エピソード1(脚本)
〇地球
〇森の中
たいき「サンキュー、オッサン。どっかに隠れてな」
山伏「帰りたくなったら、声を掛けて下さいね。ふあああ~あ」
2人は、秀吉が眠っている部屋に潜り込むと、一人の老人が二人を手招きした
〇屋敷の大広間
老人「こちらの部屋へどうぞ」
2人を別の部屋に通し、自分は下座に座ると深々と頭を下げた
老人「私は黒田官兵衛と申します」
ゆうま「黒田官兵衛は、この頃まだそんなに年をとっているはずはない。本当は誰ですか?」
老人「いや、お恥ずかしい。今からお話する事を聞いていただいてから、秀吉を生かすか、殺すか考えていただきたい」
老人「私は、あの日、まあ、今日ですが、あなた方が秀吉を殺すのを目にし、千載一遇のチャンスと考え、天下を取った」
老人「天下を取った者は皆、後継者にどうやって自分の家による天下支配を続けさせるかを悩む事になる」
老人「しかしながら、私はあの日、お2人が山伏の術で消える所を見てしまった。その刹那、山伏と目が合ったのです」
老人「案の定、山伏は私の所に戻ってきて、ビジネスの話を持ち掛けた。純金と引き換えに時空を自由に連れていくと」
たいき「あのオッサン・・・」
ゆうま「やっぱり」
老人「私は、時空を700年間行き来して、黒田家の歴代の総統に指示を出し、黒田家が続くよう見守った」
ゆうま「なるほど、それで八百長臭さが出てきたわけですね」
老人「政治はスポーツではない。八百長であろうが、良い結果が残せればいいとは思いませぬか?」
たいき「確かに。出生率も、自殺者数も、発電所も、戦争のない世界も、全部八百長だけど、それで平和ですからね」
老人「結局、黒田家の支配を続けさせるには国民の支持を得る事に尽きる。クーデターを起こさせない政治をしたまでのこと」
老人「最初は黒田の家の為に始めた事だったのだが、700年の時を旅するうち、国民全員の幸せが必要と分かった」
ゆうま「うん。官兵衛さんが、スゲー苦労して、先の先まで実際に見て、理解して、それを子孫に指示したんですね」
たいき「官兵衛さん、スゲー頭いいですよね。勉強しすぎて、そんな爺さんになっちゃったんですか?」
老人「いや、時空旅行をしすぎただけの事。行った先で過ごした3日間、肉体は3日間分年を取るのです」
老人「いつも、ここに戻ってくるから気が付かなんだが、飛んでは、数日滞在して戻りの繰り返しで、滞在日数分年を取ったのです」
たいき「なるほど~そこまでして、育てあげた日本という国って感じですね」
老人「そうなのです。実に勝手な言い分とは分かっておりますが、このまま、あの時のあなた達に秀吉を・・・」
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黒田官兵衛は大好きです。私も一度お目にかかりたいものです。そうなんですか。過去の人は未来人を殺すことができないとは、初めて知りました。
ひょっとしたらと思っていたら、やはり官兵衛自らが時空移動していましたか。しかも私利私欲のためではなく、安定した国家統治のためというのは感心ですね!