歴史のif_2話

おば3は見ていた

エピソード1(脚本)

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〇農村
たいき「やっぱ、本能寺か?」
ゆうま「そこは、はずせないんだけど、このオッサンの話聞いてたら、自分達のポジション取り重要だよね」
たいき「あんまり離れて見てても面白くないけど、近づきすぎると、灰になるしな」
ゆうま「マジで流れ矢バンバン来るし」
山伏「信長推しですか?光秀推しですか?」
ゆうま「・・・光秀推し」
たいき「よかったよ。俺もだよ」
ゆうま「じゃあ、焼けないし、流れ矢も来ないか」
たいき「だな」
山伏「じゃあ、本能寺の変の日の、光秀の陣辺りでいいですか?」
たいき「なんか、タクシーの運ちゃんみたいな気軽さで、言うよなあ」
山伏「行きますよ」

〇地球

〇田んぼ
山伏「はい!あちらに陣を構えていらっしゃるのが光秀さんです。桔梗紋が見えるでしょう?」
ゆうま「うわっ、マジか!」
たいき「なんか、大河ドラマの撮影見てるみたいだな!」
ゆうま「違うのは、馬がサラブレッドじゃないってとこだな(笑)」
  この時代の馬は、足の短い木曽馬など国産の馬が使用されていた
たいき「光秀の顔が見たいんだけど・・・」
山伏「その隠れ蓑を着ていれば、姿は見えません。陣の中に入っていって見てくるのを、お止めはしませんよ」
ゆうま「たいき、やめておいた方がいいぞ。それで命を落とした奴が何人もいるはずだ。コイツ、前科持ちなんだぜ」
山伏「やめて下さいよ。人聞きの悪い」
ゆうま「陣の中には、武道の達人が何人も控えているはずだ。姿が見えなくても、気配で分かるんじゃないか?」
たいき「あ~、な~るほど。平和ボケした俺らなんて、一瞬でなで斬りだあなあ」
ゆうま「でも、会話位ききたいよなあ」
たいき「ゆうま、俺ら、戦国時代の美濃弁理解できるかな?」
山伏「あっ、それは私が、法力で同時通訳できるタニシをお作り致しますので、耳に入れて下さい」
たいき「タニシって、この田んぼの中の小粒の巻貝みたいなやつの事言ってる?これ、耳に入れんの?」
ゆうま「たいき、最新式のipodだと思え。あの、六地蔵の後ろに隠れよう」
山伏「行ってらっしゃいませ。帰りたくなったら、呼んでください」
たいき「お前はいかないのかよ」
山伏「こちらの時代に来るのに随分と体力を使ってしまいました。帰りの体力を補給するため、少し休みます」
ゆうま「おい、たいき、行こうぜ。そいつは、それが手なんだよ」
  ゆうまと、たいきが光秀の陣の近くの六地蔵に向かって行くのを見送った山伏は、少し離れた場所の木に登り居眠りをしだした。

〇森の中
ゆうま「信長の首はまだかって怒鳴ってるのが、光秀だろうな。かなりイラついてるな」
たいき「あっちで燃えてんのが、本能寺か。結局首は見つからないんだよな」
ゆうま「うん。なんか、今、家臣が説得してるみたいだな」
たいき「光秀が、頭では理解しているが、感情がついていかないって。俺らと同じ事を言っているな」
ゆうま「首を見るまでは、安心して眠れないっていう気持ち分かるなあ。怖いよなあ」
たいき「光秀が、独りにしてくれって・・・泣いてる?」
ゆうま「お前、八幡大菩薩になれるか?」
たいき「なる!」
ゆうま「任せたぞ!」
  八幡大菩薩は、武家の神様。戦の前には戦勝を祈り、武運を頼んだ神様です。2人は天幕の中に忍び込んだ。
  頭を抱えている武将がいる広間のようなスペースに到着すると、その武将は「なに奴?」と声をかけ、太刀に手を掛ける。

〇幻想2
  気配はするが、姿が見えない。たいきは、神妙な面持ちで八幡大菩薩になりきった。
たいき「我こそは、八幡大菩薩なり・・・光秀・・・ようやった。お主の勝ちじゃ」
  光秀は「ははあ!」とひれ伏した
たいき「面をあげい!すぐに、帝に征夷大将軍の拝命を願い出るのじゃ」
  光秀は、またもや「ははあ!」とひれ伏してしまう
たいき「時がない。すぐにじゃ!」
  ひれ伏す光秀を残して、2人は一目散で逃げた。そして、山伏を呼び出した

〇集落の入口
山伏「(舌打ち)ご無事のお帰り、何よりです」
たいき「オッサン、今、舌打ち聞こえたぞ」
ゆうま「腹が減ったから、なんか食わせろ」
  山伏は、何かブツブツと呪文を唱え、目を細めて周りの景色をぐるりと見渡した
山伏「キジとウサギ、どちらがお好みですか?」
たいき「どちらも食った事ねえよ!」
ゆうま「トリか、ブタかに置き換えて考えてみようよ。俺、キジかな」
たいき「お前、スッゲー能力持ってんな。俺もキジでいいわ。できれば、親子丼」
山伏「&%@・・・カアーッ!」
  3人の目の前にキジが落ちてきた。
山伏「少し待っていてください。そこの農家に、調理を頼んできますので」
たいき「アイツ、法力はなにげにスゲーんだよな。あんな顔してっけど」
ゆうま「まあ、法力に顔は関係ないからね」
  3人はキジとカブの煮たものを食べた。麦飯も出してもらった。
ゆうま「オッサン、次は、1週間前の備中高松城に行って欲しいんだよ」
たいき「今まさに秀吉が水攻めしてるはずの城だな」
ゆうま「うん。本能寺の変が起こる事を知ってて、3日前くらいに中国大返しはフライングしてるから、もう走ってるだろうけどな」
  中国大返しは、本能寺の変の知らせを受けた秀吉が、戦を行っていた備中高松城で毛利方と和議を結び、京都に戻った行軍の事です
  あまりに早く京都に戻り、光秀を討った事で伝説になっているが、どうも本能寺の変が起こる事を知っていて早く走り出したようです
たいき「それで、1週間前に行って、何をする気なんだよ?」
山伏「そこは、私は知らない方が、よろしいかと思いますので、まず、お連れしましょうか?」
たいき「ああ、そうだよな。また、封印されても可哀想だしな」
ゆうま「頼むよ」

〇地球

コメント

  • 山伏さんの何気ない言動がツボにはまりました。たにしをイヤホン!って最高です。私はヨーロッパ在住なので、ウサギたまに食べますし、キジも日本にいた時おいしく食べたなあと・・・この時代いけたかもしれません(笑)

  • 山伏さんかなり有能ですね!
    歴史の場面を実際に見られるのっていいなぁと思います。
    キジとウサギなら、やっぱり私もキジかもしれません。
    親子丼美味しそうだなぁと思いました。笑

  • 今回も夢とおもしろポイントがつまってました。キジとウサギに対するツッコミも的確でしたし、人気アニメを思い出させるような不思議なタニシも想像するだけでワクワクしました。

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