楽園戦器(がくえんせんき)トライビーツ

かわむらけんたろう

俺たちゃ正義のロックバンド! トライビーツ参上!!(脚本)

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〇生徒会室
蔵府都エリコ「んじゃ この議題は副会長の提案どおりってことで」
蔵府都エリコ「次の議題は再来月の学園祭の 生徒会の出し物についてです」
蔵府都エリコ「昨年の生徒会は喫茶店をやりましたが」
蔵府都エリコ「何か希望はありますか?」
栗栖テンセン「そりゃあ勿論ライブだな」
振巣ソラ「年に一度の学園祭 学外からも客が来るんだ オレたちの演奏を見せつけてやろうぜ!」
蔵府都エリコ「オレたちって・・・・・・ バンドやってるのは3人だけでしょ?」
蔵府都エリコ「他の役員はどーすんのよ 楽器なんて出来ないわよ?」
丹色マチオ「俺にいい考えがある」
蔵府都エリコ「マチオくーん」
丹色マチオ「ライブカフェをやればいい」
蔵府都エリコ「さすがマチオくん それなら全員参加できるわね」
振巣ソラ「そりゃいいな 女子にはちょっと露出の多い メイド服でも着せりゃあ完璧だ」
蔵府都エリコ「あ゛あ゛ん? 何ほざいてんだ金髪ゴリラ!」
丹色マチオ「蔵府都(くらふと)にそんな恥ずかしい服 着せられる訳ないだろう?」
蔵府都エリコ「だよねー❤️」
丹色マチオ「実は既に衣装も考えてあるんだ」
蔵府都エリコ「さすがマチオくん 用意がいいわね」
丹色マチオ「陣(じん)、頼む」

〇生徒会室
陣シモン「はいはーい❤️ チアリーダーのユニフォームでぇっす どーすかぁ?」
丹色マチオ「うむ、アメリカンでいい感じだ」
蔵府都エリコ「ちょっと!メイド服より この服着る方が恥ずかしくない?」
丹色マチオ「メイド服じゃ曲の雰囲気に合わなくて 恥ずかしいからな」
蔵府都エリコ「は?」
丹色マチオ「こっちの方がロックだろ?」
蔵府都エリコ(しまった・・・・・・ この人も音楽の話になるとアホだった)
振巣ソラ「いーじゃねーの こいつでキマリだな」
栗栖テンセン「喫茶店のやり方は去年と同じでいいよな 今日の議題はこれで終了っと」
栗栖テンセン「早速スタジオで練習すっぞ!」
蔵府都エリコ「え、ちょっとお!」
丹色マチオ「蔵府都なら何を着ても似合うと思うぞ」
蔵府都エリコ「いやー そんなあ〜」
蔵府都エリコ「ってそういう問題じゃなくて! アタシは賛成してないんだけど!」
伴ヘレン「もう諦めて学園祭までに ダイエットした方がいいんじゃない?」
蔵府都エリコ「余計なお世話だっつーの!」

〇研究所の中
  栗栖怪人研究所
栗栖テンセン「じーちゃん居るかー?」
丹色マチオ「失礼します」
栗栖博士「よう来たな ビートチェンジャーの調子はどうじゃ?」
栗栖テンセン「そりゃもうバッチシよ!」
丹色マチオ「良く鳴りますよ 木材がいいんでしょうね」
栗栖博士「わしが聞きたかったのは 楽器としての話じゃないんじゃが・・・」
振巣ソラ「博士、俺のビートチェンジャーの予備 あと10本ほど頼むわ」
栗栖博士「おーい 使いすぎじゃろ!」
振巣ソラ「しょーがねーじゃん コイツらと違って俺のだけ消耗品なんだし」
栗栖博士「練習の時には 普通のスティックを使わんか!」
栗栖テンセン「まあまあ、堅いこと言うなよ それよか奥のスタジオ使わせてもらうぜ」
栗栖博士「とに、もー」

〇宇宙空間
  20XX年
  地球に異常接近した彗星『カラミティ』
  そこから放出された謎の粒子の力で
  人間が怪人化するようになった
  感情の昂りによって
  普通の人間が突然変身するのである
  初めこそ大きな混乱があったが
  この現象の研究が進むにつれ
  怪人の特性が明らかとなり
  能力の利便性が注目されるようになった
  1万人に1人という発生率の低さから
  怪人はエリートとみなされるようにすら
  なったのである
  怪人化は人類への福音であると
  囁かれるようになったのも束の間
  従来とは異質で強力な能力を持つ
  怪人が現れるようになった
  怪人の母数が増えれば
  邪な者も現れる
  怪人犯罪の増加と治安の悪化
  怪人は羨望の対象であると同時に
  恐怖の象徴にもなったのである
  このような状況を憂い
  怪人の研究を続けた栗栖博士は
  怪人化に関する
  画期的な発明を成し遂げた
  使用者の正の感情を昂らせ
  任意のタイミングで怪人化させられる
  楽器型変身デバイス
  ビートチェンジャーの誕生である

〇住宅街
栗栖テンセン「歌った後は腹が減るぜ!」
振巣ソラ「ラーメンでも食って帰ろうぜ!」
丹色マチオ「ラーメンはいいですが 三郎系は勘弁してほしいですね」
栗栖テンセン「何言ってんだ 三郎系はロックだろ」
丹色マチオ「言われてみればあのジャンク感 ロックと言えなくもないか・・・?」
栗栖テンセン「ん? 何だ!?」

〇幼稚園
園児「ママー ママーーーッ」
園児「うわーん!!」
ヴィラン「オラオラァ!」
ヴィラン「ガキども もっと泣きわめいてみせろ!」
保母「お願い・・・・・・ もうやめて!」
ヴィラン「お前が悪いんだぞ 一方的に別れたいとか言いやがって」
ヴィラン「電話も出ねえし SNSも全部ブロックしやがる」
保母「だって仕事もしないで 毎日ギャンブルばかり!」
保母「私のことなんて 金ヅルだとしか思ってなかったんでしょ!?」
ヴィラン「うっせえんだよ」
ヴィラン「俺はお前のせいで 深く傷ついたんだぜ?」
ヴィラン「謝罪しろよ、謝罪 ガキどもがどうなっても知らねえぞ?」

〇幼稚園
警官「おい! 動くな!」
ヴィラン「チッ 警察かよ」
警官(よりによって独りで見回りしている時に 2級以上の怪人に出くわすとは・・・)
警官(しかし応援が来るまで 粘らなければ子どもたちが・・・)
警官「手を上げてゆっくりとこっちへ来い!」
警官「抵抗すると撃つぞ!」
ヴィラン「バカめ ガキどものいる場所で撃てるのかよ」
ヴィラン「やれるもんならやってみろ」
警官「よせ、子どもに近づくな!」
警官(クソッ 警棒しか使えないか・・・)
警官「やめろと言っている!」
ヴィラン「フン そんな棒切れが効くかよ!」
警官「ぐあっ」
警官「もうすぐ応援が来る お前もそれまでだ!」
ヴィラン「警察ごときに何ができる? 俺を止めたきゃ戦車でも持ってこい!」
保母「こんなの ひどすぎる・・・・・・」
ヴィラン「お前のせいで犠牲者はどんどん増えるぜ?」
ヴィラン「どうした? 俺に対してすまないと思っているなら 土下座して謝罪してみせろ!」
保母「うう・・・ 分かりました・・・ だからもう誰も傷つけないで」
ヴィラン「ヒャッハハ いい気味だぜ!」
ヴィラン「さて、気分もアガったところで もうちっとストレス発散してやるか」
園児「こ、来ないで!!」
保母「イヤーッ やめてーーーーーッ!」

〇黒

〇電脳空間
  かっこいいギターで
  キミも今日からギターヒーローだ!
  悪い怪人が現れたら
  ギターをかき鳴らして変身だ!!
  ギターヒーローとスーパーヒーロー
  二つのヒーローを弾きこなせ!
  DXビートチェンジャーG
  新発売!!
  ベース型デバイス
  ビートチェンジャーB
  ドラムスティック型デバイス
  ビートチェンジャーDも発売中!
  おもちゃ売り場へ急げ!
  ※実際には変身できません

〇黒

〇幼稚園
???「待ちやがれ!」
ヴィラン「何だテメエはぁ?」
栗栖テンセン「俺は通りすがりのロックンローラーだ」
ヴィラン「あぁん?」
栗栖テンセン「怪人サマが一般人相手に 随分えげつねえ真似してくれるじゃねえか」
ヴィラン「クソガキが・・・ブッ殺すぞ 正義の味方気取りか?」
警官「おいキミ! 何をしてるんだ!逃げろ!!」
振巣ソラ「おうよ! 俺らは正義の味方よ!」
ヴィラン「またバカが増えやがった よほどブッ殺されてえようだな」
丹色マチオ「”ブッ殺す”以外の脅しはないんですか?」
丹色マチオ「貴方と話していると 馬鹿が感染りそうです」
ヴィラン「テンメエエエエ! ぜってえブッ殺す!」
栗栖テンセン「今ならこの人たちに謝れば 捕まえるだけで勘弁してやる」
栗栖テンセン「さっさと人間の姿に戻れ!」
ヴィラン「あぁん? せっかく圧倒的な力を手に入れたんだ」
ヴィラン「使わない訳ねーだろうが!」
振巣ソラ「お前は怪人の力を 人を傷つけるためだけに使おうってのか?」
ヴィラン「弱えヤツは強えヤツに支配される それが自然ってモンだぜ?」
栗栖テンセン「ロックじゃねえな、お前」
栗栖テンセン「だったらお前がそうされても 文句はねえな?」
ヴィラン「バカが つるんだくらいでイキりやがって 上級怪人の力が解ってねえみてえだな」
ヴィラン「やれるモンならやってみろ」
栗栖テンセン「・・・・・・だとよ」
振巣ソラ「しゃあねえな」
丹色マチオ「やりますか」

〇白
栗栖テンセン「ビートチェンジャー!」
栗栖テンセン「唸るぜビート! トライビートG!!」

〇青(ダーク)
丹色マチオ「・・・・・・ビートチェンジャー」
丹色マチオ「刻むぞビート! トライビートB!!」

〇黒
振巣ソラ「ビィィィト チェンジャーーーーーッ!!」
振巣ソラ「轟けビート! トライビートD!!」

〇幼稚園
トライビートG「どうした、お前の望み通り やってやるぜ」
ヴィラン「テ、テメエらも怪人だったのか」
トライビートG「ソラ、皆を安全な所へ」
トライビートD「任せとけ!」
トライビートG「マチオ、警官のオッチャンを頼む!」
トライビートB「了解!」
ヴィラン「あ? テメエ一人でやろうってのか?」
ヴィラン「どんだけ自信があんのか知らねーが 都合がいいぜ」
ヴィラン「順番にブッ殺してやらあ!」

〇学校脇の道
トライビートB「大丈夫ですか? すぐ救急車が来ます」
警官「ああ 見た目よりは軽傷だと思う」
警官「それより君の仲間は大丈夫なのか? あの怪人はどう見ても2級以上だぞ!」
警官「早く加勢してやれ!」
トライビートB「アイツは俺に 貴方のことを任せると言いました」
トライビートB「俺もアイツを信じます」

〇幼稚園
ヴィラン「クソッ どうなってやがる?」
ヴィラン「俺の攻撃が全く当たらねえ!?」
トライビートG「威張ってた割には大したことねーな?」
ヴィラン「バカにしやがってえ!」
トライビートG「オラァ!」
ヴィラン「ヴッ 何てパンチだ」
トライビートG「ちったあ痛みってもんが分かったか? さっさと降参しろ!」
ヴィラン「クソッ 舐めやがって」

〇幼稚園の教室
トライビートD「みんな揃ってるか?」
園児「あれ?」
園児「ゆうちゃんがいないよ!」
トライビートD「何だとッ!?」

〇岩山
ゆうちゃん「うう・・・ どうしよう」
ヴィラン「ん? あんなとこにガキが!」
トライビートG「しまった! アイツあの子を!!」
トライビートG「チッ 仕方がねえ!」
  ファントムスキル!!
  rockin’on BURRN!!
ヴィラン「ウオッ!?」
ヴィラン「ギャアアーッ」

〇幼稚園
ヴィラン「くっそおおおおお!」
戸獏ヤルオ「強化外殻だけじゃなく 自然操作まで使えるとは・・・」
戸獏ヤルオ「テメエは何なんだ?」
トライビートG「オレはロックンローラーだ・・・ でもこんなやり方はロックじゃねえ」
トライビートG(オレは 殺し合いみてえな真似はしたくないのに)
戸獏ヤルオ「あのキザ野郎、そこらの怪人には 負けねえっつってたのによおぉ」
トライビートG(?)
戸獏ヤルオ「クソッ、クソッ」
トライビートG「おっ 警察の応援が来たみてえだな」
トライビートG(コイツがさっき喋っていたこと 引っかかるな・・・・・・)

〇幼稚園の教室
トライビートD「アイツの正体ってあんなヤツかよ」
トライビートD「おねーさん どうしてあんな男と?」
保母「私、ナンパなんてされたの初めてで」
保母「つい舞い上がっちゃって・・・・・・」
トライビートD「そ、そーなんだ・・・ これからは変な男には気をつけなよ!」

〇学校脇の道
トライビートB「救急車が来ましたね」
警官「まさか本当に 彼一人で倒してしまうとは・・・・・・」
警官「君たちは何者だ?」
トライビートB「通りすがりのロックバンドですよ」
警官「・・・・・・そうか」
警官「君たちのおかげで 子どもたちの犠牲を出さずに済んだよ」
トライビートB「いえ、貴方がアイツの注意を 引きつけていてくれたお陰です」
警官「君たちの名前を教えてはもらえないか?」
トライビートB「俺たちはロックバンド 『トライビーツ』です」
警官「今日は助かったよ」
警官「ありがとう トライビーツ」

〇貴族の応接間
倉敷「おや?」
ムジカ「どうなさいまして?」
倉敷「私が力を分けてあげた青年が やられてしまったようなのだよ」
ムジカ「あの品のない殿方ですか?」
倉敷「悪事を働くにも 最低限の知性は必要ということだね」
倉敷「まあいいさ ”種”はいくらでもあるんだ」
倉敷「彼がやられたエリアに蒔いてみようか」
ムジカ「ふふ 楽しそうでいらっしゃいますね」
倉敷「そうかい?」
倉敷「実際に楽しめるといいのだけどね」

〇文化祭をしている学校
  そして学園祭当日

〇装飾された生徒会室
陣シモン「そこのお兄さんたちぃ❤️ いいもの飲んでいかな〜い?」
伴ヘレン「サ・ア・ビ・ス しちゃうわよーん❤️」
モブ夫「ウヘヘ 飲みます!飲みます!」
陣シモン「二名様ごあんな〜い」
蔵府都エリコ「なんつー いかがわしい客引きしてんのよ!」
陣シモン「持って生まれたモノを 生かしてるだけよぉ❤️」

〇装飾された生徒会室
モブ夫「お姉さんにつられて入っちゃったけど」
モブ男「このコーヒー美味いなあ!」
モブ夫「それにこの音楽もカッコいいよね!」
モブ男「こういう音楽って確か・・・・・・ ロックっていうんだよ」
栗栖テンセン「みんな 楽しんでくれてるか?」
「イェーイ!」
栗栖テンセン「そんじゃあ次の曲」
栗栖テンセン「聞いてくれ! ”Glory”」
  END

コメント

  • 楽器×怪人、新しくて面白かったです^^
    途中に変身玩具のCMもあり、朝の特撮番組を見ているようでした!
    てっきり真面目そうなエリコかマチオが生徒会長と思いきや、テンセンが生徒会長だったんですね。笑

  • ビートチェンジャー、カッコ良かった😆ロックンローラーとの組み合わせがいいですね✨グッズが売れそう。
    マキオ君を筆頭に、みんなイケメンでした😁

  • 楽しく読ませていただきました。
    ロックが好きな彼らがかっこいいですね。
    怪人としても戦えてるところがまたいいです。
    最後の不穏な人達が気になります。

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