美魔女さん

tsubaki23

エピソード1(脚本)

美魔女さん

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〇流れる血
  「私、いくつに見える?」
「男がバイト帰りに暗闇のトンネルを歩いていると、」
「急に現れた女がそう問いかけてきた」

〇暗いトンネル
「手足は異様にヤセ細り、フードからちらりとのぞくその顔は」
「60歳の顔そのものだった」
「自身の望む回答を期待するその女の表情に、男は戸惑った」
「「40くらい・・・ですかね?」」
「男は馬鹿馬鹿しいと思いつつ、大幅に若く伝えた」
「我ながら言い過ぎたかな?と男は微笑を浮かべる」
「しかし、女の表情は一変した」
「しまった――――」
「女の表情は、まさかといった感じで驚いているように男には見えた」
「母親よりも遥かに年上に見える女性に、20も若く伝えたんだ」
「そんな不意打ちを食らった顔をされても困る。むしろ、若く伝えすぎたくらいだ・・・そうか」
「若く言い過ぎて、わざとらしさに憤りを感じているのか」
「「まさか、50ではないですもんね」」
「女は悲しみや諦めが混じった複雑な表情を浮かべた」
「居たたまれなくなった男は、慌ててその場を去ろうとする」
「「急いでいるので」」
「正解の年齢を聞いてはいけない、いや聞きたくない――――そう感じたからだ」
「しかし、女の横を通り過ぎたそのとき――――」
「「これでも?」」
「男が振り向くと、女は上着を脱ぎ痛々しいまでのピンクのフリフリワンピース姿を披露していた」
男「「す、すみません」」
「男は慌てて早足で歩を進める。」
「トンネルの出口を目指し、逃げるように歩く男。」
「出口の灯りが見えた」
「ふと後ろが気になり、男が振り向くと―――― あの女がいた」
「女の手には刃物。 ニタリと笑った女は、その刃物で男を―――」
「きゃあぁぁぁぁぁ!!」

〇大衆居酒屋
小山しずく「きゃあぁぁぁぁぁ!!」
山岡進一「うわっ!ビックリした!」
淳史「怖がりだなァ、進一は」
山岡進一「ち、違ぇよ!しずくちゃんの声にビックリしただけだ!」
小山しずく「ご、ごめんなさい・・・」
淳史「俺の話にリアクションしてくれて助かる」
山岡進一「しずくちゃんは見た目通り、怖がりなんだね」
明美「違うよ。しずくはこういう話、大好物なんだから」
山岡進一「え?」
小山しずく「ちょっと、明美」
明美「だって本当じゃん。心霊スポットとか大好きなんだよ」
小山しずく「こ、怖がりなのは本当です! でも、嫌なんだけどもっと見たい、もっと聞きたいて」
淳史「最高じゃん、俺と気が合う なぁ?進一」
山岡進一「あ、あぁ・・・」
小山しずく「結局、その女のひとは何歳だったんでしょう?」
明美「ほらね」
淳史「食い付きいいねぇ、しずくちゃん 何歳だったと思う?」
小山しずく「んー」
山岡進一「どうせ淳史の作り話だろ?」
小山しずく「そうなんですか?」
淳史「さぁ?どうだろう」
淳史「ただし、これだけは言える。 美魔女さんの年齢を間違えるな、だ」
小山しずく「美魔女さん・・・」
淳史「美魔女さんは、若く見られることに執念を燃やしているのさ。それを間違うと・・・」
山岡進一「怖っ」
山岡進一「そんなに若く見られたいもんかねぇ 女心は分からん」
淳史「進一なら美魔女さんに出会っても大丈夫だ」
小山しずく「え、なんで?」
淳史「こいつの母ちゃん、有名な美容整形外科医だからな」
明美「もしかして、あの有名な山岡麗子?」
淳史「そう」
明美「げ、すげー金持ちじゃん」
山岡進一「関係ねーだろ」
淳史「大アリさ、 美魔女さんに出会っても、 「母ちゃんに言って、若作りの手術しますから」て言えば大丈夫」
山岡進一「なんだよ、それ」
小山しずく「美魔女さん、40でも不機嫌になったてことは、本当はもっと若いてことですよね?」
淳史「とりあえず、20歳と言っておけば間違いない」
明美「浅はかねぇ」
明美「でも、美魔女さんの気持ちも少し分かる気がする」
明美「おばさん扱いされたら、嫌だもん」
淳史「明美て、いくつだっけ?」
明美「いくつに見える?」
淳史「二人分に見える」
明美「殺すよ?」
小山しずく「アハハ」
山岡進一「見た目は年齢相応がいいけどなぁ」
小山しずく「見た目も自然と歳を重ねるのが一番ですよねっ」
山岡進一「うん!」

〇ビルの裏通り
山岡進一「いやぁ、飲み過ぎたねぇ今日は」
小山しずく「はい!いいんですか?送ってもらっちゃって」
山岡進一「もちろん!夜道に女性を一人で帰すわけにはいかないでしょう」
小山しずく「ありがとうございます でも・・・」
小山しずく「なんで、さっきから目を閉じてるんですか?」
山岡進一「バカな。もちろん、薄目をあけてるよ」
小山しずく「まさか、夜道が怖いんじゃ――――」
山岡進一「そんなわけ――――」
  「いくつに見える?」
  進一、ドキンとする
山岡進一「ひっ!!」
  進一、その場にしゃがみこむ
小山しずく「アハハ。ごめんなさい。ちょっと、ふざけすぎました」
山岡進一「・・・」
小山しずく「ちゃんと目を開けて歩かないと危ないですよっ」
山岡進一「・・・はい」

〇暗いトンネル
淳史「結局、明美と帰るのかよ」
明美「もしもし?心の声が漏れてますよ?」
明美「淳史がしずくを気に入ったのは分かるけど、今日は進一くんの為の合コンだったんでしょ?」
淳史「それは分かってるけどさぁ」
明美「ところで・・・進一くんに何があったの?」
淳史「・・・」
  「私、いくつに見える?」
淳史「しつけぇよ、明美」
  淳史、明美を見る
  明美は驚いた表情で固まっている
  明美の視線の先に目をやる淳史
  その先には、女性が立っている
淳史「・・・」

コメント

  • 確かに怖い話。
    しかも普通に怖いホラーに、女性の年齢という更に怖いワード。間違えられない。大外しもできない。数学の証明問題より難しそう。

  • 怖かったけどおもしろかったです。
    個人的には若さに執着するよりも、歳と共に深みを増していきたいですね。
    でも、この美魔女みたいに歳を聞かれたらちょっと若く答えてしまいます。笑

  • ホラー系はあまり読まないのですがこの作品はすごく面白かったです。登場人物も個性豊かでメリハリがあって楽しく、現代版口裂け女みたいだなと思いました!

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