みんな、知ってる。~恐神シャーロットちゃんの秘密~

Too Funk To Die

シャーロットちゃんの秘密(脚本)

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〇教室
シャーロット「あのね、わたし、実は人間じゃないんだ・・・」
  放課後の教室。
  シャーロットちゃんの言葉に、わたしは何も答えられなかった。
  その代わり、心の中で叫んだ。
美也「みんな知ってるわ!!」
  恐神シャーロット。15歳、女の子?
  彼女はわたしの同級生で、入学式の時からこの姿だ。
  特に誰からも説明はない。
シャーロット「・・・驚かないの?」
美也「いや、驚いてはいるんだけど」
  やっぱりバレてないつもりでいたんだなってところにね。
シャーロット「何それ〜。でも、ドン引きされなくてよかった」
シャーロット「急にこんなこと言うなんて、ちょっとイタイもんね」
美也「そ、そうだね、信じがたいっていうか、イイガタイっていうか」
  この見た目で、人間です、と言われた方が驚いたと思う。
シャーロット「美也ちゃんだけに話すんだからね!」
シャーロット「誰かに言ったら、ただじゃおかないからね!」
美也「マジで怖いよ。誰にも言えないって」
  ビームとかで焼き払われたりするのかな?
美也「ところで、人間じゃないなら何なの?」
  やっぱり魔神とか、悪魔だろうか?
シャーロット「本当はね、妖精の国エトワールから来た星の使いなんだ」
美也「・・・・・・?」
シャーロット「あはは、ようやく驚いてくれた!!」
シャーロット「さすがの美也ちゃんでも、妖精の国なんてのがあるだなんて思わなかったでしょ?」
美也「いや、そんなファンシーな存在だったって方に驚いたんだけど」
  星の使いっていうより、どっちかっていうと死の使いって感じじゃない?
シャーロット「ブルルルルルシュシュ・・・」
美也「な、何!?」
シャーロット「あ、ごめん! お昼ちゃんと食べてなかったからお腹すいちゃって・・・」
美也「妖精にしては腹の虫が規格外過ぎない?」
シャーロット「続きは帰りながら話そ? わたし、駅前に美味しそうなメロンパンの屋台見つけたんだ!!」
美也「あ、ちょっと!!」
  シャーロットちゃんはわたしの手を強く握って教室を飛び出す。

〇黒
  ガシャーンッ!!
  毎回ガラスを突き破って、直接外へ飛び出していくのは、本当勘弁して欲しい。

〇川沿いの公園
  帰り道──
シャーロット「もーほんと、その時は惑星の核ごと破壊し尽くそうかと思ったよ〜」
  楽しそうにおしゃべりする姿は、普通の女子高生みたいだ。
  見た目と内容以外。
シャーロット「ところで、さっきの話の続きなんだけどね」
シャーロット「美也には、この街を守る戦士になってほしいの」
美也「え、わたしが戦うの!?」
シャーロット「そう、これは美也にしかできないことだよ!?」
美也「いやー、シャーロットちゃんが戦った方が早いんじゃないかな・・・」
シャーロット「そうしたいのは山々なんだけどね」
シャーロット「エトワールからこっちに来るとき、力のほとんどを失っちゃったから」
シャーロット「今はなんの力も持たない身一つの妖精なの」
  その身一つがあれば十分いけそうな気がするけど。
シャーロット「さあ、この「星の宝種」を食べて、戦士の力を受け取って!」
美也「えぇ・・・」
  一体どんな重力の星だと宝種ってこういう形になるの?
美也「ちょっと待ってよ。そんな急に言われたって、受け入れられないよ」
  主に形が。
???「助けてーー!!」
美也「なに!?」
シャーロット「・・・あそこ!!」

〇水中
男の子「ガボボボッ!!」

〇川沿いの公園
美也「溺れてる・・・助けなきゃ!」
シャーロット「待って!! 行っても美也も溺れるだけだよ!!」
美也「じゃあどうしたらいいって言うの!?」
シャーロット「これを・・・!!」
美也「これを・・・じゃねえよ!!」
美也「どさくさに紛れて食わせようとすんな!!」
  叫んだ勢いのまま、わたしは子どもの元へと走り出した。
シャーロット「美也ちゃん・・・」

〇水中
  ドボン!!
美也「今、助けるから・・・!!」
  この辺りなら、ギリギリ足が着く──
美也「あっ!!」
  やば、足下が滑って・・・
  このままじゃシャーロットちゃんの言う通りになっちゃう──!!
シャーロット「まったく、世話が焼けるんだから美也は」
美也「この声──!!」
シャーロット「本当は秘密にしたかったんだけど」
シャーロット「見せてあげる、星の使いの力を──!!」
  コオォ、と強い光がシャーロットちゃんに集まっていく!

〇魔法陣2
シャーロット「エッジワース・カイパーベルト!!!!」

〇空
  ・・・・・・・・・・・・
美也「──えっ?」
美也「川の水・・・全部干上がってる!?」
  足元では、行き場をなくした魚がピチピチ跳ねている。
???「エッジワース・カイパーベルトはわたしの生命エネルギーを熱量に変える技──」
???「だから、川の水が一瞬で蒸発しちゃったの」
シャーロット「二人とも、無事でよかった」
  ・・・・・・・・・・・・
美也「えーと、どちら様?」
シャーロット「やだなぁ、シャーロットだよ美也ちゃん」
美也「ええええ!!!?」
  ムキムキ魔神は!?
シャーロット「あの技使うと、しばらくこんな姿になっちゃうんだ」
シャーロット「恥ずかしいから、皆には秘密だよ?」
美也「わ、わかった・・・」
  恥ずかしいの基準はよくわからないけど・・・

〇川沿いの公園
男の子「おねーちゃんたち、バイバーイ!!」
美也「バイバイ、気をつけてね」
  男の子はお母さんに連れられて帰っていく。
シャーロット「大事なくてよかったね本当」
美也「もう戻ったんだ・・・」
シャーロット「この街の空気は美味しいからね。少し休めば元通りだよ!!」
  逆にどんな淀んだ空気の街から来るとこう言う生物になるんだろう。
美也「──ごめん、シャーロットちゃん!!」
シャーロット「えっ?」
美也「わたし変な意地張って、結局助けられてて・・・」
美也「全部シャーロットちゃんの言う通りだった・・・」
美也「本当、ごめん!」
シャーロット「いいんだよ、美也ちゃん」
シャーロット「わたしもちょっと強引すぎたかなって思ってるの」
シャーロット「まあ、助けに行ったのに溺れたのには正直引いたけど」
美也「そこ、えぐらないで!!」
シャーロット「うん、この話はお終い!! お互い水に流しましょ!!川は流れてないけど!!」
シャーロット「そう言うことだから・・・」
美也「・・・?」
シャーロット「はいどーぞ」
美也「それはぜったい無理」
  ──おしまい

コメント

  • とっても面白かったですー!!🤣
    会話の掛け合い最高でした!!!笑わせていただきました!!!
    ありがとうございました!!

  • 掛け合いとツッコミの切れが抜群で、各所で笑いが止まりませんでした!
    どさくさに紛れきれない感じが好きです笑
    楽しい作品を読ませていただいて、ありがとうございました!!

  • めちゃ笑えました!笑
    シャーロットちゃんもですが、美也ちゃんのツッコミが適格すぎてすごいコンビですよ!
    めちゃくちゃ楽しませてくださってありがとうございます!笑

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