エピソード2(脚本)
〇農村
ゆうまとたいきが、田舎道で話をしている。
ゆうま「教授もさ「歴史にifはない」「それは科学とは言わない」とか、真っ赤になって怒っちゃってな(笑)」
たいき「なんで、小坂も「もし、信長が、本能寺に泊まらなければ・・・」なんて、言い出しちゃったんだろうな(笑)」
ゆうま「いや、まあ、ちょっと考えてみたくなるじゃん?もし、信長が本能寺で討たれなければ、その後の歴史はどうなっていたのか」
たいき「まあねえ・・・興味はあるけど、普通に天下取っちゃうでしょ?」
ゆうま「取るだろうね。で、朝鮮出兵もするだろうね。秀吉の朝鮮出兵より10年位早い感じになるのかな?」
たいき「バテレン追放令も出ないだろうから、東インド会社経由でポルトガル船団を呼んじゃったりしてな(笑)」
「坊ちゃん・・・あの・・・そこを通る2人の坊ちゃん・・・」
ゆうま「今、なんか声がしなかったか?坊ちゃん・・・って」
たいき「したなあ・・・でも、誰もいないぜ」
「坊ちゃん・・・ここです!坊ちゃん・・・藪の中の壺です!お願いです!助けて下さい!」
たいき「うわっ!気持ちわるっ!行こうぜっ」
「あ・・・行かないで・・・怪しい壺では・・・あああ・・・怪しいかあ・・・そ、そ、そおだ!アラジンの魔法のランプと同じです!」
ゆうま「悪いことして閉じ込められて、ウン百年?」
「そうそう!」
たいき「助けてくれたら、頼みを1個聞いてやる?」
「そうそう!」
ゆうま「だまされるかもしれないリスクを負って、壺のオッサンを助けて、きいてくれる願いは1個?」
たいき「俺達2人いるんだけど」
「じゃあ、2個!2個聞くから、お願い!」
ゆうま「要はさあ、いくつでもきけるんだよなあ?」
「あ!」
たいき「1個とか2個とか、出し惜しみしてる場合じゃないんじゃない?」
「あの~周りに他に人はいませんか?」
たいき「俺ら以外、人っ子一人いねえなあ(笑)」
ゆうま「じゃ、たいき車に戻るか(笑)」
「あ、待って!嘘!お願い!いくつでも願いはききます!きかせていただきます!ですから、ここから出してください!」
〇けもの道
ゆうま「半分埋まっているけど、壺っぽいのがあった。・・・あったけどさ、おい、梅干し漬けるような壺だぜ。これか?」
「それです!それです!割らないようにお願いしますね」
たいき「確かに、ふたの所にお札が貼ってあるわ。封じ込められたんだ」
ゆうま「へえ~オッサン、何、やらかしたんだよ」
「あの・・・その前に出してもらえませんか?」
たいき「ヤダよ!出して、やべえ奴だったら、俺らやられちまうじゃん」
ゆうま「先に、何をやらかして封印されたか言ってみなよ。封印を解くも解かないも俺ら次第だよ」
「ですよねえ(笑)実は、私、羽黒山で修業した山伏なんですよ。そこそこ法力もあって、ちょっと天狗になっちゃって・・・ハハハハ」
たいき「まあ、あるあるだなあ。で、何した?」
「時空の行き来をして、金もうけをしてまして・・・」
ゆうま「ん?タイムマシーンってこと?オッサン、過去に戻ったり、未来に行ったりできんの?」
「はい~」
たいき「え?それは、自分だけ?それとも他人を連れていけるの?」
「少人数なら連れていけます~」
たいき「マジかよ!スゲーじゃん!」
「ありがとうございます~あの・・・封印の方は・・・」
ゆうま「あ、ああ・・・あとは、何のおとがめで?」
「いえ、この時空の行き来の術だけでございます~」
ゆうま「封印解いてやってもいいんじゃね?」
たいき「バカ!封印解いた途端に、タイムトラベルされてとんずらされるのが落ちだよ」
ゆうま「・・・お前さあ、それ言ってたら、このオッサンの術も使えねえ。壺に封じ込めて持ち歩いているしかねえ」
たいき「う~ん」
「あの~あの・・・坊ちゃん達・・・私は、そんなに悪い人間じゃあないですよお」
たいき「自分で、悪い人間だって白状する凶悪犯もいねえだろう」
ゆうま「封印解いてやろうよ。もし逃げられても、俺達は、来た時と同じ状態だろ?逃げられなかったら、ラッキーなんじゃね?」
たいき「そうだな・・・オッサン、封印解くからな」
「ありがとうございます!」
たいきは、壺に貼ってあるお札をはがした。すると、中から、山伏姿の男が出てきた。
山伏「坊ちゃん達!ありがとうございます!この御恩は一生忘れません!」
たいき「くっせええ!」
ゆうま「風呂!風呂入ってきて!今すぐ!話はそれから!」
山伏は、壺に閉じ込められていた数百年分の加齢臭をいっぺんにぶちまけた為たいきとゆうまは、たまらず山伏を風呂に追いやった。
〇農村
たいき「どこ行きたい?」
ゆうま「やっぱ本能寺ははずせないでしょ」
たいき「だよな。俺はあと、家康の伊賀越えも興味あるなあ」
ゆうま「ちょっと気になるのはさあ、どうゆう状態でその現場を見るのかって事だよなあ。空中から眺める感じ?」
山伏「いえいえ、姿が見えなくなる隠れ蓑を着ていただいて、ご自身で参加していただきます」
丁度、山伏が風呂から上がってきて、気持ちよさそうに汗を抑えながら、説明を始めた
山伏「私が、ご希望の場所・時間の近辺にお連れしますので、あとは、隠れ蓑を着て、お好きな角度から楽しんでいただけます」
たいき「走るんだな?」
山伏「遠くから望遠鏡で楽しむという方法もあります。あまり近づくと、流れ矢などの危険がありますので」
ゆうま「お前は、その間何をしているんだ?」
山伏「危なくないよう、離れて身を守っております。お客さまがお帰りになりたいとお声を掛けられたら、元の時代にお連れします」
たいき「元の時代に戻れなかった客もいただろう?」
山伏「全員が全員、元の時代に戻る事を望んでおられる訳ではありますまい。私は、お客さまの希望を尊重して差し上げたのです」
ゆうま「こいつ、やべえんじゃねえか?」
たいき「お前、誰に封印されたんだ?」
山伏「比叡山の大阿闍梨さまでございます」
ゆうま「はあ?なんで、そんな大物が?」
山伏「帝を承久の乱(鎌倉時代:後鳥羽上皇が鎌倉幕府執権・北条氏に討伐の兵をあげた)お連れしたからでございます」
たいき「そりゃ、怒られるわ」
ゆうま「帝は、崩御されたの?」
山伏「とんでもない!おみ足をくじかれましてな」
ゆうま「それで、悪事が露見して、封印か・・・」
山伏「まあ、そういう事でございます。過去の事件を見に行くのはあぶのうございますよ。おやめになった方がよろしいかと」
ゆうま「帝が承久の乱に行ったのって、歴史を変えるためにだろう?後鳥羽上皇を勝たせるために行ったんだろう?」
たいき「過去を変えられるから、オッサン封印されたのか!」
山伏「まあ、そういう意味もありますかねえ」
ゆうま「行ってみたくない?歴史のifだよ!」
おもしろーい!一度は考えたことがある妄想を形にしていただけたので、めちゃ胸熱です!
確かに過去がこうなってれば…って考えることありますよね!
よく考えるのは自分の過去の事とか…。
でも歴史って些細なことでも変わってれば今の私たちはいないかもって考えると奥が深いですよね。
歴史で、IFと空想したら、どんなふうになったのだろう?山伏が封印されってという発想も面白く、どんな物語に発展するのか楽しみです。