ともだち

深都 英二

ともだち(脚本)

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〇おしゃれな大学
岡野 亮「3限ダルいな。サボるか」
岡野 亮「ん?あれは・・・」

〇おしゃれな大学
杉下 裕斗「あのゲーム最高だよな!」

〇おしゃれな大学
岡野 亮(杉下か。友達が多くて、みんなの人気者)
岡野 亮(俺とは真逆だな)

〇おしゃれな大学
男性「じゃあ、例のやつを・・・」
杉下 裕斗「ああ。誰かに見られるとまずい」
杉下 裕斗「こっちに来てくれ」

〇おしゃれな大学
岡野 亮「なんか様子がおかしいぞ」

〇体育館の裏
杉下 裕斗「はい、これ」
男性「サンキュー!」
男性「じゃあな〜」
杉下 裕斗「ふうっ・・・」
岡野 亮「おい!」
杉下 裕斗「うわっ!」
杉下 裕斗「何だ、岡野か。びっくりさせんなよ」
岡野 亮「さっきの何だよ」
杉下 裕斗「えっ?」
岡野 亮「見てたんだよ。金を渡してただろ」
岡野 亮「もしかして、カツアゲされてんの?」
杉下 裕斗「さっき見たことは誰にも言わないでくれ」
岡野 亮「あいつら!汚ねえことしやがって!」
岡野 亮「よし!俺があいつらに言ってきてやるよ」
杉下 裕斗「やめてくれよ!」
岡野 亮「ああいうやつらは、ガツンと言わなきゃわかんねーんだよ」
杉下 裕斗「違う!違う!」
杉下 裕斗「あの人たちは・・・友達だよ」
岡野 亮「友達だったら金なんか渡さねーだろ」
杉下 裕斗「友達だから金を渡してたんだよ」
岡野 亮「何言ってんだ?」
杉下 裕斗「だから、そういうサービスなんだって」
岡野 亮「は?」
杉下 裕斗「友達代行サービスって知ってる?」
杉下 裕斗「いわゆるレンタルフレンドってやつ」
杉下 裕斗「俺は友達をレンタルしてんだよ」
岡野 亮「まじかよ」
岡野 亮「ちょっと待てよ!」
岡野 亮「お前の周り、いつもいっぱい人がいただろ」
岡野 亮「まさかあれって全員・・・」
杉下 裕斗「みんなレンタル!」
岡野 亮「ウソだろ!」
岡野 亮「いつも違うやつらといるなって思ってたけど、まさか・・・」
杉下 裕斗「みんなレンタル!」
岡野 亮「みんなレンタル!じゃねーよ」
岡野 亮「何でちょっとドヤ顔なんだよ」
杉下 裕斗「「人気者の杉下」は、金で作られたイメージだったってわけさ!」
岡野 亮「おいおい、まじか」
岡野 亮「レンタル料ってどのぐらい?」
杉下 裕斗「1時間1万円」
岡野 亮「高っ!」
杉下 裕斗「大学でボッチってバカにされるより100倍ましだよ」
杉下 裕斗「金で人気者のイメージが買えるなら安いもんだ」
岡野 亮「何だよそれ」
杉下 裕斗「俺みたいな地味で暗いやつが大学デビューするためには」
杉下 裕斗「こうするしかなかったんだよ」
岡野 亮「そんな友達で嬉しいのかよ」
岡野 亮「金払って一緒にいる関係に意味あるのかよ」
杉下 裕斗「っ・・・!」
杉下 裕斗「じゃあお前は、友達と本当の関係って言えるのかよ?」
岡野 亮「俺は友達いねーよ」
杉下 裕斗「あ・・・」
杉下 裕斗「なんかごめん」
岡野 亮「謝るなよ。謝られるとなんか惨めになるだろ」
杉下 裕斗「ごめん」
岡野 亮「だから謝るなって!」
岡野 亮「金で買うぐらいなら友達なんかいらねーよ!」
杉下 裕斗「じゃあ、友達って何だよ?」
岡野 亮「えっ?」
杉下 裕斗「金で買う友達と、そうじゃない本当の友達」
杉下 裕斗「何が違うんだよ?」
岡野 亮「友達っていうのは、一緒に話したり、メシ食ったり、遊びに行ったりするもんだろ」
杉下 裕斗「俺もレンタルフレンドと話したり、メシ食ったり、遊びに行ったりしてるよ」
岡野 亮「いや、そうじゃなくて」
岡野 亮「もっと心の繋がりがあるだろ」
杉下 裕斗「金で買ってない「本当の友達」に、心の繋がりがあるって言えるのかよ?」
岡野 亮「言えるだろ」
杉下 裕斗「ボッチのくせに」
岡野 亮「うるせえ!」
岡野 亮「金で友達買ってるやつに言われたくねーよ!」
杉下 裕斗「友達いないやつに言われたくねーよ!」
岡野 亮「じゃあ、友達になればいいだろ!」
杉下 裕斗「えっ?」
岡野 亮「本当の友達がわかんねーなら、俺とお前が友達になればいいだろ」
岡野 亮「友達の関係に金なんかいらねえってことを俺が証明してやるよ」
杉下 裕斗「岡野・・・」
岡野 亮「あ、ごめん。ちょっと出るわ」
岡野 亮「もしもし。ああ・・・今週の日曜だよな?楽しみにしてる」
岡野 亮「え?」
岡野 亮「好きだよ。じゃあな」
杉下 裕斗「今のって・・・」
岡野 亮「彼女だよ」
杉下 裕斗「お前っ!友達はいねーのに彼女はいるのかよ」
岡野 亮「まあな」
杉下 裕斗「俺の完敗じゃん」
岡野 亮「勝ち負けとかねーよ!」
岡野 亮「でも今日は支払日だから、金を振り込まないといけないんだ」
杉下 裕斗「振り込む?」
岡野 亮「俺の彼女、レンタル彼女だもん」
杉下 裕斗「えっ?」
杉下 裕斗「もしかして、さっきの電話って・・・」
岡野 亮「そう!レンタル彼女」
杉下 裕斗「まじかよ!」
岡野 亮「俺にベタ惚れしてるって設定だから」
岡野 亮「電話でいつも「あたしのこと好き?」って言ってもらってるんだ」
杉下 裕斗「お前・・・だいぶヤバいな」
杉下 裕斗「レンタル料っていくらぐらい?」
岡野 亮「1時間2万円」
杉下 裕斗「高っ!」
杉下 裕斗「俺のレンタルフレンド代より高いじゃん!」
岡野 亮「むしろ安いだろ」
杉下 裕斗「俺にあれだけ説教しておいて、お前もレンタルしてんじゃん!」
岡野 亮「お前と一緒にすんなよ!」
岡野 亮「俺は友達はレンタルしねーよ」
杉下 裕斗「彼女はレンタルするのに?」
岡野 亮「彼女はレンタルするもんだろ」
杉下 裕斗「お前、価値観バグってんな」
岡野 亮「お前に言われたくねーよ」
杉下 裕斗「俺たち仲良くなれそうだな」
岡野 亮「そうだな」

コメント

  • ハートフルな友情ストーリーに行きかけたところ、すぐさまブラックコメディテイストに戻る展開に驚きです。この2人、なんだかんだで長い友人付き合いになりそうですねw

  • 友達をレンタルしてる人と、彼女をレンタルしてる人…なんだか気が合うんじゃないでしょうか。
    ぼっちが恥ずかしいってのは、最近よく聞きますよね。
    気が合わない人とずっと一緒にいると疲れるので、恥ずかしい意味がわからない私です。笑

  • ふたりなんだか似ていてウマが合いそうなので、いずれベストフレンドになれるような気がします。人をレンタルって実際流行っているのでしょうか。偽りの愛情をむけられても孤独は解消できないと個人的には感じてしまいますが、一度利用してみたら考え方が変わるのかもという興味もあります。

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