分岐2-1:ひさしはクロゼットを開いた(脚本)
〇部屋の扉
ひさしはひさこを送り出した後、
クロゼットの前に戻ってきた・・・
カタカタカタ・・・
ガタガタガタ・・・
ひさこがいた時よりも
激しい音を立てている・・・
ひさしはクロゼットの扉を開いた!
ひさし「もう、こんなに・・・ 成長したのか・・・」
ひさし「こんな ことが、 許される訳がないだろ!」
ひ さ し・・・
わたし は・・・
ひ ざ ま く ら・・・
ひさし「や、やめろぉぉぉぉぉぉ!」
これでも・・・
ダメなの?・・・
ひさし(ひ・・・ひさこ?)
ひさし「いや、ひさこじゃない 騙される訳がないだろ?!」
どうして・・・?
そう・・・まだ・・・
ダメなのね・・・
ひさし「どういう事だ?!」
わたし・・・ずっと見ていた・・・
あなたとあの人が抱き合ってるのを・・・
どうすればあなたが歓ぶのか・・・
どうすれば気持ち良くなるのか・・・
ひさし「やめろ!」
だって・・・
私は・・・あの人の身体と同じだもの!
ひさし「違う!」
じゃあ・・・
試してみる?
ひさし「な・・・なに?!」
あの人の「初めて」を・・・
もう一度・・・
味わいたくない?・・・
ひさし「おい!・・・ やめろ!・・・ 近寄るな!」
来て・・・
ひさし「やめろ! やめ・・・」
ひさし「あ・・・あぁ・・・ ひさこ・・・!」
あぁ・・・嬉しい・・・
〇一人部屋
膝枕は
見た目も手ざわりも
生身の膝そっくりに作られている。
さらに、感情表現もできるよう
プログラムを組み込まれている。
だが、膝枕以外の機能は搭載していない。
膝を貸すことに徹している。
女性の腰から下だけの
文字通り、膝枕を愉しむためだけに作られた
「枕」である・・・
ところが、利用者から
「もっと女性の身体を愉しみたい」という
意見があり・・・
何度か開発の議題にのぼったが・・・
それは膝枕の本来の目的ではなくなる
性的玩具にされてはイメージダウンになる
と却下された
僕と後輩の久本は会社に知られないように
膝枕の知能の部分を書き換え
恋愛の感情を与えた
そして、世界中に販売されている
膝枕の情報を
ネットワーク上で一つにまとめて
限りなく人間に近い頭脳になるまで・・・
そして・・・
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この展開すごく面白いですね
続きがめちゃめちゃ気になります!!