〇コンサート会場
陽向美音「〜♪〜♪」
虚森罰斗（す、すごい。 コウモリ怪人の耳だからよくわかるけど ・・・なんて心をゆさぶる歌声なんだ）
虚森罰斗（・・・それに）
　　キャー！美音ちゃんステキー！
　　うおおおお!!美音ちゃーん！
虚森罰斗（このライブ会場には、 一般市民だけじゃなくて ヒーローもヴィランもいるみたいだ）
虚森罰斗（それなのに、みんな笑顔で 心をひとつにしている・・・！）
虚森罰斗（こんな世界があったなんて！ 心が明るくなるなぁ）
陽向美音「それじゃあ次の曲、行っくよー！」
　　でりゃァァァーッ！
虚森罰斗「な、なんだ!?」
　　見つけたぞ、
　　秘密結社エクスティンクトの残党め！

〇コンサート会場
虚森罰斗（照明が落ちた・・・！）
クリムソン「逃がさないぜ、オラァ！」
虚森罰斗「わわっ!?」
クリムソン「かわされただと!?」
虚森罰斗「危なかった・・・！」
虚森罰斗「正直暗くてよく見えないけど・・・ オレはコウモリ怪人だから耳がいいんだ！」
クリムソン「チッ・・・！ 面倒くせえ！」
クリムソン「とりあえず光源が必要だな・・・ 何か燃やすにしても 客席側は民間人もいるし・・・」
クリムソン「そうだ!!だったらステージのほうに！」
虚森罰斗（荒っぽいけど、ヒーローだけあって 分別はあるみたいだな・・・ オレ以外に関しては安心していいのか？）
虚森罰斗「ん、ステージの方から音が・・・」
　　どうしよう、逃げ遅れちゃった・・・
　　暗くて何も見えない・・・
虚森罰斗「この声は美音ちゃん！ まだステージにいたんだ！」
クリムソン「オラァッ！　燃やすぜェ！」

〇コンサート会場
陽向美音「きゃあっ!!」
虚森罰斗「危ない！」
虚森罰斗「くっ・・・!!」
クリムソン「な・・・!? 怪人がアイドルを庇った!?」
陽向美音「怪人さん!?　大丈夫!?」
クリムソン「フーン、怪人にしちゃァ なかなか見どころあるじゃねーか」
クリムソン「だが俺はヴィランは一人たりとも 生かしとくワケには行かねェんだよ！」
虚森罰斗「ッ──！　早く逃げて・・・！」
陽向美音「怪人さん・・・なんでそこまで・・・！」
虚森罰斗「・・・わからない オレにはつい数時間前より前の 記憶がないからね」
虚森罰斗「でも・・・ ヒーローもヴィランも受け入れる キミのライブに、何か希望を感じたんだ」
クリムソン「ゴチャゴチャうるせェ！ それじゃアその希望ごと焼き払ってやるよ!!」
虚森罰斗「うわぁっ!!」
陽向美音「怪人さん!!危ない!!」

〇魔法陣2
　　な、なんだ・・・？
　　美音ちゃんのマイクが
　　光っているのか・・・？
陽向美音「────!!」

〇コンサート会場
クリムソン「うわァッ!?」
虚森罰斗「天井から鉄骨が落ちてきた!?」
陽向美音「怪人さん!!早く逃げましょう!!」
虚森罰斗「えっ!? 今の鉄骨はキミが!?」
陽向美音「話はあとで!!」
虚森罰斗（コウモリ怪人の耳だからわかる、 今のは炎で落ちかけていた鉄骨に 声で振動を加えて落としたんだ！）
虚森罰斗（でも、あの距離まで、鉄骨を落とせるほど 声を届けることができるのか？）
虚森罰斗（美音ちゃん、何者なんだ・・・？）
陽向美音「・・・！」