領主皇子は守護神級

しろのあ

王都編〔5〕(脚本)

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〇豪華な部屋
  既に客間には、シャメルが待機しておりヴェスカの状態を見て肩をかす。
シャメル「昨日も来たの?」
ヴェスカ「大丈夫・・・だ。慣れないと・・・」
シャメル「・・・嫌なのはわかるけど王家に頼るのも手だよ」
ヴェスカ「ハッ!・・・母様のことさえ忘れてそうな人なんか絶対に頼らねぇ」
シャメル「そうだよね・・・」
  シャメルは年下の弟の顔色が悪いのを気遣い、この話し合いが終わったら魔道具屋に道具を買いに行こうと心に決めるのであった。
  更に少しでも休めるように肩を貸して眠るように誘導する
  そこに、王妃のレイチェルがやってくる。すぐにヴェスカの顔色が悪い事にも気づき、医者を用意するよう指示を囁く。
レイチェル王妃「朝早くに呼び出してごめんなさいね。顔色が悪いようだけど、別の日にさせましょうか」
ヴェスカ「大丈夫です。問題ありません」
シャメル「お話があるとお聞きしました。どのような内容でしょう?」
  王妃はシャメルが本題に移らせ、早めに話を終わらせようという運びをした事を汲み取る。
  すぐにその運びに頷き、本題を話し始める。
レイチェル王妃「私はあなたたち2人に謝らねばなりません。私の身勝手な提案により2人はそれぞれ過酷な領地で過ごす事になった発端なのです」
「とんでもございません!王妃様が謝ることは全くありません」
シャメル「どちらかと言うと王妃様も被害側のお立場でしょう」
ヴェスカ「寧ろ我々が妾の息子として生まれてきてしまった事で、継承権に関してややこしくしているのは事実」
ヴェスカ「こちらこそ生まれてきて申し訳ありません」
レイチェル王妃「そのようなことはありません!断じて生まれてきて悪かったことなどありませんわ」
レイチェル王妃「先日の歓迎会のパーティーでも不快な気分になったでしょう。アルスタにはきちんと話をしておきましたからね」
(それはそれでどのような話なのか聞きたいな・・・)
レイチェル王妃「とにかく、私は貴方達を忌み嫌うことはありません。ただ、こちらは王妃としての立場から貴方達を傷つけた事には変わりありません」
レイチェル王妃「多くの苦労をさせてしまったのでしょう。あの人も、深く反省しているの。どうか、話し合いの機会を重ねてくださらない?」
(・・・それとこれとは別の問題だな。 しかし、王妃様にお願いされてしまうと従わざるおえないか)
ヴェスカ「王妃様がおっしゃられるなら・・・別の機会で・・・話し合いを設けても・・・」
  それが別の日であることが前提で受けるかと考えがまとまった名を伝えようと口を開きかけると、問題の張本人がやってきてしまう。
国王「話は進んでるかな?」
  既に別の機会ならと言う条件を聞いた後に現れた国王に王妃も聞いてないと扉の向こうにいたハリスを睨む。
レイチェル王妃(何故今ここに連れてきたのです!)
ハリス(ハッ・・・・・・やはり連れてくるべきではなかったようだ。申し訳ございません!レイチェル様)
レイチェル王妃「陛下?!何故こちらに・・・今日は来られないんじゃ」
国王「親子水いらずで話に参加したくてな?レイチェルの話は終わったのかい?」
レイチェル王妃「陛下・・・あのですね」
  国王が笑顔で出現した光景にヴェスカとシャメルはひどく冷め切っていた。
ヴェスカ(もう話終わる感じだったのに、邪魔が入った)
シャメル(早くヴェスカを休ませてあげたいと言うのに、なんでこんなタイミング悪いかな。この人)
  2人からの威圧的な視線に、場違いな感覚を今更ながらに感じ始める国王。
国王「ア、アレ・・・?ハリス、なんか私したか?」
ハリス「タイミングが悪かったのかと」
国王「あーえっとな、私はお前達の生み親である2人に贈り物を送りたくてな。是非とも一緒に考えてもらえないかなぁ、と思ってだな」
「ハ?」

〇豪華な部屋
  2人の頭には同じ言葉が浮かんでいた。
  こいつ何言ってんだ?と・・・
国王「え、あ・・・いや、だ、だからな・・・是非とも仲直りするために・・・まだ間に合うと思うんだよ」
  国王から放たれる言葉に寝不足のヴェスカはブチギレ寸前であった。
  シャメルも早く休ませてやりたいと言う苛つきが忍んでいた。
ヴェスカ「まだ・・・?」
シャメル「遅くないとはなんのことですか?」
国王「だ、だから・・・仲直りというかだな・・・」
シャメル「おや、母上と喧嘩別れでもしたのですか?陛下」
ヴェスカ「てっきり、既に記憶の彼方に送り込んであったものかと。まだ覚えたらしたのですね」
  二人の剣呑な雰囲気はハラハラと見守っている騎士や、王妃、ハリスも感じ取っていた。本人は震え上がっている。
国王「あ、当たり前だろう。誰が忘れるものか」
ヴェスカ「俺は名前は忘れたのに?」
国王「うぐ・・・」
  痛いところをつかれて、国王は話す言葉が浮かんでこなくなる。
シャメル「遠くにやって、清々していた。だから、送り出したあと何の音沙汰もなかったのですよね?」
シャメル「自分達が穏やかな日々を過ごせていて幸せを感じていた。それならそのまま継続なさってください」
ヴェスカ「気持ちの整理をつかさせるために離婚届などを用意していただけた方がまだマシです」
ヴェスカ「その後はこちらが勝手に母上達を説得するなり、諦められないといいだした場合は本人に貴方が伝えられるように手配いたしましょう」
シャメル「ですから、」
ヴェスカ「俺達の関与は一切してきてほしくありません。本来ならその書類と一緒に離縁の手続きなどもしたいところですが・・・」
ヴェスカ「今はその程度にしておきましょう」
  絶対に貴方とは自分たちは関わりを持ちたくない。その考えが伝わり、国王は既に彼らとの間に深い溝以上のものがある事に気づく
国王「い、一生関わりを持たないわけではあるまい?」
ヴェスカ「申し訳ありませんが、俺はとりあえず貴方を親だと認識した覚えはないので。一生で構いません」
シャメル「ヴェスカと同じ意見です」
  部屋には重苦しい空気が漂う。耐えきれない様子で肩を落とす国王。その部屋で全てを伝えきれたと思い合う2人。
  シャメルはヴェスカの顔色を伺った。するとヴェスカの眠気がピークに達しているのに気づき、シャメルが慌てる。
シャメル「お話は今回王妃様にお呼びされたからこちらに参りました。陛下と話すことはもうありませんので失礼します」
  そう言って、ヴェスカの体を支えて強制的な離脱をするために魔法を準備。
  そして彼らは転移により離脱。

〇豪華な部屋
  その場に取り残された王妃とハリスの2人はまず、シャメルも転移魔法が使える事に驚いていた。
ハリス「まさか、シャメル様も扱えるとは・・・」

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