わったの?」
加取 透「ママ、早く助けにきて!」
加取 透「だ、誰!?」
飛来「これからは俺の事をママと呼ぶな」
飛来「俺の名は飛来、この家が所有している船だ」
加取 透「何言ってんだ。ここは船じゃない!」
加取 透「ここはおばあちゃんのおうちだぞ」
飛来「そのスターチャーム」
飛来「それを持ってるって事はここの家族だって認識しているんだ」
飛来「お前、キヨミの孫のトオルだろ」
加取 透「何で・・・ぼくの名前まで知ってるんだよ」
飛来「何だ知らないのか、だったら教えてやる」
飛来「この家、宇宙船があるなんだ」
加取 透「う・・・嘘だ」
加取 透「嘘だ!」
加取 透「宇宙船なんて、宇宙飛行士か」
加取 透「お金持ちしかなれないのにそんなものあるか!」
飛来「本当さ」
飛来「ヨシオがあるツテでキヨミの家を」
飛来「古民家兼、宇宙船専用格納庫に改築した」
飛来「その名も「飛来」俺の事だ」
飛来「トオルが見つけたそのブレスレットで俺は起動する」
飛来「あ、買ったのはヨシオだけど」
飛来「よく乗るのはミイの方だな」
飛来「あいつ、キヨミ婆さんの散歩にこの船を動かして」
飛来「宇宙まで繰り回してるんだぜ」
飛来「その界隈では鬼女とか呼ばれているんだぞ」
飛来「此処では鬼嫁だけどな」
飛来「ははは!」
加取 透「・・・ママは鬼女じゃ無いや」
加取 透「ママの事をそんな風に言うな!」
飛来「何だこいつ、マザコンかよ」

〇平屋の一戸建て
底田「もしもーし こんにちはおばあちゃーん」
加取 キヨミ「おや」
加取 キヨミ「どちら様ですか?」
底田「あっ私、銀行に勤めてるソコダですがー」
底田「この前還付金が戻るって言っていたあれなんすけどー」
底田「教えて貰ったカードの暗証番号、間違ってましたよー」
加取 キヨミ「そうかそうか」
加取 キヨミ「それはすまんかった」
底田「間違えたら駄目ですよー。今度こそちゃんと教えて下さいよぉ」
加取 キヨミ「そうかそうか」
加取 キヨミ「よく覚えとらんのじゃ」
底田「ふざけんじゃねぇ!」
底田「何度も何度も間違えやがって!!」
底田「カァネほしかったらさっさと教えろやコラぁ」
加取 来実「・・・おばあちゃん どうしたの?」
底田「おっ、今日はこんなガキも居るのか」
怪しい人2「どうした」
底田「あっアニキ」
底田「この家の婆さんがとんだ野郎で困ってるんすよ~」
怪しい人2「・・・」
怪しい人2「いつまでもこんなおばあたんに手こずらせやがって」
怪しい人2「もうお前には任せられないな」
底田「えっ、おばあたん?」
アクタン「俺はグレイトデラックスヒール・アクタン!!」
アクタン「このイケメン宇宙人がこの子供たんを奪って行くたん~!」
加取 来実「きゃああぁ~!!」
「ヒィ~助けて!!」

〇田んぼ
「あっ!」
加取 良雄「あの子達に何かあったんだ」
魅伊「大変、早く戻らないと!」

〇電脳空間
加取 透「わっ、どうしたの!?」
飛来「緊急事態が起きた」
飛来「今から 宇宙船を始動させる」

〇コックピット
加取 良雄「透」
加取 透「パパ!それに」
加取 透「ママ、その格好どうしたの」
加取 魅伊「透はもう」
加取 魅伊「飛来と宇宙船の事は知っているのね」
加取 透「うん、一体何があったの?」
加取 良雄「実は家の外に居た怪しい男とおばあちゃんに聞いたんだ」
加取 魅伊「来実が宇宙人に拐われたの」
加取 透「えっ?来実が!?」
加取 魅伊「その腕輪をママに渡して」
加取 魅伊「それは宇宙船「飛来」を操縦する事が出来るブレスレット」
加取 魅伊「今から来実を取り戻しに行くわ」
加取 透「・・・解った」
加取 魅伊「来実の居場所はスターチャームで飛来が把握しているから追跡するわ」
加取 魅伊「来実、待っててね」
加取 魅伊「宇宙船飛来、発進!!」

〇カラフルな宇宙空間

〇コックピット
加取 透「・・・凄いや」
加取 透「僕、本当に宇宙に居るんだ」
加取 透「・・・」
飛来「どうしたんだ」
加取 透「来実・・・死んじゃったらどうしよう」
飛来「泣いてるのか?いつも喧嘩ばかりしてるのに」
加取 透「うるさい、飛来には解らないよ」
飛来「安心しろ」
飛来「クルミは必ず助けるぞ」
加取 透「・・・本当?」
加取 魅伊「この星に私から逃れようなんて臆千万光年早いわよ」
加取 良雄「ママ、宇宙船飛来はもうすぐカレイド系に向かう」
加取 魅伊「彼らの動きを何とかして止めましょう」
加取 魅伊「見つけたわ!」
加取 良雄「いくぞ!」

〇宇宙ステーション

〇カラフルな宇宙空間
「ウワァー、操縦が効かないたん~!」

〇コックピット
加取 魅伊「やったわ」
加取 魅伊「何とか軌道を反らす事が出来た」
加取 良雄「よし!彼らはあの小惑星に落ちたぞ!」
加取 魅伊「私たちも着陸するわ!」

〇リンドウ
加取 魅伊「ここは鏡のように映し出された世界が反射し合う星域」
加取 魅伊「まるで万華鏡のようね」
加取 魅伊「飛来」
加取 魅伊「飛来ならあのUFOから来実を救い出せるわ」
飛来「解った、俺が行く」
加取 透「ママ、僕も行く」
加取 魅伊「駄目よ、透は危険よ」
加取 透「ぼくも来実を助けたいんだ」
加取 透「それに、飛来の力にもなりたい」
加取 魅伊「・・・でも」
飛来「ミイ」
飛来「俺が居ればトオルは安全区域に入れる」
飛来「だから安心しろ」
加取 魅伊「解ったわ、二人とも気を付けて」
加取 透「うん、行こう!」

〇荒野
加取 透「あのUFOに来実が居るんだ、行こう!」
加取 来実「お兄ちゃん!」
加取 透「来実!」
アクタン「待ちな!」
加取 透「お前は!?」
アクタン「オレはグレイトデラックス星人、アクタン!!」
アクタン「帰して放しけりゃ身代金を払うタン」
加取 透「宇宙人のくせになんで来実を連れて行ったんだ!」
アクタン「ケケケ、ソレハだネー」
アクタン「弱い地球人を騙してカネモ~ケタ~ン!」
アクタン「お前らも捕まえるタン!!」
加取 透「ふんだ、ぼくはお前なんかに捕まらないよ!」
アクタン「減らず口を言うなや」
アクタン「そもそもこの場所を解ってないな!」
加取 透「わっ、宇宙人が増えた!」
飛来「トオル」
飛来「俺は視覚に取り込んだものを空間ごとに取り込み圧縮させて」
飛来「遥か彼方へと飛ばす事が出来る」
飛来「俺の目が奴等を捕らえる事が出来ればクルミは救えるぞ」
飛来「その間アイツの気を反らしてくれ」
加取 透「うん、やってみるよ」
飛来「トオルは絶対やられるなよ!」
アクタン「ごちゃごちゃ言うなや」
「隙ありタン!」
加取 透「わっ!」
アクタン「ドウダ」
加取 透(あんなのに当たったら危ないよ)
加取 透(何か考えないと)
加取 透「ふん、そんなのへっちゃらだよ」
アクタン「何だと」
加取 透「君がビームより早く動いたら凄いけどね、ムリだよね」
加取 透「ボクより速く追いつくか競争だ!」
アクタン「言うたな」
アクタン「俺の素早さ見るがいいタン!」
アクタン「あぁあ~オレの華麗な素早さのせいでで自滅したたん~!」
加取 透「悪いことをしてお金を貰おうとするからだよ」
アクタン「ウルサイ、こうなったらソーコーゲキたん!!」
飛来「そうはいくか!」
飛来「捕らえたぞ、カレイドスコープワープ!」
飛来「ここから消えろ!!」
アクタン「グッバ~~イ!チキショタ~ン~!」

〇コックピット
加取 良雄「透」
加取 良雄「パパは子供の頃、宇宙に憧れてよく宇宙船の模型を作って遊んだんだ」
加取 良雄「透と来実にも同じように夢を持って欲しくて」
加取 良雄「人型システム搭載の宇宙船飛来を我が家に迎えた」
魅伊「私も最初聞いた時はビックリしたわ」
魅伊「でもセキュリティ面でお義母さんが一人の時は安心だったから」
魅伊「飛来を信頼する事が出来たのよ」
加取 透「じゃあ飛来は家族みたいなものなんだね」
加取 良雄「でもな、あの宇宙船はシリーズ化されていて」
加取 良雄「飛来と同じようなのが幾つも出ているんだよ」
加取 良雄「無限にお金があれば全て手に入れてコンプリートしたいなあ」
魅伊「・・・パパ」
魅伊「これ以上は絶対に買っちゃ駄目よ!!」

〇幻想空間
  宇宙船飛来
  これはぼくの家族と飛来の物語だよ
加取 来実「おばあちゃんのおうち、UFOがあったんだ、すごーい」
魅伊「はぁ・・・超特急で帰らなきゃ」
魅伊「お義理母さんの家も気になるし」
魅伊「洗濯物も取り込まなきゃね」
加取 良雄「ママ、安全運転で頼むよ」
加取 良雄「また家族を守る為に飛来に乗るかもしれない」
加取 良雄「色々トラブルがあるだろうが、それも楽しいさ」
加取 透(パパって本当に能天気だなぁ・・・)
加取 透「まっ、別に良いよね」
飛来「何でも有りか・・・」
飛来「わっ」
加取 透「どうしたの?」
魅伊「そういえば透、飛来の事なんだけど」
魅伊「彼、私の事何か言っていたかな?」
飛来「ははっ」
加取 透「あっ」
加取 透「飛来~!」

コメント

  • 舞台が田舎の一軒家であることや、子供の姿の飛来、カレイドスコープのスチルなど、近未来的な宇宙船のお話なのにどこか優しくて懐かしいムードが漂う世界観が心地良かったです。

  • こんなにのどかで平和そうなおばあちゃんの家が
    実は宇宙船だなんて近所の人々は思ってもないだろうなあと思いました(^^)実は現実の世界にもそう家が密かに存在してたりして…宇宙人にいきなり連れ去られたら恐いなあ…
    色んな想像をしてドキドキヒヤヒヤしました!

  • お家が宇宙船って、何かワクワクします!と同時に、家族愛にほっこり!読んでいて心のいろんなところを刺激されました。
    ちなみに”鬼嫁”にはツボりましたww

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