第ニ章・悪役令嬢 熱中症で倒れる。(脚本)
〇大きな木のある校舎
〇グラウンドのトラック
橘 ゆうき「はぁ、はぁ」
山本「こんな炎天下の中走らせるなんて完全にイジメだよな」
山本「カレンちゃん大丈夫かな?」
橘 ゆうき「女子は体育館だから大丈夫だと思うけど」
山本「でもカレンちゃん 肌を見せたくないってジャージだろ」
山本「いくら屋内でもキツイんじゃないか?」
「はぁはぁ・・・」
〇保健室
カレン・ミルフィード「無礼であるぞ」
保険医「暴れるのはやめなさい!」
橘 ゆうき「カレン!!」
「あれっ?」
山本「カレンちゃん大丈夫なの?」
橘 ゆうき「熱中症で倒れたって聞いたから・・・」
カレン・ミルフィード「ユウキよ この保健医を処刑せよ」
〇学校の廊下
カレン・ミルフィード「あやつ、私を辱めおった」
カレン・ミルフィード「断りもなく脱がすとは無礼である」
橘 ゆうき「熱中症で倒れたら体を冷やすため服を脱がしますよ」
山本「お嬢様 いい加減真夏なのですから上下ジャージは危険かと・・・」
カレン・ミルフィード「下僕の分際で私に指示をするのか!」
山本「あっ、いや・・・」
橘 ゆうき「お嬢さま!!」
橘 ゆうき「ここは、お嬢さまの国と違い四季があるのです」
橘 ゆうき「特に日本の夏は過酷で毎年死者が出るほどなのですよ」
橘 ゆうき「私たちはお嬢さまの為に申し上げているのです」
橘 ゆうき「わがままも大概にしてください!」
カレン・ミルフィード「ムッ!」
山本「あっ」
山本「・・・おい、 厳しく言いすぎじゃないか?」
橘 ゆうき「でも、このままだと また倒れたりするだろ」
山本(う〜ん)
山本(どうしたものかな・・・)
山本「そうだ!」
〇一戸建て
そして・・・
〇シックな玄関
山本「よお」
山本「カレンちゃんいるか?」
橘 ゆうき「おいおい・・・ 休みの日までカレンに付きまとうつもりか?」
山本「人をストーカーみたいに言うな!」
カレン・ミルフィード「どうしたのだ?」
山本「あっ、カレン様」
山本「実はお嬢様のために夏服を用意してきたのです」
橘 ゆうき「用意したって・・・」
橘 ゆうき「せっかくだけど カレンは強情だから──」
カレン・ミルフィード「別に構わぬぞ」
「えっ!?」
カレン・ミルフィード「あの後色々と考えてな」
カレン・ミルフィード「庶民の服装に慣れておくのも良いと思っていたところだ」
山本「さすがです お嬢様」
〇綺麗なダイニング
カレン・ミルフィード「それではユウキよ そなたも手伝え」
山本「たは!!」
カレン・ミルフィード「どうした? 鼻から血が噴き出しておるぞ」
山本「あっ、いえ・・・」
橘 ゆうき「おい、大丈夫か?」
山本「どういう事なんだ?」
山本「カレンちゃん恥ずかしいから夏服拒んでいたんじゃないのか?」
山本「大胆過ぎるじゃないか!」
橘 ゆうき「大胆も何も 俺たちのこと異性として見てないだけだよ」
山本「異性として見てない?」
山本「・・・ああ そう言えば聞いた事あるぞ」
山本「上流階級の婦人は奴隷を人と思っていないから裸になっても恥ずかしくないって」
橘 ゆうき「奴隷って・・・」
山本「カレンちゃん役になりきってるな~」
カレン・ミルフィード「何を二人でコソコソ話しておるのだ?」
山本「あっ、いえ・・・」
山本「えへへ・・・」
橘 ゆうき「おい ジロジロ見るなよ!!」
〇綺麗なダイニング
山本「ではお嬢様 最初はこの服でございます」
カレン・ミルフィード「ふむ」
カレン・ミルフィード「なるほど・・・」
カレン・ミルフィード「これが庶民の服装というものか」
橘 ゆうき「おい・・・」
橘 ゆうき「単なるコスプレじゃないか」
山本「お前コミケに行った事ないのか?」
山本「女の子はな、どんなに恥ずかしい格好でもコスプレなら平気で出来るんだ」
山本「制服もコスプレの一種だと思わせるんだよ」
山本「良い考えだろ」
カレン・ミルフィード「これはまた妙な・・・」
山本「お似合いですよ お嬢様」
カレン・ミルフィード「日本の庶民とは不思議なものを着ておるのだな」
橘 ゆうき「・・・」
〇大きな木のある校舎
〇教室
担任「カレンちゃん その格好なに?」
カレン・ミルフィード「うむ」
橘 ゆうき「実は制服よりも その格好が気に入ってしまって」
橘 ゆうき「カレン様がこれを制服にしたいと・・・」
担任「・・・それは無理でしょ」
橘 ゆうき「──ですよねぇ」
???「ほっほっほっ 良いではありませんか」
「校長!!」
校長「慣れない外国暮らしの中で慣れない服装」
校長「抵抗があるのは分かります」
担任「でも、この子だけ 特別と言うわけには・・・」
校長「もちろん一時的に容認するだけですよ」
校長「早くここでの暮らしに慣れて──」
校長「自然に制服が着られるように導いてあげようではありませんか」
カレン・ミルフィード「おぬし、中々の度量の持ち主であるな」
校長「ほっほっほっ 姫様からお褒めに預かるとは光栄です」
校長「しかし素晴らしいコスチュームですな」
校長「さしずめ、校内を守るスーパーウーマンと言うところでしょうか?」
校長「期待していますよ」
カレン・ミルフィード「お前 なに訳の分からん事を言っておるのじゃ」
担任「カレンちゃん 校長先生にその言葉遣いはだめでしょ」
校長「ほっほっほっ」
〇屋根の上
こうして当面の問題は解決された。
〇一戸建て
〇シックな玄関
山本「よぉ」
橘 ゆうき「何だよ またカレンにコスプレさせるつもりか?」
カレン・ミルフィード「今日は何用じゃ?」
山本「今日は特にお似合いの物を持ってきたのです」
〇綺麗なダイニング
山本「絶対お嬢様も気にいると思いますよ」
山本「じゃ〜ん」
橘 ゆうき「おい・・・」
橘 ゆうき「なに考えて──」
山本「さぁさぁ お嬢様お付けください」
カレン・ミルフィード「うむ」
カレン・ミルフィード「どうじゃ?」
山本「たはっ!」
カレン・ミルフィード「うむ」
山本「だばっ!!」
カレン・ミルフィード「中々涼しくて良いな♪」
〇一戸建て
「わが青春に悔いなーし!!」
〇総合病院
〇病室
橘 ゆうき「おーい大丈夫か?」
カレン・ミルフィード「お前はつくづく病院と縁があるな」
山本「えへへ・・・」
カレンちゃんどこで下着の脱ぎ着してたんだろう笑
一話でゆうき君が下着姿に無反応だったのはそういう理由だったんですね
面白かったです
面白いwww
山本のキャラが良過ぎる😂