【1話完結】怪盗シェルフェーヌ、ここに参上!(脚本)
〇巨大なビル
ジョナス「ヤツが出たぞ! 追えー! 追うんだー!」
〇屋上のヘリポート
ジョナス「観念しろ! もう逃げ場はないぞ!」
???「うふふふふ・・・ 追い詰めたつもり?」
ジョナス「何だと・・・!?」
???「うふ、うふふふふ・・・! うふふふふふふふふふ・・・!」
???「あはは、ははははは・・・! ははははははははは・・・!」
???「はは、ははははは・・・! ひぃ、ひぃ・・・! かはぁ・・・あああ・・・!」
ジョナス((過呼吸・・・!))
ジョナス「今だッ!」
ジョナス「何・・・!?」
???「うふふふふ! ダメよ、せっかちさん?」
???「今宵はつかの間、胡蝶の夢。 捕まえられるものなら──」
シェルフェーヌ「捕まえてみなさい!」
ジョナス「ぐっ・・・! 煙幕か・・・!」
ジョナス「逃げられた・・・!」
ジョナス「だが、ヤツの姿は目にした。 明日には捕まえられる!」
ジョナス「覚悟しておけよ──怪盗シェルフェーヌ!」
???「そいつは無理な話だ」
ジョナス「クラッセ・・・! ・・・俺を笑いに来たのか?」
クラッセ「はっはっはっ!!」
クラッセ「お前を笑いに来たのさ」
ジョナス「・・・・・・」
クラッセ「奴は変装のスペシャリスト。 そう簡単には捕まらない」
ジョナス「意地でも捕まえてみせる!」
クラッセ「無理だと思うがな」
ジョナス「いいや捕まえてやる! 無理なら裸踊りでも何でもしてやるさ!」
ジョナス「シェルフェーヌを捕まえた暁には お前を裸踊りさせてやる!」
クラッセ「そのセリフ忘れるなよ?」
〇カフェのレジ
後日、シェルフェーヌは近所のパン屋で
捕まった。
シェルフェーヌ((変装解くの忘れてた笑))
〇ホテルの部屋
クラッセ「よいしょー! よいしょー!」
ジョナス「あっはっはっ! いいザマだな、クラッセ!!」
クラッセ「よいしょー! よいしょー! どっこいしょー!」
ジョナス「あっはっはっはっ!!」
ジョナス「(・・・いいカラダ、してやがるぜ)」
ジョナスの中で何かが目覚めた。
〇刑務所の牢屋
ここはトルサ刑務所。
いまだかつて脱獄できた者はいない──
ハリー「なんてこった! シェルフェーヌに逃げられた!」
アッシュ「何だと!? 牢屋を一体どうやって・・・!?」
ハリー「ぐぅ・・・アイツは、ヤバい・・・!」
アッシュ「ハリー! 待ってろ! 今──!」
アッシュ「な、に・・・!」
シェルフェーヌ「バカな男ね。 抜け出せるわけないじゃない」
シェルフェーヌは殺しをいとわないのだ!
〇刑務所
「いたぞ! 脱獄囚だ! 追えー!」
「きゃー! やめてー! 人違いよー!」
「ぐっ・・・! また変装か・・・! これじゃあ、誰が本物かわからない!」
「お前か!?」
キャスリン「ちょっとやめて! あたしは怪盗なんかじゃないわ!」
キャスリン「ただの人殺しよ!」
「・・・・・・」
「・・・ふう」
トルサ刑務所の所員は殺しを
いとわないのだ!
〇桜の見える丘
「見つけたぞ! シェルフェーヌ!」
シェルフェーヌ「ふ・・・お務めごくろうさま。 でも、これまでよ」
「また変装か!? それともヘリか!?」
「あいつ、風船にまでなれるのか!?」
シェルフェーヌ「ごきげんよう、刑務官様」
「クソッ・・・! 逃げられた!」
〇川沿いの公園
エマ「あ、ちょうどいい的がある!」
エマ「えーい!」
シェルフェーヌは絶命した。
エマ「風船かと思ったら、女の人だった・・・! どうしよう・・・!」
エマ「・・・・・・」
エマ「鳥さんおいで~♪ 食べていいよ~♪」
エマは動物に優しいのだ!
〇黒
???「──ヌ」
???「――シェルフェーヌ」
〇裁きの門
シエル「・・・ここは?」
インフェルノクイーン「ようこそ『インフェルノ』へ」
シエル「何だ、場末のバーか」
インフェルノクイーン「地獄よ」
シエル「難儀してるわね。 経営がんばって」
インフェルノクイーン「バーじゃないから!」
シエル「・・・・・・?」
インフェルノクイーン「だからバーじゃないって!」
シエル「あはは、マスターウケる~!」
インフェルノクイーン「この子、カマ茹で地獄で」
シエル「きゃー!!」
〇遊園地のプール
オリバー「若いのにこんな苦しいところに来るとは 一体前世で何をしたんだい?」
シエル「宝石を盗んだだけよ! でもあれは元々、おじいさまのもの!」
シエル「泥棒だなんて言われる覚えはないわ!」
オリバー「ほほう? 『義賊』という奴かい?」
シエル「そうよ! おじいさまが言ってたもの!」
シエル「『この世の全てはわしのもの』だって!」
オリバー「・・・・・・」
オリバー「・・・親思いのいい子だねぇ」
オリバー「私は堕天使。 お前さんを天上へ導いてやろう」
シエル「嫌よ! どうせなら地上へ戻しなさい!」
オリバー「わかった」
シエル「やったー!」
〇ホテルの部屋
クラッセ「どっこいしょー! どっこいしょー!」
シエル「こ、ここは・・・?」
ジョナス「誰だこの小娘は!?」
ジョナス「ここは女人禁制だ! 出ていけ!」
シエル「言われなくても──」
クラッセ「・・・・・・」
シエル((こ、これは・・・恋?))
シエル((でも、私は怪盗で、この人は・・・!))
シエル「・・・・・・」
シエル「・・・私は怪盗シェルフェーヌ」
シェルフェーヌ「この世の全ては私のもの!」
ジョナス「お、お前は!?」
〇セルリアンタワー東急ホテル
シェルフェーヌ「怪盗シェルフェーヌ! あなたの大事なものを頂戴したわ!」
〇ホテルの部屋
ジョナス「お、お前ぇぇぇええええええ!! クラッセを返せぇぇぇええええええ!!」
〇セルリアンタワー東急ホテル
シェルフェーヌ「きゃあ!!」
シェルフェーヌ【鳥】「命あっての物種・・・今日は これくらいにしといてあげる」
シェルフェーヌ【鳥】「でも忘れないで。 クラッセは必ず、私が頂戴する」
シェルフェーヌ【鳥】「覚えてなさい──ジョナス警部!」
〇ホテルの部屋
ジョナス「あいつ、鳥に!?」
〇川沿いの公園
クラッセ「・・・逃げられてしまったな、ジョナス」
ジョナス「カッコ悪いところ見られちまったな。 だが、俺は諦めないぜ?」
ジョナス「必ずシェルフェーヌを捕まえる! そして──!」
クラッセ「ん? 何か言ったか?」
ジョナス「いや、何でもない」
クラッセ「そうか」
クラッセ「・・・ジョナス」
ジョナス「何だ?」
クラッセ「助けてくれてありがとう」
ジョナス「ぐぅぅぅぅぅ!」
クラッセ「どうした?」
ジョナス「い、いいいや、ななな何も・・・?」
クラッセ「そうか」
クラッセ「それじゃあ、オレからもうひとつ」
ジョナス「な、な、な、なななななになになに、 ・・・何だ?」
クラッセ「約束だ」
〇ホテルの部屋
ジョナス「あっぺらぽー♪ あっぺらぽー♪」
クラッセ「はっはっはっはっ!! 傑作だな!!」
ジョナス「よっぽっぽー♪ よっぽっぽー♪」
クラッセ「はっはっはっはっ!!」
クラッセ「・・・・・・」
クラッセ((・・・俺も、負けていられないな))
クラッセの中に闘志が芽生えた。
〇美術館
後日
ジョナス「怪盗シェルフェーヌが出たぞ! 追え! 追うんだ!」
ジョナス「くっくっくっ・・・今日こそ年貢の 納め時だ、シェルフェーヌ!」
シェルフェーヌ「捕まえられるものなら──」
シェルフェーヌ「捕まえてみなさい!」
ジョナス「あいつ、風船に!?」
〇川沿いの公園
ジョナス「逃げられた・・・!」
クラッセ「今度ばかりは捕まえられないだろう?」
ジョナス「クソ、嫌味でも言いに来たのか?」
クラッセ「俺にまた裸踊りを見せたいのか?」
ジョナス「な、何だ・・・?」
クラッセ「嫌味を言いに来た」
ジョナス「・・・・・・」
ジョナス((ふ・・・大胆な奴だ))
〇ホテルの部屋
ジョナス「あっぺらぽー♪ あっぺらぽー♪」
クラッセ((キレのある動き・・・盗ませてもらう))
〇川沿いの公園
エマ「あ! また女の人が・・・!」
エマ「・・・・・・」
エマ「鳥さんおいで~♪」
〇空
シェルフェーヌ、それは死んでも
死なない怪盗!
最初にシェルフィーヌが笑いすぎて過呼吸になったときに嫌な感じのいい予感がしたけれど、期待通りの展開でした。それにしてもクラッセは男にも女にもモテモテですね。これからも仕事そっちのけで裸踊りに精進するんでしょうね。
怪盗モノのテンプレを悉く裏切る展開に笑ってしまいました。気が付いたら刑務所とか裸踊りとか地獄とか裸踊りとか……最高です!
あの有名な怪盗ル○ン三世にも負けぬ劣らぬ怪盗ですね笑
いや、風船や小鳥にはなれないからそれ以上か?!
でも何度も同じループから永遠と抜け出せなさそう笑