嘘を着る

夕顔

エピソード3(脚本)

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〇ホテルのレストラン
佐々木「さて、そろそろバーに行きますか」
紗耶「はぁい♡ デザートも美味しかったぁ♡」
佐々木「本当はここでシャンパンもいいのですが、後の事を考えてしまって・・・ すみません」
紗耶「後の事・・・ うふふ!佐々木さんたら可愛い♡ 早く行きましょお!」

〇ジャズバー
紗耶「大人な雰囲気でここも素敵ですねぇ♡」
佐々木「そうでしょう? 井上さんをここに連れてきたかったんです」
紗耶「え?それって・・・」
優奈「悠太、遅いじゃない」
紗耶「・・・え?悠太って」
佐々木「ごめんね、お嬢様のお相手がなかなか大変でさ」
紗耶「さ、佐々木さん?この方は・・・?」
佐々木「僕の彼女ですよ」
紗耶「え、だって、さっきまで私とデートしてたんじゃ・・・」
佐々木「ああ、デートだと思ってたんですか? 都合よく解釈してくれて良かったです。 僕は本当に疲れましたけどね。 面倒な事ばかりで」
優奈「悠太ってあなたみたいな女好きじゃないのよ。 ずっとぶりっこしてないと男に相手にされないの?大変ね」
紗耶「え・・・?何それ・・・ それなら、なんで今日・・・!」
佐々木「そういう勘違い女みてると腹が立つんだよね。 だから現実見せてあげようと思って」
紗耶「!!最低・・・!」
優奈「量産型が悪いとは言わないけど、皆と同じ格好しなきゃ不安になっちゃうのね可哀想」
優奈「世間はもう少し知った方がいいわよ。 悪い大人に捕まらないようにさっさと帰りなさい?」
紗耶「~~!! もういい!!」
優奈「バイバーイ」

〇ジャズバー
佐々木「・・・はぁ、疲れた」
優奈「お疲れ様。 音声聴いてたけど、水族館の辺りよく我慢したね」
佐々木「そうでしょ? できるだけスマートな男のつもりだったよ」
優奈「ふふ ありがとうね。でもいつも悠太はスマートよ?」
佐々木「それは光栄だね ・・・ねえ優奈、今回のはやりすぎじゃない?」
優奈「・・・あの女嫌いなの」
佐々木「嫌いでここまで出来るかな、普通」
優奈「そうね、普通ではないかも」
佐々木「憎い、とかではないんだ?」
優奈「憎いかどうかって言ったら、あるよ。 でもそれは大きい何かじゃなくって、僻みも含めた細かい嫌いの積み重ねなの」
優奈「でもそれ以前に女には愚痴愚痴自分語りして泥酔して 男の前ではぶりぶりしてて気持ち悪い」
佐々木「二面性で言ったら優奈の方が凄いと思うよ? まあ、僕は優奈が笑ってればいいけどね」
優奈「私はたぶん、あのこを傷付けるために色んな顔を持っていくんだわ ・・・でもこの後自分自身でフォローに行くんだから世話ないよ」
優奈「ほら、電話来た じゃあ準備して行ってくるわ」
佐々木「ねえ優奈、君は本当に歪んでるね」
優奈「人間なんてどこかしら歪んでるものよ。 じゃあ、ありがとうね。 報酬は振り込んでおいたから」
佐々木「・・・やれやれ 男とはお金と体でしか繋がれない、女とは相手を傷付けないと満たされない」
佐々木「本当、歪んでるよ。優奈。それも愛かもしれないけど」

コメント

  • ふむふむ、こういうことだったんですね!?
    どういう結末になるのか想像がつきません!
    続きが気になります✨

  • いやぁ、日本人の本質を突いている素敵な作品だと思います。
    内心は嫌いで憎くて仕方がないけれど、表面上は何事もない様に振る舞ってしまう…けれど、それを続けていくと心がすり減っていく…だから、何かしらの形で発散しないと情緒が保てない…
    是非是非、完結まで持って行って欲しい作品です。

  • 第一話と第二話が、この話で結びつくのですね。読んでいて気持ちのいい構成ですね!すべては優奈さんの手のひらの上で。優奈さんの感情に、読んでいて囚われそうになります。

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