歴史のif_4話

おば3は見ていた

エピソード1(脚本)

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〇温泉街
たいき「オッサン、腹減ったわ」
  山伏はブツブツと呪文を唱え、周りをぐるりと見渡すと、一人のサラリーマン風の男性の前に立った
  男性は、財布から紙幣らしい紙を何枚か出した後、山伏に腕を伸ばして道案内をしているようだった
山伏「あちらに食事できる所があるそうです。お金も恵んでもらいました。さ、行きましょう」
ゆうま「今のは、法力?」
山伏「ええ。催眠術と呼ばれる一種です」
たいき「なるほど~。便利だなあ」

〇ファミリーレストランの店内
ゆうま「この紙幣が、今の紙幣なんだね」
たいき「うどんが一杯50楽。俺らが居た現代日本より安目なのかな?単位が違うと分かんないね」
ゆうま「なあ、オッサン。ここ、本当に京都?」
山伏「そうですよ」
たいき「なんか、本格的に寺ばっかりだな。南座もないし。四条河原の賑わいもないし」
ゆうま「幕末の動乱がなかった・・・戊辰戦争がなかった・・・第2次世界大戦もなかったから、燃えてないのか」
たいき「あ~まじもんの文化遺産なんだ。・・・にしちゃ、観光客少なくない?」
ゆうま「あっ、これ食べ終わったら、御所に行ってみよう」
たいき「あっ、なるほど」

〇原っぱ
ゆうま「う~ん」
たいき「ないねえ」
ゆうま「ずーっと戦乱がなかったんだから、古い町並みなんて、多分、日本のあちこちに残っているんだよ」
たいき「京都の老舗とか、御用達とか、無いのかもなあ。それじゃあ、観光客は来ないねえ」

〇川沿いの原っぱ
ゆうま「寝る所は、さっきの催眠術で?」
山伏「はい。ホテル住まいをしてもらいます」
たいき「オイオイオイ、そんな柄じゃあねえって」
ゆうま「その割に嬉しそうじゃん。まあ、住民票があるかもわからないのに、アパートは借りられないからな」

〇広い畳部屋
  山伏の催眠術で、3人はホテルに泊まる事ができ、風呂にも入る事ができた
  ゆうとと、たいきは、途中、本屋に寄って、山伏の法力で恵んでもらった歴史書や地図帳、現代社会の基礎知識の本を読み漁った
たいき「首都は大阪で、黒田官兵衛が天下を取ってから、ずっともう・・・450年近く大阪が、日本の中心だ」
ゆうま「そうだな。江戸は、徳川家康が大工事して、沼地みたいな土地に盛土をしたんだもんな」
たいき「徳川は歴史には名を残さず、江戸も干拓されず・・・だな」
ゆうま「東国の中心はどこになってる?」
たいき「仙台だな」
ゆうま「伊達かあ・・・別に不都合はないな」
たいき「大阪に仙台だろ。大震災があったけど、震災庁っていうのがあって、早くからハザードマップとか対策が進んでいたらしい」
ゆうま「ふう~ん。じゃあ、大打撃は受けていないんだ」
たいき「そうみたい。偶然、震災直前に大規模な防災訓練があったために、人的被害が少なかったって」
ゆうま「神がかってるな」
  2人は何となくつけていたテレビにくぎ付けになった。ニュースが始まったからだ。
たいき「標準語も関西弁なんだな」
ゆうま「俺は、この雰囲気好きだけどな。ほな、次、国会の話題にいってみまひょって」
たいき「国会はあるんだな。しかも、複数政党制になってるぞ。てっきり、一党独裁かと思っていたよ」
ゆうま「おい!あの作務衣と雪駄履きで出てきたのが、黒田総統だってよ」
  テレビの中の黒田総統は、国会の開会を宣言し、「国民のために働け」「汚職議員を見つけたら身ぐるみ剥いで首にする」と言った
  ゆうとと、たいきは「ほな!」と演台を降りていった小太りの国家元首を呆けたように見送った
たいき「かっこよくねえ?」
ゆうま「うん!惚れた」
  テレビの中の女性アナウンサーも、ハイテンションで黒田総統を褒め称えていた。

〇おしゃれな食堂
ゆうま「オッサンって、時間移動なしの、空間移動もできんだろ?」
山伏「できますよ」
ゆうま「今日は首都の大阪に行きたいんだよ」
山伏「分かりました。(小声で)まったく人使いが荒いんだから」
たいき「やっぱ、壺の中の生活が忘れられないかなあ?」
山伏「いえいえ、とんでもございません」

コメント

  • 今は京都の街でさえある意味欧米化してしまっている部分があるだけ、京都が特別視されないような日本、いわゆる木造建築が多く残る日本があるなら・・と改めて失ったものへの懐古ですね。

  • ドリフのもしもシリーズを思い出しました。全く関係ないんだけど。「もしもこんな時代だったら」のお話でいくつもの物語が作れそうですね。

  • 続編待ってました。ワクワクが止まりません。山伏の催眠術がすごすぎるので、私もぜひお目にかかりたい。やはり時間移動、空間移動は人類の夢とロマンですね。本当であれば見れなかったまぼろしの建物が残っていることも、想像するだけでも楽しくなってきます。

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