エピソード1(脚本)
〇刑務所
鎌田 真来「うーん! シャバの空気はうまいなぁ!」
暴力事件を起こし、2年の刑期を得てようやく出所。
俺は今日から生まれ変わる!
真面目に仕事をしてしっかり稼げるようになるんだ・・・!
鎌田 真来「まずは就職だ!」
鎌田 真来(ムショ帰りと言えど、俺は一級建築士の資格があるんだ)
鎌田 真来「就職なんて余裕余裕!」
〇スーパーの店内
鎌田 真来(なーんて思ってたけど・・・)
鎌田 真来「いらっしゃいませー」
鎌田 真来「お会計3,280円になります」
鎌田 真来「ありがとうございましたーっ」
鎌田 真来「・・・」
鎌田 真来「はぁ・・・」
鎌田 真来(やはりムショ帰りの就職は厳しかった・・・)
店長「あー、鎌田君?」
鎌田 真来「あ、はい」
店長「ちょーっといいかな? こっち来てくれない?」
鎌田 真来「は、はあ・・・」
鎌田 真来(嫌な予感・・・)
〇店の事務室
鎌田 真来「えーっと、なんでしょう?」
店長「うん、君さ、ムショ帰りって噂本当なの?」
店長「本当なら、なんで最初に言わなかったの?」
鎌田 真来「ムショ帰りだと・・・なかなか仕事先が見つからなくて・・・ですね」
店長「それで仕方がなく?」
鎌田 真来「うっ・・・!」
鎌田 真来「も、申し訳ありませんっ!」
鎌田 真来「どうか! クビだけは避けてもらえませんか!?」
店長「ふぅーっ」
店長「確かにね、君は真面目に仕事してるし物覚えも早い。もう立派なうちの戦力だ」
店長「でもね、そういうこと隠されたら・・・もうそれは詐欺だろ?」
鎌田 真来「そんなつもりは・・・」
店長「うちとしても君を見過ごすことは出来ないし、そんな噂が広まったらそれこそ店自体に影響が出てしまう」
店長「だから、申し訳ないけど・・・」
鎌田 真来「ま、待ってください!」
鎌田 真来「俺、娘がいて・・・今、仕事を失うわけには・・・!」
鎌田 真来「お願いします! どうか・・・!!」
店長「君には君の事情があるんだろうけど」
店長「申し訳ない」
鎌田 真来「ま、待って・・・!」
店長「これ、今日までの給料ね」
鎌田 真来「店長!」
店長「これ以上、言わせないでくれる?」
鎌田 真来「・・・」
店長「お疲れ様。次もがんばって」
鎌田 真来「っ・・・!」
鎌田 真来「お世話になりました・・・」
〇街中の道路
鎌田 真来(・・・たった3か月で無職になってしまった)
鎌田 真来(今の貯金は6万ちょい)
鎌田 真来「うーんっ」
鎌田 真来「生活は厳しいが・・・」
〇川沿いの公園
背に腹は代えられない・・・!
広瀬 彩矢「パパ―っ!」
鎌田 真来「彩矢っ!」
可愛い娘のためには、どんな苦労だって買ってやる!!
鎌田 真来「少し遅れたけど誕生日おめでとう、彩矢!」
鎌田 真来「今日はなんでも買ってやるからなぁ~」
広瀬 彩矢「わぁーい!」
広瀬 波留「よかったわね、彩矢」
広瀬 波留「真来くん。久しぶり」
鎌田 真来「波留・・・」
鎌田 真来「すまんな忙しいのに・・・」
広瀬 波留「ううん、いいのよ。養育費を払えるようになったら娘に会わせるって約束だもの」
広瀬 波留「真面目に働いてるようで私も嬉しいわ」
鎌田 真来「お、おう」
鎌田 真来(仕事がクビになったことはまだ黙っておこう)
広瀬 波留「あなたがしっかり働いて、自立してくれたら、私は気兼ねなく彩矢とも会わせてあげられる」
鎌田 真来「・・・う、うん」
広瀬 波留「お願いね、彩矢にとってあなたはヒーローなんだから」
鎌田 真来「わかってるよ」
鎌田 真来「ありがとう、波留」
広瀬 波留「じゃあ、彩矢をお願いね」
広瀬 波留「帰りは17時にまたここで待ち合わせよ」
広瀬 波留「それと最近、やたらと物騒な事件が多いし、気を付けてね」
広瀬 波留「ね、パパ」
鎌田 真来「おうよ!」
鎌田 真来「任せとけって」
鎌田 真来「よし、行くぞ彩矢!」
広瀬 彩矢「うん!」
広瀬 彩矢「ママ、いってきまーす!」
広瀬 波留「はい、いってらっしゃい」
〇遊園地の広場
広瀬 彩矢「遊園地だーっ!」
広瀬 彩矢「パパ! 彩矢あれ乗りたい!」
鎌田 真来「よし来た! パパと一緒に乗ろうなー」
鎌田 真来(貯金は今回のでほとんど使っちまったが・・・)
広瀬 彩矢「楽しいねえ。ね、パパ!」
鎌田 真来(この笑顔のためなら痛くもかゆくもない)
鎌田 真来「そうだな、彩矢」
鎌田 真来「ほら、手を繋ごう。はぐれたら大変だから」
広瀬 彩矢「うん!」
鎌田 真来「さ、並びながら次に乗りたいもの考えとけよー」
広瀬 彩矢「もう決まってる! 次はねー」
この笑顔があれば、俺は頑張れる。
まだまだ頑張るんだ。彩矢のために。
〇遊園地の広場
鎌田 真来「彩矢ー、そろそろ時間だ。帰るぞー」
広瀬 彩矢「ええー」
広瀬 彩矢「もうちょっと遊んでたいよー」
鎌田 真来「ダメだ! ママと約束したろ?」
鎌田 真来「っていうか約束破ったら俺が波留に怒られちまうよ」
広瀬 彩矢「いいよ! 怒られて」
鎌田 真来「あ、彩矢ーーーーーー!?」
広瀬 彩矢「えへへっ」
広瀬 彩矢「・・・ん? あれ?」
広瀬 彩矢「ねえ、パパ。あれなに?」
鎌田 真来「ん? なんだ?」
〇UFOの飛ぶ空
〇遊園地の広場
鎌田 真来「なんだ・・・あれ・・・円盤・・・?」
〇UFOの飛ぶ空
「うわっ!」
〇遊園地の広場
鎌田 真来「何が起こったんだ・・・!?」
客A「な、なんだ? 今のは・・・」
客A「・・・? うっ!」
客B「うぅっ・・・!」
客B「な、なに・・・体が・・・」
客A「うわあああああああっ!!」
客B「きゃああああああああっ!!」
鎌田 真来「な、なんだ・・・これ」
鎌田 真来「ひ、人が化け物に変身した・・・」
広瀬 彩矢「怖いよ、パパ・・・」
鎌田 真来「彩矢」
鎌田 真来(そうだ、彩矢を守らないと)
客C「キャアアッ!」
客C「うッ!」
客A「ケラケラッ」
広瀬 彩矢「ひっ・・・!」
鎌田 真来「に、逃げるぞ彩矢!」
〇メリーゴーランド
鎌田 真来「クソ!」
鎌田 真来「ここにもいやがる・・・」
鎌田 真来「人が化物に変わってると言うなら、人気のない場所を探せば・・・」
〇研究施設の守衛室前
鎌田 真来「ここは・・・」
鎌田 真来「封鎖中の建物か」
鎌田 真来「よし、ここなら」
〇施設の廊下
鎌田 真来「人の気配がない!」
鎌田 真来「よかった・・・彩矢、暗いから足元気をつけろよ」
広瀬 彩矢「う、うん・・・」
広瀬 彩矢「ねえ、パパ」
鎌田 真来「ん?」
広瀬 彩矢「ママ、大丈夫かな?」
鎌田 真来「あぁ、そうだな」
鎌田 真来(圏外・・・)
鎌田 真来「とりあえず、外の様子を確認しよう」
鎌田 真来「彩矢、もう少し歩けるか?」
広瀬 彩矢「うん、大丈夫!」
〇研究施設のオフィス
鎌田 真来(ここは・・・何かの研究施設か?)
鎌田 真来「あっ」
誰かいる
鎌田 真来「あの!」
男「・・・」
鎌田 真来「よかった。まだ生き残っている人がいて・・・」
男「・・・」
鎌田 真来「俺たち、外から逃げてきて・・・」
男「・・・」
鎌田 真来「あ、あの・・・?」
広瀬 彩矢「パパ・・・」
広瀬 彩矢「この人、なんか怖い」
鎌田 真来「だ、大丈夫だ、彩矢」
鎌田 真来「お、おい、あんた!」
男「お前」
男「お前は私と同じだな」
鎌田 真来「・・・」
鎌田 真来「は?」
男「その魂の色」
鎌田 真来「何を言ってんだこいつ・・・」
男「マーラだな」
鎌田 真来「あ?」
鎌田 真来「確かに俺の名前は真来だけど」
男「ふっ・・・」
男「フハハハハハ!」
鎌田 真来「なんだこいつ」
鎌田 真来「彩矢、こういうのは関わらないのが一番だ!」
鎌田 真来「行くぞ!」
広瀬 彩矢「う、うん」
男「待て」
鎌田 真来「怪人!?」
鎌田 真来「くそ! 彩矢、逃げるぞ!」
男「なるほど、そして、それがお前の覚醒条件だな」
広瀬 彩矢「え?」
広瀬 彩矢「きゃあっ!」
鎌田 真来「彩矢!!」
広瀬 彩矢「うっ・・・」
鎌田 真来「彩矢! 彩矢!!」
鎌田 真来「嘘だろ・・・そんな・・・」
鎌田 真来「彩矢・・・」
男「さあ、目覚めろ。マーラ」
鎌田 真来(こいつ・・・)
こいつが・・・彩矢を・・・
殺 し て や る
鎌田 真来「お前えええええええっ!!」
〇黒
・・・
・・・
うっ・・・
〇黒背景
一体、何が・・・
〇研究施設のオフィス
俺、気絶してたのか・・・
なんで・・・?
そうだ! 彩矢!!
彩矢! 彩矢!
彩矢!
広瀬 彩矢「うっ・・・」
良かった、生きてる・・・
怪我も大したことない
・・・
しかし、一体何がどうなったんだ?
俺は、あの怪人にやられたのか・・・?
くそ、思い出せねエ
・・・
いや、とにかく今は・・・
今ハ・・・どうしたらいいンだ?
俺は一体、どうシタラ
・・・アれ?
どうㇱヨう・・・自分ガ誰なのかわから、ク・・・
アあくそッ、違うダロ!
今ハそんナことドウでもいい!
今ハ、この子を・・・彩矢を・・・
〇川沿いの公園
広瀬 波留「17時にまたここで待ち合わせね」
〇研究施設のオフィス
そうダ、公園
公園デ待っテるンだった
怪人マラ「イカナキャ」
〇荒廃した街
広瀬 波留「彩矢・・・どこなの?」
広瀬 波留「真来くんとも連絡とれないし」
警察「この先は危険です!」
警察「避難所までご案内します! さあ!」
広瀬 波留「ま、待って!」
広瀬 波留「娘と夫と、この先で待ち合わせをしてるんです!」
警察「し、しかし・・・」
怪人「グルル」
警察「安全区域に怪人!?」
警察「クソ!」
警察「今のうちに逃げてください!」
広瀬 波留「でも・・・!」
警察「新手の怪人!?」
怪人「ギャアアア!」
怪人マラ「ヴォルル」
警察「か、怪人が、怪人を倒した・・・?」
広瀬 波留「あッ!」
広瀬 波留「彩矢!?」
警察「子供が人質に!?」
怪人マラ「・・・」
警察「クソ!」
警察「その子を離せ!」
怪人マラ「・・・」
怪人マラ「・・・ル」
広瀬 波留「えっ」
怪人マラ「・・・」
広瀬 波留「・・・」
怪人マラ「ハル・・・」
広瀬 波留「あっ」
広瀬 波留「逃げた・・・?」
警察「お嬢ちゃん、大丈夫かい!?」
広瀬 彩矢「う、う~ん・・・」
警察「よかった。娘さん、無事です!」
広瀬 波留「彩矢!」
広瀬 彩矢「あれ?」
広瀬 彩矢「ママ?」
広瀬 波留「彩矢! あぁ、よかった・・・」
広瀬 彩矢「あれ?」
広瀬 彩矢「パパは?」
広瀬 波留「彩矢・・・」
〇荒廃したハチ公前
怪人マラ「な、なンダ?」
怪人マラ「何なンダ、この姿!」
怪人マラ「まさか、俺ハ怪人になっちまっタのか?」
怪人マラ「こ、これからどうすりゃいいんだよ・・・」
男「マーラ」
怪人マラ「お前ハ・・・!」
男「ようやく、本来の姿を思い出したか」
男「ならば、お前の魂が自らの使命を教えてくれるはずだ」
男「さあ、役目を果たせ」
怪人マラ「なンのことだ?」
男「お前・・・まさか出来損ないなのか?」
怪人マラ「アぁ!?」
男「ふむ、ならば私が直々に教えてやろう」
怪人マラ「ま、待て!」
怪人マラ「そンなことヨリ、一体どウなっちまっタか教えろ!」
怪人マラ「俺、元二戻れルのカ?」
男「元に戻る?」
男「お前はすでに元に戻っているぞ」
怪人マラ「ハ?」
男「私たちにとって人の姿は仮の姿でしかない」
男「私たちの本来の姿はこちらだ」
怪人マラ「そンな・・・ことハ」
男「私の名はグラシャ・ラボラス」
怪人グラシャ=ラボラス「そして、お前は天魔波旬のマーラ!」
怪人グラシャ=ラボラス「思い出せ!」
怪人マラ「や、めロ・・・」
怪人グラシャ=ラボラス「お前の役目は命の善根を根絶やしにすることだと!」
怪人マラ「やめろおおおおッ!」
〇野営地
避難所
広瀬 波留「やっぱり、通じない・・・」
広瀬 波留「真来くん・・・」
広瀬 波留「な、なに・・・?」
〇けもの道
自衛隊員「くそ、奴らめ! ここに気付いたか!」
〇テントの中
避難民A「くそ、なんでこんなことに・・・」
避難民B「ここももう見つかったのか・・・」
広瀬 彩矢「ママ」
広瀬 波留「大丈夫、大丈夫よ、彩矢」
広瀬 彩矢「パパ、大丈夫かな」
広瀬 波留「・・・大丈夫よ、きっと。パパなら」
避難民A「は、何を気休めを」
広瀬 波留「ちょっと、子供の前で・・・」
避難民A「どうせみんな死ぬんだ!」
避難民A「俺たちは神様に愛想突かされたんだよ!」
避難民A「もう死ぬしかないんだっ」
避難民B「か、怪人!?」
避難民D「もういやあ!」
広瀬 波留「一体、なにがどうなってるのよ・・・!」
〇けもの道
自衛隊員「ぐっ・・・」
自衛隊員A「うわああっ!」
怪人グラシャ=ラボラス「愉快愉快!」
怪人グラシャ=ラボラス「さあ、生き残りを根絶やしにしろ!」
怪人マラ「・・・」
〇野営地
広瀬 波留「きゃっ!」
避難民A「じゅるじゅる」
広瀬 波留「くっ・・・!」
広瀬 彩矢「ママ!」
広瀬 波留「彩矢! あなただけでも逃げるのよ!」
広瀬 彩矢「いや! ママ! ママ!」
広瀬 波留「お願い、言うことを聞いて!」
広瀬 彩矢「いやあ!」
広瀬 彩矢「パパ、助けて!!」
避難民A「じゅるじゅる・・・!」
避難民A「ギャアアアッ!」
広瀬 彩矢「あ!」
怪人マラ「ヴォルル!!」
広瀬 波留「さっきの、黒い怪人・・・?」
広瀬 彩矢「・・・」
怪人マラ「・・・」
広瀬 彩矢「ぱ、ぱ?」
広瀬 波留「えっ?」
広瀬 彩矢「パパ! パパだよね!?」
広瀬 彩矢「やっぱり助けに来てくれたんだね、パパ」
広瀬 波留「な、なにを言っているの? 彩矢・・・」
怪人マラ「・・・」
怪人グラシャ=ラボラス「何をやっている、マーラ!」
怪人マラ「・・・」
怪人グラシャ=ラボラス「目的を忘れたか!? 早く人間どもを根絶やしにしろ!」
怪人グラシャ=ラボラス「それがお前の使命だろう!?」
怪人マラ「・・・チ、ガう」
広瀬 彩矢「パパ?」
怪人マラ「・・・俺ハ!」
怪人グラシャ=ラボラス「マーラ、貴様!」
怪人グラシャ=ラボラス「私に歯向かうのか!?」
怪人マラ「チガう!」
怪人マラ「俺の役目ハ、そンなコトじゃナイ!」
怪人マラ「俺の役目ハ、家族ヲ、守ることダッ!」
広瀬 波留「真来くん・・・」
広瀬 波留(そっか・・・)
広瀬 波留(真来くん、君は)
〇刑務所の面会室
2年前―
鎌田 真来「波留。俺たち、別れよう」
広瀬 波留「な、なんでよ!?」
広瀬 波留「今回のことは、確かにやりすぎだった」
広瀬 波留「でも、それは後輩を庇ったんでしょう?」
鎌田 真来「でも、罪は罪だ」
鎌田 真来「俺はなんと言われてもいい」
鎌田 真来「だけど、彩矢や波留が、俺の家族だからという理由で犯罪者扱いされたら・・・」
広瀬 波留「わ、私は反対よ!」
広瀬 波留「どうしても離婚するっていうなら、相応の慰謝料と養育費を払ってもらうわ」
広瀬 波留「君、そんな余裕ないでしょ? だから・・・」
鎌田 真来「それで構わない」
広瀬 波留「真来くん!」
鎌田 真来「俺はさ、波留に感謝してるんだ」
鎌田 真来「こんなどうしようみない俺と、家族になってくれた」
鎌田 真来「家族をくれた・・・」
広瀬 波留「そんなこと、言わないでよ・・・私」
鎌田 真来「俺、2人が大好きだよ」
鎌田 真来「だから、俺に構わず幸せになってくれ」
〇野営地
広瀬 波留(変わってしまっても、変わらないのね)
広瀬 波留(君のいつだって真っ先に私たちを守ろうとしてくれる)
広瀬 波留(でも―)
広瀬 波留「やっぱり自分勝手すぎるよ、真来くん」
広瀬 彩矢「ママ?」
広瀬 波留「もう大丈夫よ、パパが守ってくれるわ」
広瀬 彩矢「知ってるよ!」
広瀬 彩矢「だって、パパはヒーローだもん!」
広瀬 波留「そうね」
広瀬 波留「あなたのパパは―」
〇けもの道
きっと優しい怪人なんだわ──
真来が自分が怪人であることを忘れて人間と家族を持つことになった理由や背景を知りたくなりました。家族を守りたいという気持ちが彩矢には伝わってパパだと気づいてくれたことは大きな救いですね。ところで、怪人の血を半分受け継いだ彩矢もこの先なんらかの変異をするのかな?
なんだか心が複雑な心境になりました。
三人で幸せな家庭を築いてほしい気持ちもありますが、どうやったらそうなれるのだろう、でも良い案が見つからない…。
幸せになってほしいです…。
心の優しい怪物、心に血が通わない人間。そんなことを連想させられる深い物語でした。妻子を持つ男性が姿形はどうであれ、彼のような愛情で家族を包み込む社会であってほしいですね。