近未来的Retaliation

Alma@Wellクリエイター

別れは出会いを連れてくる。(脚本)

近未来的Retaliation

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〇川沿いの公園
ナツ「うぅ、さ、寒いよう・・・・・・」
  突然の豪雨。
  どんどん身体が冷えていく。
ナツ(プロポーズしてくれた公園に来るなんて、バカみたい)
ナツ(タツヤ、来ない・・・・・・)
  LINEも電話もない。
ナツ(あの言葉、本心だったんだ)
ナツ(浮かれてたの、私だけなんだ・・・・・・)

〇シックな玄関
ナツ「ただいまー」
ナツ(今日は、残業なくて上がれたから、)
ナツ(買い物できたし! 久しぶりに一緒にビールでも飲もう)
ナツ(リビングの明かりがついてるし、もう帰ってるんだ)
ナツ(最近、タツヤも残業多いって言ってたし、)
ナツ(早く帰れたなら良かった)
ナツ「タツヤ、ただいまー!」

〇明るいリビング
ミカ「こんばんはー」
ナツ「ぇ! ミ、ミカ! え、いきなりどしたの?」
  会社の同期で友人のミカ。
  今まで、家に遊びに来たことはない。
ナツ「家に来るなら、連絡してよ。 ご飯食べてく?」
ナツ「あ、ごめん。 ワインはないけど」
ミカ「ふふ」
ナツ「・・・・・・?」
ミカ「もうすぐ、 結婚するひとの余裕。 っていうやつ?」
  ──ん?
  ミカってこんな感じだっけ?

〇遊園地の広場

〇テーブル席

〇海辺

〇ケーキ屋

〇露天風呂

〇大樹の下
  色んなところに行った。

〇オフィスのフロア

〇オフィスのフロア

〇フェンスに囲われた屋上

〇オフィスのフロア
  一緒に、切磋琢磨して。

〇フェンスに囲われた屋上
  私が、マネージャーになったときには、
ミカ「おめでとう!」

〇カウンター席
  「プロポーズされた」と言ったときも。
ミカ「おめでとう」

〇明るいリビング
  そう笑ってくれたのに。
  ここで笑うミカは、
  なんだか知らないひとみたいだ。
ナツ「タ、タツヤは?」
ミカ「ああ、 シャワー浴びてるよ」

〇明るいリビング
ナツ「そ、そうなんだ?」
ナツ「とりあえず、ご飯つくろうかな」
ミカ「ねぇ」
ナツ「ん?」
ミカ「なんで、聞かないの?」
ミカ「どうして、私がここにいるの? って」
ミカ「半年後結婚を控えているのに、 浮気なんてあり得ない?」
ミカ「タツヤさんに限ってあり得ない?」
ミカ「なんで、なんにも言わないの?」
  私は、深呼吸した。
ナツ「ミカは、そんなひとじゃないでしょ?」
  うん。
  さっきの感じだって、
  ただの思い込みだ。

〇海辺
  私は、ミカを信じている。

〇商店街の飲食店
  タツヤを信じている。
  だから、
  ミカに紹介したんだ。

〇オフィスのフロア
  ミカとは、7年来の付き合いで。

〇渋谷のスクランブル交差点
  タツヤは、支社の同期が紹介してくれたひとで、

〇テーブル席
  友達から、

〇テーブル席
  恋人になった。

〇川沿いの公園
  5年一緒にいて。

〇川沿いの公園
  プロポーズしてくれたのをきっかけに、
  一緒に住み始めた。

〇明るいリビング
「おわ!!」
タツヤ「ナツ、帰ってきたのか!」
ナツ「あ、うん・・・・・・」
  なんで、そんな気まずそうにするの。
ミカ「タツヤさん、 本当のこと言ったら?」
ミカ「ね!」
タツヤ「あ」
ミカ「一生後悔したいの?」
タツヤ「ちょっと、着替えてくるわ」

〇明るいリビング
  冷や汗が止まらない。
ナツ「ミカ、本当のことってどういうこと?」
ミカ「流石に私の口からは、ね」
ミカ「カワイソウ」
ミカ「ま。 ひとつ言うなら、」
ミカ「あなた、 つまんないんだって」

〇明るいリビング
ナツ(つまらない、ってなに)
  楽しいから、
  一緒にいるんだと思ったのに。
  違った。
  ──そうか。
  違うんだ。
  ずっと、見下すために。
  一緒にいたんだ。

〇明るいリビング
ナツ「そっか」
  タツヤが着替えてリビングに戻ってくる。
タツヤ「ナツ」
ナツ「私のこと、 つまらない人間って思ってたの?」
タツヤ「はー」
タツヤ「ミカのそーいうとこが、 面倒くさい」
  愛情の
  一欠片もないような瞳。
  いつから、
  こんな瞳で見られてたのか。
タツヤ「正直さ、」
タツヤ「飽きた」
タツヤ「健康的だかなんだか知らないけど、 茶色の料理ばっか喰うのも嫌だし」
タツヤ「俺さ、パスタとか、オムライスが好きなんだよ」
タツヤ「ミカは、 休日出勤して、 遊びに行く時間もないし」
タツヤ「俺、ずっとほっておかれてるじゃん」
タツヤ「でもさ、 結婚前で良かったよ!」
タツヤ「もう無理!」
タツヤ「ミカちゃん、 良い子なんだぜ!」
タツヤ「俺の話聞いてくれるし、 ゲーセンも付き合ってくれる」
タツヤ「煮込みハンバーグが、 めっちゃ美味いんだ!」
  それだって、
  茶色の料理じゃない・・・・・・。

〇明るいリビング
ミカ「タツヤさん、 あんまり言ったらダメだよ」
ミカ「ナツ、泣いちゃうじゃん」
  ・・・・・・。
  なんで、
  そんなセリフが。
  寝取った側の余裕。
  っていうやつ?
ミカ「早く、続きしよ?」
タツヤ「オッケー」
  私のことは、
  もう見えない存在にするんだ。
  ああ、なんか。
  バカみたい。
  とりあえず、
  ここにいたらダメだ。

〇川沿いの公園
ナツ(どうしよう・・・・・・)
ナツ(とりあえず出てきたから、スマホしか持ってないし)
通行人「わー、 ズブネレじゃん!」
通行人「ホントだー」
通行人「風邪引いちゃうじゃん」
通行人「どっか、 暖かいとこ行こー」
通行人「な」
通行人「そーそー」
通行人「俺ら、いい場所知ってるし」
  そう言って、
  ぐいっと腕を引っ張られる
ナツ「いや、 あの・・・・・・」
ナツ「いい、です。 と、友達のとこに」
ナツ(うそ、 最悪!)
ナツ(スマホ、充電切れてる!?)
ナツ「ホントに、 大丈夫ですっ!」
  握る力が強すぎて、
  振りほどけない。

〇川沿いの公園
タケル「嫌がっている方を引き止めるのは関心しませんね」
  時代劇に出てくるような格好で、男がひとり佇んでいる。
通行人「えー、なになに?」
通行人「──」
通行人「いい。 行こか」
通行人「はーい」
ナツ(良かった。 行ってくれた)
  ただ立ってるだけなのに。
タケル「いきなり、 3人に囲まれたら、怖いですよね」
タケル「大丈夫ですか?」
ナツ「はい。 ありがとうございます」
タケル「なにか、お手伝いできることはありますか?」
「あ・・・・・・」
タケル「近くで、茶屋を営んでいます」
タケル「よければ、温かい飲み物をお出ししましょう」
タケル「どうぞ」

〇レトロ喫茶
  路地の裏にある喫茶店。
  看板もない。
タケル「戻りました」
カナメ「お帰りー」
  カウンターの中で、
  コーヒーを注ぐ男性。
タケル「彼が店主です」
カナメ「はじめましてー」
ナツ「こ、こんばんは」
ナツ「濡れた格好で、ごめんなさい」
カナメ「いいえ。 突然の雨でしたから」
タケル「どうぞ」
ナツ「ありがとうございます」
タケル「いえいえ」
カナメ「ちょうど、コーヒーを淹れたので、どうぞ」
ナツ「あ、でも。 お金・・・・・・」
タケル「私が出そう。 連れてきたのは私だ」
ナツ「う」
タケル「気になるなら、いつか返しに来てくれたら、それで構わぬから」
ナツ「に、2、3日のうちには必ず」
タケル「ああ」
  タオルで水気を取り、椅子に座る。
  私は、スマホを見た。
ナツ(どうしよう)
カナメ「はい、どうぞ」
ナツ「ありがとうございます!」
ナツ(良かった! これで、充電できる!)
ナツ(家には帰れないし、 お金をおろして、 とりあえずホテルにでも・・・・・・)
カナメ「冷めないうちに、どうぞ」
ナツ「いただきます」
ナツ「わ、 おいし」
ナツ(香りもいいし)
ナツ(お店で飲むなんて久しぶりだな)
ナツ「お店、いつからあるんですか?」
カナメ「最近かな。 まだ看板も出してないし」
ナツ「そうなんですね。 タツヤは・・・・・・」
ナツ(こーいう雰囲気の店が好きだからって)
ナツ(はー。 バカバカ)
  あんな表情で私を見たひとに。
ナツ(結婚式もキャンセルしなきゃ)
ナツ(キャンセル料いくらするんだか・・・・・・)
ナツ(あ、スマホひとまず充電できた)
ナツ「アプリで銀行の残高確認できるから、 まず見て──」
ナツ「は!」
ナツ(なんで? 200万円以上あったのに)
ナツ(マイナス10万円って、どういうこと?)

〇レトロ喫茶
カナメ「顔色が優れませんが、 大丈夫ですか?」
ナツ「え、 いや・・・・・・。 あの──」
ナツ(え、なにこれ?)
  LINEのメッセージには、
  「最低!」「詐欺師」「絶縁!!」の文字が並んでいる。
  タイムラインに流れていた内容を要約すると、タツヤとミカが恋人同士だったのを私が奪い、
  さらに、タツヤに貢がせた女ということが書いてあった。
ナツ(事実無根もいいとこよ!)
  なんで、
  私が浮気相手みたいになってるの?
  なんで、
  みんな、それを信じるの?
ナツ(なんか、全部やだなぁ)

〇レトロ喫茶
カナメ「僕、シェアハウスも経営してるんです」
ナツ「はい・・・・・・?」
カナメ「部屋も空いていますし、 1泊くらい気にせず、どうぞ」
ナツ「え、でも・・・・・・」
ナツ「っていうか、 なんでそんなに親切に?」
カナメ「親切は、当たり前ですよ」
カナメ「驚かれることに驚きです」
カナメ「困っているひとに知らない振りをすることは、恥ずべきことです」
カナメ「女性が1人、後は僕を含めた男性3人」
カナメ「話し相手もいますし、気が紛れると思いますよ」
タケル「では、案内しよう」
カナメ「ゆっくりしていってください」
ナツ「本当に、 ありがとうございます!」

〇昔ながらの一軒家
タケル「ここだ」
  さらに、路地一本入った道の奥にそのシェアハウスはあった。

〇おしゃれな居間
カサネ「お帰りー」
カサネ「はじめましてー、 ナツちゃん、よろしく!」
  ん?
  なんで、
  私の名前を知ってるの?
タケル「カイト殿は?」
カサネ「今日も引きこもるってー」
カサネ「んじゃま、 ナツちゃん、シャワー浴びてきなよ」
カサネ「タツヤくんとの諸々の話は後で聞くから」
カサネ「パジャマは用意したのを使ってくれていいからねー」
タケル「ナツ殿。 風呂場は、こちらだ」
ナツ「あ、はい・・・・・・」
  ひらひら手を降る女の子を背に私はお風呂場へ向かった。

コメント

  • revengeでなくretaliationなのは、何か意味があるのでしょうか。シェアハウスで新しい仲間と幸せに暮らすことが最高の報復になればいいのですが。近未来的という言葉が気にかかりますね。

  • 中々に残酷な話ですね。
    恋人に裏切られ、友人に裏切られ。
    自分だったらおかしくなってしまいそうです。
    そんな時にこんなに優しくされたら…。

  • 見方を変えれば、結婚寸前にすべてが明らかになったよかったんじゃないかと思います。二人を信頼していただけに傷ついただろうけど、これでそういう人達とは別れられますよね。

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