乳圧の頂点を目指して…!

おさかな

はじまり(脚本)

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〇線路沿いの道
  それは本当に偶然だった。
  よそ見をしていた高校生悪魔のリリムと
  同じくよそ見をしていた天使ちゃんが
  曲がり角でぶつかることで、
  伝説が始まる──

〇荒廃したセンター街
リリム「ん・・・」
リリム「ハッ!」
リリム「何処なのよここは?! なんか曲がり角で天使とぶつかって異世界に飛ばされているような気がする!」
天使ちゃん「そうなんです! 理解が早くて助かります!」
リリム「あんた誰?!」
天使ちゃん「天使です!」
リリム「だろうね?!」
天使ちゃん「そしてここは乳圧(にゅーぷれじゃー)が全てを握る世界です!」
リリム「何それ?!」
天使ちゃん「私とぶつかって乳世界(にゅーわーるど)に来てしまった貴方は、乳圧で全ての頂点に君臨しないと元の世界に帰れないのです!」
リリム「ファー?!」
天使ちゃん「知力も魔力も関係ありません! 乳圧だけが全てです!」
天使ちゃん「なのですが・・・」
リリム「ん?」
  天使ちゃんの視線がリリムの胸元を捉える。
天使ちゃん「今の貴方には乳圧が足りないような気がするのです」
リリム「・・・ちょっと! どこ見て困った顔してんのよ!」
天使ちゃん「でもご安心ください! この世界は天然物が全てでは無いのです!」
リリム「ムキィー!」
天使ちゃん「あちらをご覧ください」
リリム「ん?」
  天使ちゃんの指さす先に、機械のように整った顔の女がいた。
  女は2人に気づいてこちらに近づいてくる。
天使ちゃん「あれは乳圧審査員です!」
リリム「審査員?」
審査員「そこの貴方」
リリム「はい?」
審査員「ノー乳圧よ!落第だわ!」
リリム「はああ?!うるっさいわね!」
天使ちゃん「まぁまぁ。そのまま見ててください」
リリム「あん?」
審査員「あら!そこの貴方」
通行人1「うん?」
審査員「ナイス乳圧よ!邁進なさいね!」
通行人1「んふふ。ありがと」
リリム「ちょっと待てーい!!」
天使ちゃん「そういうわけなので、天然物が全てでは無いのです!」
リリム「いや納得いかんけど!?」
天使ちゃん「でもでも、天然物が全てだと、 貴方は元の世界に帰れなくなってしまいますですよ・・・?」
リリム「うるっさいわ!」
  リリムと天使ちゃんが騒いでいると、そこへのそのそと近づく影があった。
ヘン・タイーン博士「フォフォフォ、お困りのようじゃな?」
天使ちゃん「あ、ヘン•タイーン博士!」
リリム「なまえー!!」
ヘン・タイーン博士「そこの無い無いペッチャリンをナンバーワンにするなど容易いことじゃよ」
リリム「誰が無い無いペッチャリンだ?! 誰がー?!」
  青筋を立てるリリムを押し除け、天使ちゃんは博士を促した。
天使ちゃん「ふむふむ。 博士、何か考えがあるのです?」
ヘン・タイーン博士「おうとも。 この爆乳成長剤を飲めば・・・」
リリム「飲めば・・・?」
ヘン・タイーン博士「最長30キロまで乳が伸ばせるぞい! これはナンバーワン確実じゃな!」
天使ちゃん「それなら元の世界に帰れますね!」
リリム「飲めるかそんなもんー!」
  騒ぐリリムを、ヘン・タイーン博士は面倒臭そうに一瞥する。
ヘン・タイーン博士「全く五月蝿い小娘じゃ。 ならば、これはどうじゃ?超乳生成剤じゃ!」
リリム「それは?」
ヘン・タイーン博士「これを飲めば実に乳が150m3の体積を持つことが可能じゃ!これならかさばらんぞ!」
天使ちゃん「体積も乳圧には大事な要素ですからね! これで元の世界に帰れますね!」
リリム「だからそんなもん飲めるかー?!」
ヘン・タイーン博士「全く五月蝿い小娘じゃのう」
リリム「身体に影響のないやつにしなさいよ! 30キロとか150m3とか、動けるわけないでしょ!」
天使ちゃん「むぅ。確かにそれは盲点でしたね」
ヘン・タイーン博士「チッ。変なところは小賢しいのぅ」
天使ちゃん「でもでも、ナンバーワンになるならそれなりの乳圧は無いと難しいのですよ? あっちにいる人見えますか?」
リリム「ん?」
  あっち、と天使ちゃんが指した先には、
  1人の女が散歩をしているところだった。
  はち切れんばかりの膨らみをぽいんぽいんさせながら、ご機嫌に歩いている。
天使ちゃん「あれは乳圧ランキング50位の千々さんです」
リリム「あれで50位?!あれで?!ホントに?!」
天使ちゃん「はい。 千々さんは珍しい天然物さんなので、ファンもいっぱいなのです」
リリム「ふぇ?! さっき天然物かどうかは関係ないって言ってなかったっけ?!」
天使ちゃん「天然物が全てではないとは言いましたが、天然物であることはそれなりに重要な審査項目ですよ?」
リリム「なにー?!」
ヘン・タイーン博士「そういやぁあの娘、この前も乳圧ランキング上位者を抑えてテレビに出とったのぉ」
天使ちゃん「貴方は千々さん含め、様々な乳圧ランキング上位者を倒して頂点に立たなければならないのですよ?」
天使ちゃん「多少の我慢は必要ではないですか?」
リリム「う、うぐぅ・・・ でも・・・」
天使ちゃん「もし、どうしても嫌だというのなら──」
リリム「ふぇ?」

〇キラキラ
天使ちゃん「──筋肉です」
リリム「・・・は?」
天使ちゃん「胸筋を鍛えるのです! 誰よりも美しく!大きく!しなやかに!」
リリム「はえ?!」
ヘン・タイーン博士「・・・なるほど。一理あるわい」
リリム「ホントにある?!」
天使ちゃん「乳圧ランキング上位者には、最上級の美胸筋の持ち主もいます。 これは決して変ではないのですよ?」
ヘン・タイーン博士「わしは好かんがな」
天使ちゃん「さぁさぁ、胸筋を鍛えるのです! 筋トレメニューは私が考えますから、貴方は私のいう通りにしてくださいね!」
リリム「え、えええ・・・」
天使ちゃん「イヤイヤやってはいけません! 筋肉を理解し、愛して通じ合ってこそ肉体は応えてくれるもの!」
天使ちゃん「最強の美胸筋を目指して頑張りましょう!」
リリム「薬飲んどけば良かったかもしんないー!」
ヘン・タイーン博士「フォフォフォ。 ではわしは最高率のプロテインの調合でもしておくかの」
天使ちゃん「んふふ。そちらは任せましたよ、博士。 素敵な胸筋に出会えるのが、今から楽しみです・・・!」
リリム「いやだー!」
  こうして、リリムは最強の美胸筋を得るために特訓に励むのだった──

コメント

  • 天然物じゃなくてもいいけど天然物は貴重だとか、私のいる世界もニューワールドと同じ基準なんですけど、どしたら別の世界に行けますか?ところで、この世界の男性陣は何の圧で順位がつけられてるんだろう?

  • この世界設定には驚きました!そして大笑いしました!何よりも、この可愛らしいキャラクタービジュアルがピッタリなのに驚きです!
    あー、この世界を鑑賞しに転移したいですw

  • 是非とも私も審査員に加えてほしいものです。
    でも大きさが重要なわけではありません。
    オールマイティに、芸術的に…。
    因みに私は即落第です。

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